『Good-bye, Lullaby』(グッバイ・ララバイ)。
略称には「GBL」など。
概要
欧州連合内にある架空都市フレズベルグを舞台に、メイン五人を中心に展開される近未来ローファンタジーもの。
全編通しシリアスタッチで、暴力表現や同性愛表現が含まれることがある。
時系列が変動しやすく、様々な事象が入り乱れ、一部のキャラクターに複数の名前があるので把握していないと少々解りづらい。
登場キャラクター
掃除屋 "Cleaner"
その名の通り、仕事上邪魔になった人物の排除や、ゴミ屋敷の片付けなど、掃除に関することなら何でもやる商売。
クリスが一応代表という扱いになっている。
- クリス "Chris"
掃除屋。気まぐれで子供っぽい吸血鬼と人狼の合いの子の亜人。
- シャル(シャルロット) "Charlotte"
掃除屋。若作りのオカマカニバリスト。本名はシャルル・ブラック。
- フアン "Juan"
掃除屋。結構常識の通用しない怪力元孤児。
情報屋「ラプンツェル」 "Rapunzel"
ありとあらゆる情報を収集し、売買する商売。それほど有名ではないが、ラプンツェルはずば抜けた記憶力を誇り、真偽や情報元が不確かなことはないという風評が出回っている。
ラプンツェルという名前は、当人の髪型が長い三つ編みであったことから、冗談交じりにベラが名付けたところ定着してしまったらしい。
- キアラン "Ciaran"
情報屋。厭世的で短気な元天才生物工学者。本名はアラステア・オーデュボン。
- ライサ "Raisa"
深窓の令嬢。キアランにべったりな不思議系少女。
特別自治区フレズベルグ "Hraesvelg Special Administrative Region"
他の国、街とは一線を画した街。一見無法地帯のような自由っぷりで、基本的には何でもあり。だがフレズベルグ独自のルール(フレズベルグ自治協定)がある。
歴戦の猛者や手練が集まり、親人派最長老と商会長が共同で治めている。事実上、地球上で唯一人間と亜人が共存している場所。
様々な経歴、職業、人種、国籍を持つ者が集う、世界の縮図。
- ベラ "Bella"
フレズベルグ親人派最長老。バンシーの亜人。身長148cm。
少女のような外見をしているが、先の大戦を生き抜いた最古参の亜人。正確な年齢は不明。通称「泣けないバンシー」。
- ロタール(ローティ) "Lothar"
フレズベルグ商会長。渋いおじ様だがベラには形無しの元傭兵。フルネームはロタール・エクハルト。56歳。
普段は温厚だが、フレズベルグの秩序を乱す者には全く容赦しない。苦労性。
- ナイキー "Nike"
両腕のない酒場の歌姫。幻想種のドラゴンメイド(ヴィーヴル)の亜人。本名はメリュジーヌ。308歳。身長は人間時177cm、ドラゴン時3m。
頼れる姉御肌。酒場という職場柄、情報通でもあり「困ったときはナイキーに聞け」と言われるほど。
一時期引き取られたばかりのフアンの面倒を見ていたことがあり、今でも稀に一緒にいるところを見られる。
- ドクター・マッド "Dr.Mad"
腕しかよくない闇医者。エルフの亜人。人体の構造に対し並々ならぬ情熱を捧げ、フアンの骨格とキアランの内臓が好みらしい。89歳。身長168cm。
- フギンとムニン "Huginn and Muninn"
性別、種族不明の双子のメッセンジャー。ベラの子飼い。二人で一つの台詞をわけて喋る癖がある。身長150cm。
国際テロ組織・ユグドラシル "Yggdrasil"
「世界の歪みを正す」として自然の摂理に悖る行為を行う組織・団体を武力で制圧するテロ組織。
創設者はヘイダルとクリスだが、クリスは脱退し、ヘイダルが首領として治めている。メンバーの殆どが亜人である。
- ヘイダル "Heydar"
