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SSD1

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SSDとは・Flash SSD とは

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  • SSD とは"Solid State Drive"の略で HDD と異なり回転しない補助記憶装置の事。現時点で SSD と言えば一般的に NAND フラッシュメモリを利用した HDD の代替デバイスを示し、また NAND フラッシュメモリを使用した SSD を特に Flash SSD とも呼ぶ。SSD という呼称が一般化する前もシリコンディスク等の名称で同じカテゴリの製品が存在した。現在では NAND フラッシュメモリを使用したものが一般的だが、DRAM 等の揮発性メモリを採用したものや NOR フラッシュメモリや以下のような現在研究中の次世代不揮発性メモリを使用したものも SSD に含まれる。

  • 各種次世代不揮発性メモリ
磁気抵抗メモリ(MRAM:Magnetic RAM)
相変化メモリ(PRAM:Phase change RAM あるいはPCM:Phase Change Memory あるいはOUM:Ovonic Unified Memory)
電界誘起抵抗変化メモリ(ReRAM:Resistive RAM)
強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectoric RAM)
※ 揮発性メモリとは DRAM・SRAM のように電源を切るとデータが消えてしまうタイプのメモリで不揮発性メモリは電源を切ってもデータを保持出来るメモリの事。HDD の代替ストレージ用の素子は基本的に不揮発性である必要がある。(バックアップ用のバッテリを追加し揮発性メモリを使用したストレージも存在するが一般的とは言い難い)

  • HDD に比べ静か・省電力低発熱・高い耐衝撃性・高速で高価という特徴がある。HDD と交換する事で (SSD に不具合が無ければ) ありとあらゆる局面の速度が高くなり快適になり、CPU を交換するよりも体感で違いがわかりやすい。

  • SD カードとは無関係で SD カードの上位版でも無ければ SSD の上位規格に SSDHC がある訳でもないしましてや miniSSD や microSSD という物も存在しない。


SSD は無音か?

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  • 完全な無音ではない。通電中は SSD 自体からチップコイル・チップコンデンサ鳴きの為高周波が発生し、特に若年層や耳がいい人はこの音が聞こえる場合がある。
  • HDD から SSD に換装した場合、人や PC によってはこれまで HDD に掻き消されてきたマザーボードや電源回路からも出る高周波や冷却ファン等の僅かな音が気になる場合が有るので SSD に換装したからといって必ずしも体感で静かになる訳でもない。但し客観的に音量を計測すると確実に静かになる事は事実であるし、SSD への換装は静音化の有効な手段の一つである。
  • 参考リンク
    金属端子付き積層セラミックコンデンサの鳴き低減について
    モスキート音とは


SSD は省電力か?

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  • 状況や機種や比較対象によって大きく答えが変わる。アイドル時 (通電中のアクセスが無い時) は 2.5" HDD よりも消費電力が低い場合が殆どで、書き込み時は機種によっては 2.5" HDD よりも消費電力は高い。メーカー製ノート PC への採用例がある SSD の場合は概ね HDD より全体的に消費電力が低くバッテリ駆動時間も多少伸びる場合が多い。高性能を売りにした機種の場合 2.5" HDD よりも消費電力が高かったり、使用状況によってはバッテリ駆動時間が減る事もある。

  • 各メーカーは SSD の消費電力を公開しているが、待機時/データアクセス時、平均値/ピーク値等の条件が異なるため、メーカーの公称値を鵜呑みにしたり違うメーカーの SSD 同士をメーカー公称値を直接比較する事は危険である。特に Intel の SSD は公称値と実測値が結構違う。一部のレビューサイトで実測値を比較している場合があるが、SSD 単体ではなく PC 全体の消費電力を計測している場合があるので注意する事。



SSD は衝撃に強いか?

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  • 強い。HDD と違い物理的に稼動部品が無く衝撃耐性も高い。但し SSD は PC と組み合わせて使うものであり、SSD を入れたからといって他の部品の対衝撃性が上がるわけでもないし PC を放り投げて平気になる訳でもない。特に SSD と PC 本体を接続する接点 (コネクタ) は衝撃や振動に弱い。過剰な期待は禁物であるが、ある程度衝撃に強くなる事は事実であり、持ち運びするモバイル PC に向き地震に強い。
  • SSDの対衝撃性能についてのASCIIの記事


SSD って寿命短いんでしょ?

