「ファンタジアの銃声(花の子ルンルン第40回)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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昭和54年(1979年)11月30日放送
[[←前回>モロッコへの片道切符(花の子ルンルン第39回)]] [[次回→>エジプト女王の指輪(花の子ルンルン第41回)]]
ルンルンとダリフは、モロッコのカサブランカを経由し、ダリフの故郷の村へやってきた。しかし、貧しい土地であるため、ダリフは養えない、都市で暮らせと言われてしまった。結局、村の少女・アイシャの説得で、どうにか村に留めてもらえることになる。しかし、ヤボーキの妨害により、再びダリフは追い出されそうになる。そこで、アイシャの勧めで、ダリフは村の祭り・ファンタジアに向けて訓練を始める。ヤボーキはまたも邪魔しようとするが、ルンルンによって阻止。ファンタジアを上手くこなしたダリフは、一人前のベルベル人の男と認められた。
*&bold(){ストーリー}
-舞台: &u(){モロッコのカサブランカ~ダリフの故郷の村}
-カサブランカに着いたルンルンとダリフだが、故郷はまだまだ先。それどころか故郷の名前さえ分からない。ルンルンは、一緒に故郷を探す。
-ルンルンとダリフは、ある村にて、暑さのために倒れているところを、村の少女・アイシャ達に発見された。よくよく聞くと、そここそが、ダリフの故郷なのであり、両親の自宅も残っていた。故郷の見つかった印として、イギリスのチャーロに向け鳩を飛ばした。突如鳴り出す銃声。鳩を撃っているのかと思ったらそうではなく、ファンタジア(民族のお祭り)の練習をしていたのである。
-しかし、村は貧しく、ダリフを養うことは出来ない。カサブランカで仕事の紹介をするから、村から出て行けと言われるが、ダリフは抵抗。ルンルンとアイシャが、ダリフは立派に役に立つからと説得し、どうにか村に留まることを許される。
-その頃、ヤボーキも、その村に来ていて、トランシーバーでトゲニシアに報告したが、彼女はカサブランカのプールで保養中。ヤボーキ一人で行動せよと言われる。
-翌日、ダリフはベルベル人の民族衣装に着替える。ついでにルンルンも、&u(){サボテンの花で、民族衣装に変身}。二人は、村人を手伝うため、市場への行列についていく。そこに、ヤボーキが現れ、パチンコをロバに当てて妨害する。ロバに乗せていた荷物は散乱。
-使い物にならないと思われたダリフは、アイシャの父に出て行けと怒られる。慰めようとするルンルンであるが、ダリフに「迷惑だ」と言われてしまう。
-その後、アイシャは、ダリフにファンタジア出場を勧める。ファンタジアを立派に務めれば、「一人前の男」として認められるからだ。
-その様子を、蔭で見ていたルンルン。自分はダリフには何をしてやることができない。ダリフのことはアイシャに託し、ルンルン一行は、村を退散し、夜の砂漠を歩いていった。一方、その頃、ダリフは、アイシャに指導されながら、ファンタジアの訓練に必死だった。
-夜が明けて、ルンルン達は、ヤボーキがいないことに気付いた。このままだと、ダリフはまた妨害されてしまう。再び、&u(){ベルベル人の民族服に変身}、馬に乗って大急ぎで引き返す。
-村ではファンタジアの真っ最中。子供であるにも関わらず、ダリフは立派にその役目をこなしている。しかし、ヤボーキが妨害せんと爆弾の導線に火をつける。そこにルンルンが戻ってきて、爆弾を除去。弾みでヤボーキは姿を現してしまう。
-ダリフはとうとう、アイシャの父から「立派なベルベル人」と認められた。ダリフとアイシャは、ルンルンをヤボーキの妨害から救ってくれたことを感謝し、ルンルン達を見送った。二人は、肌の色の違いよりも、もっと大事なものがあることに気付いたのだった。
-花言葉: &u(){おおばこ ~白人の足あと~} 民族服を着て馬に乗ったセルジュがやってきて、ダリフに渡す。こんな遠くまでやってきて残していった、ルンルンの小さな足跡。
*&bold(){鑑賞}