ユグドラシル首領。創設者の一人で、ニーズヘッグと呼ばれる。人狼の亜人。クリストフォロスの異父兄。
- クリストフォロス "Christophoros"
ユグドラシル創設者の一人だが、ヘイダルとの対立により現在は脱退している。ヴェズルフェルニルと呼ばれていた。
- ラタトスク "Ratatoskr"
ユグドラシル首領補佐。情報戦を最も得意とするが、ヘイダルの護衛も勤める万能な人材。正体がはっきりしないが、外見がオリヴィエと酷似している。身長173cm。
- フーウェイ "HúWěi"
ユグドラシル構成員。ヴィゾフニルと呼ばれる。三本の尾を持つ狐の亜人。暗器と青竜刀を用いる快楽殺人鬼の少女。シャルロットと面識がある。
学術都市島パルナッソス "Parnassus Academic City Island"
欧州連合内にある、世界中の学者・芸術家のために、グラドゥス・アド・パルナッスム博士によって作られた街。普段は孤島だが、干潮の際は本土と繋がる。
島の中心部にあるファサード保存された古城・グラドゥス城が主な研究機関で、殆どがそこに集約されている。グラドゥス城の庭園はジキルの庭と呼ばれ、四季折々の花が咲く。
城のほかにも修道院・教会がある。城下町は学者・芸術家たちの家が立ち並び、宿泊施設や飲食店、現地の農家や漁師の家もある。
自然環境は豊かで、生態系も殆ど崩されていない。蜂蜜酒と蟹が有名。
- バルト(バルトロメオ) "Bartolomeo"
言語学者。キアランの養父兼名付け親で、ライサの教育係。
プロジェクト・ジーニアスに第一世代・第二世代共に参加しているが、プロジェクトを危険視していた。グラドゥス城爆破事件(パルナッソスの悲劇)で死亡している。
- 細川幽斎
本名は細川恭輔。名門・細川家の当主。バルトの友人で、キアランの剣の師。アイリーンとははとこ。
プロジェクト・ジーニアスには不参加だが、プロジェクトを危険視していたバルトとアラステア(キアラン)に代わり、プロジェクトを永久凍結させた。
また、グラドゥス城爆破事件(パルナッソスの悲劇)時にはアラステア(キアラン)とライサの脱出を手伝い、現在も連絡を取り合っている。
- ダレル "Darrel"
生物学者。アラステア(キアラン)とアリシアの父で、アイリーンの夫。アイルランドの生まれ。享年54歳。身長185cm。誕生日は6月14日。
非常に繊細な人物。寝る間を惜しんで研究を続けたりする努力家で、秀才タイプ。学者としては亜人研究、遺伝子学・生態学などに大きな成果を残している。
アイリーンを深く愛していたため、アラステアの出産後アイリーンが死亡したことから精神のバランスを崩し、アラステアを虐待した。
プロジェクト・ジーニアスの第一世代デザインに携わっており、グラドゥス城爆破事件(パルナッソスの悲劇)の数日前に、ヘイダルに銃殺された。
- アイリーン "Irene"
植物学者。アラステアとアリシアの母で、ダレルの妻。バルトと面識があり、親しかった。幽斎のはとこ。日系ハーフのイギリス人。
病弱ではあったが闊達で豪快、良くも悪くも自信家で我が道を行くタイプの女性だった。
アラステアを産んだのち、産後の肥立ちが悪く死亡。享年34歳。
- エセルバート・ブラックバーン "Ethelbert=Blackburn"
病理学者、生物学者。アメリカの生まれ。
研究の副産物である老化遅延薬や老化停止薬を発明しては周囲に治験して回るはた迷惑な天才。本人はいたって真面目。
プロジェクト・ジーニアスには参加拒否を表明していた。関西弁で喋る。
グラドゥス城爆破事件(パルナッソスの悲劇)
五年前、国際テロ組織・ユグドラシルによってパルナッソス島のグラドゥス城が爆破されたテロ事件の名称。俗に「パルナッソスの悲劇」と呼ばれる。
このテロ事件により多くの学者が死亡、グラドゥス城は燃え盛り一時廃墟となったが、城下町や修道院・教会には何の被害もなかった。