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SSD の寿命が有限なワケ
  • Flash SSD は記憶素子として NAND フラッシュメモリを使用している。NAND フラッシュメモリは原理的に書き換え回数に限りがあり、最終的にはデータを保持出来なくなるので寿命は有限である。もちろん HDD であってもモーターや軸受けには寿命があり、消耗品であることには変わりない。

で、どれぐらい持つの?
  • HDD は概ね使用時間に比例して故障率が上がってゆくが、SSD の場合は時間ではなく書き込み量で大きく寿命が変わる点で HDD とは異なる。なのでどの程度持つかを計算するには使用者が一日にどの程度書き込みを行うかがわからなければ計算できない。PC 使用中にどの程度の書き込みが発生しているかは Process Hacker (とその日本語化パッチ) で調べられる。自分の環境でどの程度の書き込みが発生しているかを把握すれば寿命の計算が出来る。Intel や東芝の SSD であれば MLC 搭載品であっても一日あたり数十 GB 書き込んでも 5 年程度は持つとされており、実際にその程度の耐久性がある事が確認されている。

SSD の寿命を決定する要素
  • SSD の寿命を決定するのは主に SSD コントローラー (ファームウェア)・使用している NAND フラッシュメモリ・容量の三つであり、出来の悪い SSD は一年未満で寿命を迎える事もあり得るし実例もある。つまり SSD の中には寿命が長い機種と寿命が短い機種がある。

  • SSD コントローラー (ファームウェア) は通常 SSD 内部で NAND フラッシュメモリをユーザーや OS に命令された分以上の量を書き換えている。しかしどの程度余計な書き込みが発生するかは SSD コントローラーやファームウェア次第であり、全く同じタイプの NAND フラッシュメモリを搭載している SSD 同士でも SSD コントローラー (ファームウェア) の効率の良し悪しで大きく寿命は変わる。この効率の事を Write Amplification と呼ぶ。

  • SSD に使用されている NAND フラッシュメモリは現在は大体 SLC か MLC のいずれかで、SLC は一つのセルに 1bit、MLC は一つのセルに 2bit を記録出来る。他の条件が同じであれば SLC は MLC の十倍以上の保証書き込み量があるが、民生用としてはオーバークオリティな為現在は民生用では安価な MLC を採用した SSD が一般的である。また MLC 同士であっても型番・メーカーによって大きく品質・寿命の差がある。

  • 同じ SSD コントローラー (ファームウェア)・NAND フラッシュメモリを使用している SSD でも容量が倍だと保証書き込み量も倍になり、ほぼ倍の寿命があると思ってよい。 特に容量が不要であってもより大容量品を買えばその分寿命が長い。

NAND フラッシュメモリの寿命に関する良くある誤解
  • よく「xxnm プロセスの MLC の NAND フラッシュは x 回書き換えると寿命~」等と言われているがこれは明らかな誤り。確かに NAND フラッシュメモリのメーカーは保証書き換え回数を公開しているが、これはあくまで「保証」であり、この回数までなら絶対に大丈夫という指標でしかない。従って保証書き換え量に達したからといって「その瞬間全てのセルが故障して使用不能になる」というのは明らかな間違いである。NAND フラッシュメモリのセルの寿命は実際には確率でしかわからない。通常は大半のセルが保証書き換え回数の何倍もの書き換えに耐えられるし、SSD コントローラーは NAND フラッシュメモリは故障するものという前提で設計されており、常に冗長データ (ECC のパリティ) を記録しセルが一個二個掛けた程度ではデータを失う事も無ければそのまま継続使用が可能であるし、不良ブロックは常に代替され代替ブロックが無くなるまで継続使用が可能。