-本回では、イギリスで生まれ育ったダリフが、ベルベル人の村に受け入れてもらえるようになる過程が描かれています。
-ダリフは最後、ルンルンの後ろ姿を見ながら、「同じ肌の色の人の所へ戻りたかったが、人間は肌の色の違いじゃなかったんだ」と言っています。確かに、作品中、ダリフは黒人っぽく描かれています。しかし、wikipediaの写真を見る限り、ベルベル人は白人のように見えます→[[ベルベル人>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E4%BA%BA]]。アフリカ北部は、黒人というよりは、アラブ系という感じがするので、ここに肌の色の話を盛り込むのが適切であったのかどうか、よくわかりません。
-ファンタジアについては、[[このページ>http://www.caravan-morocco.com/from-marr/data/1061919062.html]]を参照。
-気になるのは、ルンルンとダリフとアイシャの三角関係?ですね。ルンルンの本命はセルジュな筈ですが、この回はダリフと親密そうにしている姿がかなり多いです。例えば、砂漠で倒れるときに手をつないでいたり、ここがダリフの故郷だと分かったときに抱きついたり。
-しかし、段々、アイシャのほうが、ダリフに対し積極的になっていきます。最初こそ、二人で仲良く鳩を飛ばすシーンを横目で見ていたアイシャですが、ダリフが村から追い出されそうになってからは、村人への説得、ファンタジアの訓練などで、アイシャのほうがルンルンよりも、ダリフの役に立つようになります。
-ダリフが市場へ出かけるとき、ルンルンも花の鍵で民族衣装に変身してしまいます。そのときの会話。キャトー「ルンルンったらさ、アイシャがダリフの世話をし過ぎるものだから、焼きもちでも焼いてんのかな」 ヌーボ「そんなことのために、花の鍵を使うのは、あまり感心しないんだけどなぁ。」 この会話で、製作者は、彼等が三角関係っぽい間柄であることを、示しています。
-しかし、所詮、ルンルンは異民族。アイシャとダリフの仲が良いのをみて、ルンルンは寂しそう。ヌーボ「ルンルン、俺達は旅人なんだぜ。一箇所に留まることはできないんだ」 キャトー「いくら頑張っても、ベルベル人にはなれないしな」 ヌーボ「ルンルンと同じくらい思ってくれている女の子が側にいてくれるしさぁ」 キャトー「そーっと祝福して、行こうよ。それが一番ルンルンらしいぜ」ということで、一人(&二匹)で出発してしまう。
-結局、この三角関係は、何だったのでしょう? まさかルンルンは、ダリフに浮気をした? まぁ、そうとれないこともないですが、多分違うでしょう。基本的には、ルンルンとダリフを結びつけているのは「恋愛」ではなく「友情」です。「私たちの友情を信じてたのに」というルンルンの心の叫びも出てきます。最初に、ダリフとルンルンの仲を睦まじく描くことで、後のダリフの苦悩、ルンルンの落胆を際だたせる効果を狙ったんだと思います。ルンルンは、各地で人の役に立とうと頑張ってきましたが、こんなに遠くにやって来て、自分が必要とされない寂しさ、とでもいうべきものを味わうことになるのですから、寂しさもひとしおだったのかもしれません。
*&bold(){登場キャラクター}
-ルンルン・フラワー: 岡本茉利
-キャトー: 白石冬美
-ヌーボ: 神山卓三
-セルジュ・フローラ: 水島裕
-ヤボーキ: はせさん治
-トゲニシア: 喜多道枝
-その他の登場キャラクター: ダリフ・アーメント、アイシャと両親、村の長老達
-その他の声の出演: 古屋徹、川島千代子、矢田耕司、田の中勇、堀井志穂、佐藤正治
-ナレーション: 喜多道枝
*&bold(){スタッフ}
-脚本: 曽田博久
-原画: 大鹿日出明
-動画: 田頭津弥子、玉沢君子、池田たず子、森本知枝
-背景: みにあーと、壇久美子
-仕上: 藤本芳弘、衣笠一雄、深井孝子
-特殊効果: 中島正之
-撮影: 佐野禎史
-編集: 祖田富美夫
-録音: 波多野勲
-音響効果: 伊藤道広
-選曲: 宮下滋
-記録: 樋口裕子