現在グラドゥス城は復興されており、事件以前と変わらぬ姿で島に建ち続けている。
プロジェクト・ジーニアス
「天才を造る」というデザイナーベビーのプロジェクト。五年前のグラドゥス城爆破事件以来凍結されている。
プロジェクトの存在自体は国家機密であり、パルナッソスに永住する科学者にのみ公表されていた。
公表当時は多くの科学者に人道に悖ると批判されたが執行された。
第四世代の作成までを予定していたが、第二世代の遺伝子デザイン段階で永久凍結した。
プロジェクトによって生まれた子どもたちを「チャイルド」や「ミューズの子ども」と呼ぶ。
テスト世代である第三世代までは人間の倍の速度で老化するようデザインされている。また生殖機能を持たない代わり、強靱な肉体を持つ。
他
- オリヴィエ "Olivier"
吸血鬼の亜人。クリスの叔母にあたる。ヘイダルとは恋仲だった。
亜人研究のためパルナッソスに連れ去られ、そのまま消息不明になる。身長173cm。
- ロッソ "Rosso"
孤児の青年。行き倒れていたクリスを拾い養った。
学はないが明るく裏表のない性格で人に慕われていた。ヘイダルが起こした爆破事件により死亡している。
- マリー "Marie"
良家の子女。その育ちと美しい外見とは裏腹に、まるで男のような立ち振る舞いをしていた。
シャルとは期間は短いながらも恋仲であったが、通り魔に襲われ死亡。本名はマリー=アンヌ・コルデー。享年17歳。身長166cm。
- イライア "Iraia"
フアンの母。娼婦で、さる資産家との間にフアンをもうけ一人で育てるが、生活苦から心中しようとしてフアンに殺害された。
- アリシア "Alicia"
アラステアの姉。アルビノで病弱だったが、ダレルに代わりアラステアを育てた。通称エルシー。
気質がアイリーンに似ていたため、ダレルに溺愛されるが、アラステアを庇ったことでダレルに殺害される。享年18歳。
作者メモ
- ユグドラは全員北欧神話から名前ひっぱってこようと思ってます。一応今後、幹部とか下っ端とか出てきそうなのでメモ。
メモ:ヴェズルフェルニル、ヘイズルーン、ヴィゾフニル、エインヘリャル
- ナイキーの名前の由来はサトモラケのニケ。ニケの英語読みがナイキー。
フレズベルグのモチーフ都市が見つからない。→ニューヨークでいいんじゃないかな。あそこもマス目だし。
- パルナッソスのモチーフ都市はイギリスのリンディスファーン島。生きてるうちに一回は行きたいなあ。
- オリヴィエは本当は男性名です。もともと彼女中性だったんですが、ヘイダルにアタックされてたら女性分化しました(……
- マリーの名前は暗殺の天使シャルロット・コルデーから。マリー=アンヌ・シャルロット・コルデー・ダルモン。
- イライアは本当はイライザとか付けたかったんだけど、ほら、スペインだから……(※イライザは英語
- アリシアは最初アリスだったんですが、ウチもう一人アリスいるんでアリシアになりました。
オーデュボン家の子供は二人ともAで始まるんですが、それはダレルがアイリーン好きすぎるせい。
本当はIから始まる名前にしたかったけどアイリーンが流石にきめえって言うから妥協してA。IとAは発音記号違うよ!
- グラドゥス・アド・パルナッスム博士はクロード・ドビュッシーの「子供の領分」第一曲目から。意味はラテン語でパルナッスム山への階梯。
パルナッソスは元々ギリシア神話に出てくる山で詩、文学、学問発祥の地としてのメタファーに使われます。
ちなみにリアルにギリシャにある。普通の山だけど。現在はスキー場があるみたい。
- ブラックバーン博士の名字はテロメアの発見者、エリザベス・ブラックバーン氏から。現在も御存命。
最終更新:2014年09月17日 00:37