寿命が来るとどうなるか
  • SSD 内部の NAND フラッシュメモリの各セルが極端に消耗したり不良ブロックの代替用ブロックが尽きると最終的にデータ化けが発生したり書き込んだ筈のデータが保存されなくなる (JMicron や Indilinx 等の SSD コントローラー搭載機種の事例)。東芝製 SSD は代替ブロックが無くなるとリードオンリーモードになり、それ以上の書き換えが加わる事を防止するため書き換え量の監視が必須でない分管理が楽であるが、他の SSD を長期間酷使するのであれば書き換え量や残存代替用ブロック数を監視した方が良いだろう。書き換え量や残存代替用ブロック数は Intel、Micron 製やその他の主要な SSD であれば S.M.A.R.T.で取得できる。SSD Life は S.M.A.R.T から寿命を計算するツールで有料の Pro 版と Free 版がある。Ver 2.1.29 時点で対応している主な SSD は Intel、Marvell、SandForce 系で精度は不明。

データ保持期間
  • NAND フラッシュメモリは故障しなくともデータを保持出来る期間が有限であり、長期間通電せずに放置すると徐々に電荷が抜けデータが消えていく。通電せずにデータを保持出来る期間は保証書き換え量に達していない時点で最低一年以上だが、保証書き換え量を超えた量書き込んだ場合は一年未満になる場合もあり得る。通電していれば SSD コントローラーがセルの監視やリフレッシュを行う為データ保持期間に神経質になる必要は無いが、消えると困るデータを入れたまま何年も通電せず放置するのは避けた方が良い。

NAND フラッシュメモリってシュリンク (微細化) すると寿命短くなるんでしょ?
  • フラッシュメモリのメーカーによって様々だが、技術革新が無い限りは基本的には短くなる。だからといってわざわざ高い旧機種を買っても SSD コントローラー(ファームウェア) の設計が古い為現行機種よりも寿命が長いとは限らないので旧機種を買うことがお勧めできない。また仮にプロセスがシュリンクされてフラッシュメモリの寿命が短くなったとしてもその分大容量品を買えば相殺できる。

NAND フラッシュメモリの寿命以前に壊れる事も多い


SSD にしたら起動って速くなんの?

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  • 上の動画を見てもらえばわかるが常駐ソフトが多い環境ほど目立って HDD よりも速くなる。但し常駐ソフトが殆ど無い環境同士では BIOS や OS による各デバイスの認識に掛かる時間が大部分になる為極端には変わらない場合もある。起動時間はマザーボードや BIOS・UEFI によってもかなり左右されるので、比較する際は必ず完全に環境を揃えないと正確な比較が出来ない事を覚えておこう。

  • 現在の主要な SSD 同士では機種毎の起動時間の違いは殆ど無く、差は一秒以内である。SSD の何倍もランダムアクセスが高速な RamDisk やシーケンシャルアクセス性能が高速な SSD を混ぜて比較してもそれ程差が付かない事から、ランダムアクセス性能・シーケンシャルアクセス性能はある程度あれば良く、極端に速くても他のボトルネック要因により実効性能は上がらない。

  • 環境を揃えた上での起動時間比較
機種 アライメント調整済み アライメント不一致
ANS-9010 14GB(RamDisk) 15.76 sec
X25-M G2 80GB 16.22 sec 16.24 sec
Plextor M2S 128GB 16.23 sec 16.33 sec
Real SSD C300 64GB 16.32 sec 16.35 sec
A-DATA s592 32GG 16.39 sec
Kingston SVP100S2/96GB 16.33 sec 16.73 sec
Toshiba HG2 64GB 16.46 sec 16.75 sec
OCZ Vertex 2 50GB 16.76 sec
Kingston SNV125-S2/30GB 17.97 sec
CSSD-SM64WJ3 32GB 19.13 sec
OCZ Apex 120GB 20.02 sec



SSD は高速か?SSD の選び方

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  • 機種によるが少なくとも読み出しは HDD の 10倍以上高速。HDD よりありとあらゆる面で高速な SSD もあるし、ある特定の状況では HDD よりも遅い機種もある (下記参照)。特に現在 HDD 搭載 PC を使用していて遅さを感じている場合は SSD を使用することで大きく体感速度が向上する可能性がある。但し SSD の機種選定が悪いと大して高速化できないばかりか逆に面倒なトラブルが発生するので機種選定が重要である。

SSD 同士の速度を比較する際の落とし穴
  • SSD の購入動機の内多くを占めるのは「PC の高速化」を経て「快適な PC 環境を得る事」だが、ベンチマークスコアだけのレビューを見ても「快適な PC 環境を得る事」は出来ない。「ベンチマークスコア」と「快適さ」は全く別物である。理由は・・・