-製作進行: 伊藤文英
-美術: 田原優子
-作画監督: 大鹿日出明
-演出: 山本寛巳
昭和54年(1979年)11月30日放送
[[←前回>モロッコへの片道切符(花の子ルンルン第39回)]] [[次回→>エジプト女王の指輪(花の子ルンルン第41回)]]
ルンルンとダリフは、モロッコのカサブランカを経由し、ダリフの故郷の村へやってきた。しかし、貧しい土地であるため、ダリフは養えない、都市で暮らせと言われてしまった。結局、村の少女・アイシャの説得で、どうにか村に留めてもらえることになる。しかし、ヤボーキの妨害により、再びダリフは追い出されそうになる。そこで、アイシャの勧めで、ダリフは村の祭り・ファンタジアに向けて訓練を始める。ヤボーキはまたも邪魔しようとするが、ルンルンによって阻止。ファンタジアを上手くこなしたダリフは、一人前のベルベル人の男と認められた。
*&bold(){ストーリー}
-舞台: &u(){モロッコのカサブランカ~ダリフの故郷の村}
-カサブランカに着いたルンルンとダリフだが、故郷はまだまだ先。それどころか故郷の名前さえ分からない。ルンルンは、一緒に故郷を探す。
-ルンルンとダリフは、ある村にて、暑さのために倒れているところを、村の少女・アイシャ達に発見された。よくよく聞くと、そここそが、ダリフの故郷なのであり、両親の自宅も残っていた。故郷の見つかった印として、イギリスのチャーロに向け鳩を飛ばした。突如鳴り出す銃声。鳩を撃っているのかと思ったらそうではなく、ファンタジア(民族のお祭り)の練習をしていたのである。
-しかし、村は貧しく、ダリフを養うことは出来ない。カサブランカで仕事の紹介をするから、村から出て行けと言われるが、ダリフは抵抗。ルンルンとアイシャが、ダリフは立派に役に立つからと説得し、どうにか村に留まることを許される。
-その頃、ヤボーキも、その村に来ていて、トランシーバーでトゲニシアに報告したが、彼女はカサブランカのプールで保養中。ヤボーキ一人で行動せよと言われる。
-翌日、ダリフはベルベル人の民族衣装に着替える。ついでにルンルンも、&u(){サボテンの花で、民族衣装に変身}。二人は、村人を手伝うため、市場への行列についていく。そこに、ヤボーキが現れ、パチンコをロバに当てて妨害する。ロバに乗せていた荷物は散乱。
-使い物にならないと思われたダリフは、アイシャの父に出て行けと怒られる。慰めようとするルンルンであるが、ダリフに「迷惑だ」と言われてしまう。
-その後、アイシャは、ダリフにファンタジア出場を勧める。ファンタジアを立派に務めれば、「一人前の男」として認められるからだ。
-その様子を、蔭で見ていたルンルン。自分はダリフには何をしてやることができない。ダリフのことはアイシャに託し、ルンルン一行は、村を退散し、夜の砂漠を歩いていった。一方、その頃、ダリフは、アイシャに指導されながら、ファンタジアの訓練に必死だった。
-夜が明けて、ルンルン達は、ヤボーキがいないことに気付いた。このままだと、ダリフはまた妨害されてしまう。再び、&u(){ベルベル人の民族服に変身}、馬に乗って大急ぎで引き返す。
-村ではファンタジアの真っ最中。子供であるにも関わらず、ダリフは立派にその役目をこなしている。しかし、ヤボーキが妨害せんと爆弾の導線に火をつける。そこにルンルンが戻ってきて、爆弾を除去。弾みでヤボーキは姿を現してしまう。
-ダリフはとうとう、アイシャの父から「立派なベルベル人」と認められた。ダリフとアイシャは、ルンルンをヤボーキの妨害から救ってくれたことを感謝し、ルンルン達を見送った。二人は、肌の色の違いよりも、もっと大事なものがあることに気付いたのだった。
-花言葉: &u(){おおばこ ~白人の足あと~} 民族服を着て馬に乗ったセルジュがやってきて、ダリフに渡す。こんな遠くまでやってきて残していった、ルンルンの小さな足跡。
*&bold(){鑑賞}
-本回では、イギリスで生まれ育ったダリフが、ベルベル人の村に受け入れてもらえるようになる過程が描かれています。
