アンデッド陣営の特徴
本節では、各ユニットの特性を踏まえた上で、陣営全体の特徴について議論したいと思う。
アンデッド(以下UD)陣営擁するユニットは、大雑把には不死系(骨・グール)と非不死系(暗黒僧など)の2つに分類することができよう。非不死系に分類されるのは、Lv1では暗黒僧のみであるが、このユニットはUD陣営の主力として多数雇用されるユニットであり、不死系と非不死系という分類は大きな意味を持つ。以下でこの二者の特徴について述べたいと思う。
■不死系
不死系はゲーム中最も目立った特色を持つ種族の1つであろう。これらは特性「アンデッド」を必ず有する代わりに、「頑強」や「俊敏」などの特性を持たない。また極端な耐性を有する。骨は極めて高い貫通・斬撃耐性を持ち、ゴーストはこれに加え打撃耐性も有する。一方で不死系の全てのユニットは秘術に極めて弱く、また骨は打撃と火炎に対しても脆弱である。このような特徴により、不死系は以下のような短所や長所を持つ。
◆短所
不死族は以下の理由により非常に脆く、倒されやすい。
・低HP
不死族は前述の通り、頑強が絶対につかない。またデフォルトのHPも骨斧34、骨弓31、ゴースト18と低めに設定されている。
・弱点
前述のように骨は秘術だけでなく打撃や炎に弱い。Lv1ユニットには実用的な秘術攻撃を有するものが存在しないが、打撃や炎の攻撃を有するユニットは多数存在する。
◆長所
不死族が苦手とするようなユニット(対UD兵器)は以下のような不便な点を持つことが多いため、対UD兵器の用意を相手陣営に強いることで、相手に負担を与えたり、戦術の幅を狭めさせることも、場合によっては可能である。
・対UD兵器は高価なことが多い
例外もあるが、上記の通りである。魔術師、重歩兵、ウーズ、焼却者はいずれも20G前後であり、14G~16Gが中心のUD陣営よりは割高となる。またオーク弓兵は14Gだが、兵卒と比べると2G高価な上、HPや火力で劣る。このため対UD兵器を出しすぎると数的不利に陥ることになるし、2方面以上に分かれているマップで複数方面に対UD兵器の配置が必要になると、対応に苦慮することがある。
・対UD兵器は使い勝手がよくない場合が多い
これも例外があるが、比較的よく当てはまる。使い勝手がよくないとは、たとえば鈍足であるとか、少ない攻撃回数に起因した不安定さ、などである。鈍足の例は重歩兵、ウーズは言うまでもなくそうであるし、ドレーク焼却者も戦士やトカゲ族よりも移動力が1低い。また攻撃回数が少ない例は打撃ユニットに多く、たとえば重歩兵、ウーズ、追いはぎ、トロル、ドワーフ戦士のハンマーもそうである。またオーク弓兵の火矢も2回である。このことは、地形効果と隊列に充分配慮しさえすれば、思いのほか生き残ることが多いということにつながる。(無論ヒットすれば弱点ゆえ大打撃を被るので、むやみに攻撃に晒されて良いというわけではない)。また魔術師は例外的な存在で3回攻撃かつ魔法攻撃であるが、高価な上HPが低いという別の弱点があり、運用は簡単ではない。具体的には、たとえば簡単には魔術師を倒せない陣形を組まれたとしても、骨弓による反撃やグールによる毒で比較的容易にHPを半減させることができる。HPが半減した魔術師をそのまま戦線に残すのはリスクがあり、相手に撤退を促すことができる。
■非不死系(暗黒僧)
暗黒僧は前述の通り、UD陣営の攻撃の主軸となるユニットである。以下ではその長所と短所を整理する。
◆長所
・魔法攻撃
UD陣営唯一の魔法攻撃である。特筆すべきでもないことだが、相手回避率を無視して70%の命中率になるので、村を襲う際には必須となる。
・魔法攻撃の割には安価
人間・エルフ擁する魔術師が20Gであるのに対し、暗黒僧は16Gである。2回攻撃ではあるものの、徒党を組めば安定するし、比較的安価であるためそれも容易である。
・比較的高機動力
暗黒僧は格闘攻撃を持たないことに由来して「強力」が絶対に付かない。これにより「俊敏」が付く確率が通常のユニットより高い(3分の2)。従って「俊敏」が絶対に付かない骨やグールと比して高機動力であるといえる。これにより、鈍足であることが多い対UDユニットの討伐や、逃げ遅れた敵兵などの追尾にも使える。
◆短所
・格闘攻撃を持たない
暗黒僧の最も大きな特徴である。この特徴のため、瀕死の歩兵もためらわずに殴りかかってくるし、またナルガン陣営の狂戦士が天敵となる。
暗黒僧の天敵は高機動力高火力ユニット(グリフォン、騎兵など)と思いがちであるし、実際これらは鬱陶しい。しかしながら、実は最も厄介なのは、安価な汎用歩兵(槍兵、オーク兵卒、エルフ戦士など)である。なぜならこれらが相手になると数的不利に陥ることで、こちらのターンにこれらを一掃し切れずに反撃を受けたり、骨などで暗黒僧を守りきれなくなるからである。
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上記の整理により、UD陣営の特徴や問題点が浮かび上がってきたかと思う。我々が相対するプレイヤーは、このようなUD陣営の弱点を攻め立ててくるはずだ。たとえば骨やグールが多ければ、毒ユニットを出してくるような真似は当然して来ず、対UDユニットで対応しようとするであろう。陣営をランダムではなくUD選択選択にすると、相手は序盤からこのような対応を取ることができるため、貫通や斬撃に強いといった耐性を生かす機会も少なく、毒が効かないとかいうような不死ユニットの長所などアドバンテージにならないことは明白である。
我々がそういった対アンデッド布陣に対してどのように対処すべきであるかは、次の節で議論することにしよう。