1、ベンチマークソフトの限界
  • ベンチマークソフトは体感速度と異なり、客観的に数値で速度を表すため多用される。しかし以下のような各種の落とし穴によって全然客観的でない数値になってしまったり、意味の無い数値を計測している場合が多々ある。ベンチマークソフトは万能ではない。

  • ベンチマークソフトで様々な SSD を比較するにはまず環境が揃っていなければならない。HDD/SSD はマザーボード・ドライバの種類・OS の設定でも読み取り・書き込み速度が大きく変わり、環境が揃っていない場合は正確な比較も出来ない。

  • ベンチマークソフトは SSD や HDD の一側面だけを切り取って数値化するものであって、ありとあらゆる側面から速度を評価できる高度なベンチマークソフトは少ない。CrystalDiskMark・HD Tune・ATTO Disk Benchmark その他の利用者は多いが、これらは HDD を想定したものであって SSD の速度を計測する事を想定したものではないし、あくまで簡易ベンチマークでしかなく、このベンチマークソフトのスコアと体感速度は比例しないしその他の簡易ベンチマークソフトでも事情は大体同じである。高度なレビューサイトでは実用時を想定しより現実に即した高度なベンチマークテストを行っているのでそういったものを参考にすると良い。実用時を想定したベンチマークソフトとしては PC Mark Vantage 等があり、簡易ベンチマークソフトよりはやや総合的な性能を計測する事が出来る。

2、レビュー・クチコミ・掲示板の限界
  • 各種のブログ・価格比較サイト・ネットの掲示板は誰でも書き込むことが出来、書き込まれた情報の当たり外れはかなり大きい。

  • 各種の個人・メディアによるレビューの殆どは購入直後や十分な試用期間を経ていない段階で書かれている。この為機種固有のバグや速度低下がまだ発生していない状態である事が多く、JMicron 等のプチフリ SSD や Indilinx 等の致命的なバグを抱えている機種が高い評価を付けられていた事もある。

  • A社の SSD を一年程使っている人が居たとして、その SSD は一年間の内に速度低下したとする。次にその人はB社の SSD を購入し、速く感じたとする。この場合この人物は「A社の SSD よりもB社の SSD の方が速い!」と主張する可能性が高いが、この比較は片方が速度低下している状態なので正確な比較ではなく、条件を揃えて比較した場合はA社の SSD の方がより高速である可能性も十分にある。こういうことは HDD 時代から延々繰り返されてきた恒例行事である。体感にせよベンチマークにせよ、比較をするからには厳密に同じ条件で比較する必要があり、十分に知識がある人物によって比較されなければならない。

  • 「速い!」「遅い…」といった評価をしている人を見かけたら、何と比較しての話なのか? (プチフリ SSD でも 1.8" 3,600rpm の HDD や MicroDrive 等の超低速 HDD と比べればずっと高速だし、どんな高速な FlashSSD でも RamDisk よりは大抵遅い) 何を基準にした評価なのか? (ベンチマークソフトならそのベンチマークソフトは信用できるのか?体感なら一体どんな場面なのか?そのユーザーの環境は?ドライバやマザーボードにも速度は左右される。) に十分注意すること。

  • 価格比較サイトでは売れ筋商品のランキングが掲載されているが、売れ筋の商品は値段が安いもの (安くて良いものではなく単なる安物) である事が多い。世間の人々の殆どが PC や PC パーツのエキスパートなのであれば多数派に迎合するのも良いが、現状はそうではない。一方、主要な PC メーカーがその SSD を採用しているかどうかは価格サイトのランキングよりはずっと参考になる情報なので重視するべきである。(といっても PC メーカーも様々であり、いわゆる地雷 SSD を採用するメーカーもあれば、採用基準にはコストの占める割合も高いので、あくまで価格サイトのランキングよりは参考になる、という程度。)

  • 情報を集める場合は基礎知識を学んだ上でメーカーのホームページ等の確実な情報源に軸足を置くべきであり、信頼性の高い情報を自分で集めて自分の頭で判断する事が重要である。(もちろんこの Wiki に書いてある事も正しいとは限らない)

3、メーカー公称スペックの罠
  • メーカー公称スペックはメーカーによって計測条件は様々であり、単位が揃っているからと言って違うメーカー間の数値を単純比較する事は不可能である。