-ダリフは最後、ルンルンの後ろ姿を見ながら、「同じ肌の色の人の所へ戻りたかったが、人間は肌の色の違いじゃなかったんだ」と言っています。確かに、作品中、ダリフは黒人っぽく描かれています。しかし、wikipediaの写真を見る限り、ベルベル人は白人のように見えます→[[ベルベル人>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E4%BA%BA]]。アフリカ北部は、黒人というよりは、アラブ系という感じがするので、ここに肌の色の話を盛り込むのが適切であったのかどうか、よくわかりません。
-ファンタジアについては、[[このページ>http://www.caravan-morocco.com/from-marr/data/1061919062.html]]を参照。
-気になるのは、ルンルンとダリフとアイシャの三角関係?ですね。ルンルンの本命はセルジュな筈ですが、この回はダリフと親密そうにしている姿がかなり多いです。例えば、砂漠で倒れるときに手をつないでいたり、ここがダリフの故郷だと分かったときに抱きついたり。
-しかし、段々、アイシャのほうが、ダリフに対し積極的になっていきます。最初こそ、二人で仲良く鳩を飛ばすシーンを横目で見ていたアイシャですが、ダリフが村から追い出されそうになってからは、村人への説得、ファンタジアの訓練などで、アイシャのほうがルンルンよりも、ダリフの役に立つようになります。
-ダリフが市場へ出かけるとき、ルンルンも花の鍵で民族衣装に変身してしまいます。そのときの会話。キャトー「ルンルンったらさ、アイシャがダリフの世話をし過ぎるものだから、焼きもちでも焼いてんのかな」 ヌーボ「そんなことのために、花の鍵を使うのは、あまり感心しないんだけどなぁ。」 この会話で、製作者は、彼等が三角関係っぽい間柄であることを、示しています。
-しかし、所詮、ルンルンは異民族。アイシャとダリフの仲が良いのをみて、ルンルンは寂しそう。ヌーボ「ルンルン、俺達は旅人なんだぜ。一箇所に留まることはできないんだ」 キャトー「いくら頑張っても、ベルベル人にはなれないしな」 ヌーボ「ルンルンと同じくらい思ってくれている女の子が側にいてくれるしさぁ」 キャトー「そーっと祝福して、行こうよ。それが一番ルンルンらしいぜ」ということで、一人(&二匹)で出発してしまう。
-結局、この三角関係は、何だったのでしょう? まさかルンルンは、ダリフに浮気をした? まぁ、そうとれないこともないですが、多分違うでしょう。基本的には、ルンルンとダリフを結びつけているのは「恋愛」ではなく「友情」です。「私たちの友情を信じてたのに」というルンルンの心の叫びも出てきます。最初に、ダリフとルンルンの仲を睦まじく描くことで、後のダリフの苦悩、ルンルンの落胆を際だたせる効果を狙ったんだと思います。ルンルンは、各地で人の役に立とうと頑張ってきましたが、こんなに遠くにやって来て、自分が必要とされない寂しさ、とでもいうべきものを味わうことになるのですから、寂しさもひとしおだったのかもしれません。
*&bold(){登場キャラクター}
-ルンルン・フラワー: 岡本茉利
-キャトー: 白石冬美
-ヌーボ: 神山卓三
-セルジュ・フローラ: 水島裕
-ヤボーキ: はせさん治
-トゲニシア: 喜多道枝
-その他のキャラクター: ダリフ・アーメント、アイシャと両親、村の長老達
-その他の声の出演: 古屋徹、川島千代子、矢田耕司、田の中勇、堀井志穂、佐藤正治
-ナレーション: 喜多道枝
*&bold(){スタッフ}
-脚本: 曽田博久
-原画: 大鹿日出明
-動画: 田頭津弥子、玉沢君子、池田たず子、森本知枝
-背景: みにあーと、壇久美子
-仕上: 藤本芳弘、衣笠一雄、深井孝子
-特殊効果: 中島正之
-撮影: 佐野禎史
-編集: 祖田富美夫
-録音: 波多野勲
-音響効果: 伊藤道広
-選曲: 宮下滋
-記録: 樋口裕子
-製作進行: 伊藤文英
-美術: 田原優子
-作画監督: 大鹿日出明
-演出: 山本寛巳
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