  • 2010 年頃から SATA 6Gbps 対応の機種が続々と発表・販売されているが、特定のチップセットやドライバでないと公称値が出ないケースも多く、そういった注意点が明記されていない場合が多い。

4、ファームウェアのバグ
  • 現在は SSD 業界全体が過渡期であり民生用 SSD の殆どはある程度の不具合が残ったまま発売され後からファームウェアアップデートで修正されるという事が常態化している。簡易ベンチマークスコアは高いのに実際に使うとバグが原因で SSD がフリーズしたりする例は少なくなく、いくらベンチマークスコアが高くても時々フリーズする SSD は高速でも快適でもない。バグの中にはデータが消える事例もあり、この場合は速度云々以前に記憶装置として役に立たない。PC パーツ関連のレビューやニュースサイトではベンチマークスコアだけを取り上げ、機種固有の不具合には一切触れていないもが殆どである。例え SSD 同士の比較で最高速でなくとも HDD と比較するとかなりの高速化をしている。(Tom`s Hardware より) ベンチマークスコアの違いよりもバグや不具合を抱えていない信頼性の高い SSD を選ぶこと。

5、速度低下
  • SLC 搭載品含めて SSD の大半に見られる、継続使用時にリード・ライト速度がどんどん低下してゆく現象の事。SSD コントローラー (ファームウェア) の挙動によって低下量と解消方法は様々だが、NAND フラッシュメモリの空きページ・ブロックが減ったり空きページ・ブロックの断片化が進むと発症し易い。HDD とは違い殆どの機種ではデフラグでは解消できず、確実に解消する為には Secure Erase が必要である。

  • いくら新品時のピーク性能が高速でも PC は通常数ヶ月から数年間継続して使うものであり、どんどん速度が落ちたり回復させる為に余計な手間が掛かるのでは全然高速でも快適でも無いのだが、殆どのメディアや個人ブログでは全く速度低下していない状態同士での比較しかしておらず何の役にも立たない。SSD の実力はある程度継続して使用し速度が多少落ちてきた時の速度である。

  • Trim コマンド (後述) を使用することで速度低下を最小限に留められる機種もあるが、Trim コマンドが有効な状態でも延々速度低下する機種もある。東芝製 SSD では物理アドレスの断片化が原因の速度低下は殆ど見られず、Intel 製 SSD は速度低下はするものの Trim コマンドが有効な環境であれば順次ほぼ完全に回復するので実用性は十分あり、SandForce 製 SSD コントローラー搭載機種は Trim コマンド有効の環境で使用しても速度低下は大きいのでカタログスペックの性能を保つためには定期的な SecureErase が必要である。Marvell 製 SSD コントローラー搭載機種はファームウェアにより速度低下量は様々である。

体感速度も判断基準の一つ
  • 体感速度は人によって感じ方が違う主観的な物の為客観的な指標にはならないものの、クライアント向け PC の場合は最終的に人間が操作しているので体感速度も重要である。ベンチマークソフトで高いスコアが出ていても体感速度が悪いのでは本末転倒であるし、体感速度が良く当人が納得しているのであれば必ずしもベンチマークスコアが高い必要も無い。(ベンチマークそのものが趣味・目的である場合を除く)

で、どれが最速なの?

  • MLC の物の場合は記憶素子そのものがあまり高速ではないので、特に個人向けの機種の場合はたとえ高速を売りにした機種であってもベンチでスコアが高くとも継続使用すると速度低下するものや、特定のベンチマークでしか速度が出ないものも多く、実効性能が高いものは少ない。(SecureErase 直後の) 各種簡易ベンチマークソフトで大差が付いていても PC Mark Vantage 等の実用系ベンチマークソフトでは殆ど差がなかったり体感速度が殆ど変わらない場合もある。それでも 7,200~15,000rpm の HDD と比較するとかなりの高速化が見込めるものの、最速を目指すのであればエンタープライズ向けの SLC 搭載品や RAMDISK を使用するのが近道だろう。

  • もっとも確実な判別方法は『全部買って自分の環境で長期間使用する』事。


プチフリ/プチフリーズとは

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  • プチフリとは主に JMF601/602 を搭載した SSD でフリーズする現象を指す単語だが、人によっては SSD 全般でフリーズする現象に対して使用されていることに注意。JMF601/602 で発生する十数秒~数分の応答停止に比べてかなり軽度な数秒程度のひっかかりもプチフリと呼ばれる場合がある。ガチフリはフリーズしたまま復帰しない場合と、復帰可能だがフリーズしている時間が長い重度のプチフリを指す場合がある。この為正確な意思疎通の為にはフリーズの秒数と復帰の可否を明示する必要がある。


  • JMF601/602 搭載 SSD 等以外の SSD でも別の原因のフリーズ・動作のひっかかり・遅延が発生する可能性があり、その主な原因はリアルタイム GC や Trim コマンド発行の瞬間 (0.5秒未満か 0.5秒前後。Intel 等) やファームウェアのバグ〔秒単位~分単位のフリーズや OS が SSD を認識しなくなり OS が動作を停止する。Intel (SMARTセルフテストログを読み出すとフリーズするバグ)、PLDS(NCQコマンド実装バグ)、RealSSD(SATALPM等のバグ)、SandForce(NCQ・SATALPMのバグ〕等で過去発生した) である。

  • プチフリやその他のフリーズを回避するには
    • まずバグが無く速度低下の少ない SSD を選ぶ事。プチフリ・フリーズに対しては「速い事」よりも「遅くならない事」の方が重要である。
    • 仮にフリーズする SSD を掴まされてしまったら処分する事。使い続けるならば、対処療法として OS の設定を変更し、SSD に対してランダムライトが行われる頻度をとにかく下げる事。同等の SSD をもう一台用意し RAID0 を組む事でランダムライトを二台の SSD に分散する事もプチフリ対策としては有効な手段であるが、RAID ボリュームでは Trim コマンドが使用できない為カタログスペックを保つ事は出来ないばかりか今度は速度低下が原因のトラブルが発生する可能性もある。


SSD のメーカーいっぱいありすぎてよくわかあんないよ!

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  • メーカーごとの開発・生産体制を大きく分けると
  • 1:SSD の心臓部品 (SSD コントローラー・NAND フラッシュメモリ他) を自社か自社グループ内で生産・調達し、SSD の組み立てまで行うメーカー:比較的完成度が高い傾向にある。特に東芝と Samsung は HDD・フラッシュメモリを利用した記憶装置の両方の開発・製造の経験・実績がある為特にファームウェアのバグは少ない傾向にある。Intel・Samsung は大口顧客相手だけでなく自社で個人向け販売も行うが、東芝は個人向け販売は行っていない為 I-O DATA やキングストン等の商社経由でしか入手出来ない。
Intel(HGST)
東芝(SanDisk)
Samsung
等

  • 2:SSD の心臓部品 (SSD コントローラー) だけを開発・生産するメーカー:経験・実績の無いベンチャー企業が含まれ、特にベンチャー企業のものはバグは少なくない傾向にある。またメーカーにより性能・信頼性・完成度は大きく異なる。SSD 自体の生産・販売は基本的にしない。
Marvell
SandForce
JMicron
SiliconMotion
PHISON
INITIO
Indilinx
eastWho
等

  • 3:SSD の心臓部品 (SSD コントローラー) や他の部品を買い入れ組み立てるメーカー (ベンダー):FPGA ベースのコントローラーを自社開発する場合もある。使用している SSD コントローラーによって概ね完成度が決まり、ベンダーによって、また同じベンダーの製品でも機種によって大きく完成度が違うが 1 の大企業の製品の完成度を超えることはほぼ無い。
RunCore
SUPER TALENT
Corsair
Lite-ON (PLEXTOR ブランドを使用している)
OCZ
Trancend
Micron (Crucial)
PhotoFast
G.Skill
Hana Micron
その他多数

  • 4:他社から買い入れた SSD にサポートや付属品を付けて自社ブランドで販売する商社:品物の質は商品の買い入れ先によって様々である。Intel・Corsair・OCZ のように自社で生産を行いながら同時に他社製品も併売する (していた) 企業も存在するし、複数のメーカーから SSD を仕入れ全て同じブランドで販売する場合もある。これらの商社扱いの製品を買う時は必ず何処が生産したものであるか・どんな部品を使ったものであるかを必ず確認し、信頼に値するかを見極める事。
I-O DATA
キングストン
エレコム
グリーンハウス
CFD / バッファロー
その他多数

  • 要はどこのメーカー (ブランド) の SSD だからどうであると一概に言えるものではなくて、どのメーカーのどの機種の SSD は何処の部品を使っていて何処で生産されたものであるかを把握せよという事である。特に何処製造の SSD コントローラー (心臓部品) を搭載しているかに着目すると良い。

  • 狙っている SSD が何処のコントローラーチップを搭載しているかを調べるには、検索サイトで"[SSDの製品型番] 殻割""[SSDの製品型番] 基板""[SSDの製品型番] PCB"等の検索ワードで画像検索をすると判明する事もある。

  • SSD ベンダーによっては使用しているコントローラーチップの刻印を削り取ってしまったりベンダー固有の刻印になっている場合がある。(こういったことは SSD コントローラーに限らず行われる場合がある。) この場合に見分ける方法としては、
    ① 各種ベンチマークのスコアや SMART の仕様・容量で既存の SSD と特徴を比較する
    ② DRAM キャッシュの有無や容量・DRAM の種類で絞り込む (各 SSD コントローラーが認識できる DRAM の種類・容量は決まっている)
    ③ コントローラーチップの寸法を割り出し、既存のコントローラーチップと寸法・パッケージ形状を比較する
    尚、基板すら確認出来ない場合は ① の方法を取るしかない。
    また、Intel・東芝・Samsung 等は SSD コントローラーの外販は行っていない。


で、どれがいいの?
  • SSD 一覧を見ろ。但しリンク先のページの情報が絶対正しい保証はしないし、少しでも情報が疑わしいと感じたら自分で調べろ。


なんか、SSD ってお値段高くね?

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  • HDD と違い、記憶素子として NAND フラッシュメモリを使用しているので高い。HDD の場合安価な機種なら 1GB あたり 3円程度 (2011年4月時) なのに対して SSD ではマトモな機種なら 1GB あたり大体 100~150 円かそれ以上 (2011年4月時) する事は珍しくない。定期的に NAND フラッシュメモリがシュリンクされ、同じ規模の回路がより狭い面積で実現できるようになる度に製造コストは下がり、もちろん価格は需要と供給の関係で決まるので製造コストが下がった分リニアに価格が下がる訳ではないものの、それなりに GB 単価は安くなる。但し HDD よりも安くなるのは当分先の話である。

  • 安価・処分特価の SSD 程なんらかの問題を抱えている機種である場合が多く (稀に良い機種が処分特価で投売りされている場合も無い事は無い)、そういったものに手を出して良いのはそれぞれの機種を良く把握している場合のみである。Intel や東芝あたりのマトモな SSD の値段に納得いかずに安さにつられて誤って地雷 SSD を買ってしまうくらいなら当分 HDD で粘った方がいい。

※ GB 単価とは 1GB あたりのコスト(値段)。例えば 6000円 で 2TB (= 2000GB) の HDD が売っていた場合は \6,000/2,000GB = \3/GB (1GB あたり 3円)となる。

なんか、PC に詳しい人が SSD なんか駄目だよと言ってるんだぜ?

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  • それは過去に地雷 SSD を掴んで痛い目に会った人達や当時の惨状を記憶している人達です。そっとしておいてあげてください。


なんか、PC に詳しい人がここで地雷認定されてる SSD を喜んで使ってるんだぜ?

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  • 地雷 SSD の中には基板のスルーホールをショートさせるとファームウェアを弄くれたり管理データを覗いたりできるものがあったり、珍しい構造や珍しいチップを搭載していたりするものがある。そういう人達はパーツを隅々まで支配する事で快感を得ている変態やコレクターの類の人達です。どんなに弄った所で現在のマトモな SSD には速度・寿命・信頼性面で敵いっこないので真似してはいけません。

  • 地雷 SSD の中には短時間のベンチマークだけは最高値を出すものがあって、ベンチマークでハイスコアを出す趣味の人達は例え瞬間芸であっても高いスコアが出る製品を好みます。常用するのであれば瞬間最大風速重視ではなく平均巡航速度が高い SSD を選びましょう。
  • 参考:1
  • 参考:2
  • 参考:3


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