- 以下で紹介する各種手法は、まだ SSD という呼び名が定着していない頃にコンパクトフラッシュをシステムドライブとして使用する際や、JMF601/602 や Indilinx (特に初期のファームウェア搭載品) 等の短寿命だったりランダムアクセスが集中するとプチフリが発生するような SSD や、システムドライブとして必要な容量に満たない低容量な SSD をなんとか使用するために編み出されたものであって、現在のマトモな SSD では全く不要なものである。
現在のマトモな SSD は十分な寿命を備えており、プチフリもせず、容量も十分にある。これらの機能を無理に無効にしたり設定変更をすると逆に遅くなったり不便になったりシステムが不安定になる。現在でもドヤ顔でこれらの設定を必須であるかのように紹介しているブログ等が多数あるがそれらは全て情弱であるので無視してよい。どうしても寿命が気になるのであれば、信用できないパーツを不安を抱えながら無理に使い続けるのは精神衛生上非常に良くないし、そういう人に必要なのは無理にこれらの設定を行う事ではなく、SSD を使うのをやめて HDD やハードウェア RAMDISK に換装するか、精神科でカウンセリングを受ける事である。
- 現在でもマトモでない SSD は流通しており、これらの設定を行わないと使用に耐えないものもある。そういう場合はその SSD は処分してしまってマトモな SSD に買い換えるのが最も良い対処方法である。
- 「博士課程大学院生の現実逃避日記」というブログで当時公開された JSMonitor/JSOptimizer というソフトでは JMicron JMF601/602 や Indilinx の Barefoot 搭載 SSD 向けにこれらの設定や 8.3 形式のファイル名生成を停止する等の各種設定が簡単に行える。またこれらの SSD の寿命を予測する機能もあるが、寿命はファームウェアバージョンや搭載している NAND フラッシュチップのメーカー、スペック、搭載量によって変化する為あまり精度は期待出来ないとされている。
最終アクセス日時を更新しない (Windows 2000 以降)
- 通常はファイルにアクセスしただけで MFT の最終アクセス日時が書き変わるようになっている。この際 512byte/1KB 単位での書き換えが発生する為、HDD、プチフリ SSD、ランダム 4KB に最適化されていて 512byte 単位のランダムアクセスを非常に苦手としている RealSSD C300/400 では設定すると快適になる。但し最終アクセス日時が記録されなくなる為ファイルのアクセス状況を把握できなくなる。それでも困らない人のみ。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem]
に DWORD 値 「NtfsDisableLastAccessUpdate」を作成し値を「1」にする事で最終アクセス日時が更新されなくなる。
最終アクセス日時を更新しない (Windows XP /Server 2003 以降)
- XP 以降であればコマンドプロンプトを使用して設定する事も出来る。
管理者権限でコマンドプロンプトを起動し
fsutil behavior set disablelastaccess 1
とコマンドを入力し Enter。
NTFS パーティションで 8.3 形式の名前の作成を無効にする (Windows 2000 以降)
- Windows と NTFS では DOS との互換性の為に常に 8.3 形式のファイル名が生成されている。特にこれらの互換性が不要の場合にはこの名前生成を停止する事で 512byte 単位のランダムアクセスを苦手としている RealSSD C300/400 の場合やや体感速度が向上し、ドライブへの余計な書き込みを減らす事が出来る。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem]
に DWORD 値「NtfsDisable8dot3NameCreation」を無ければ作成し、値を「1」にする
※但しこの設定変更以前に作成されたファイルには影響を与えない
NTFS パーティションで 8.3 形式の名前の作成を無効にする (Windows XP /Server 2003 以降)
- Windows 2000 同様のレジストリを使った方法の他に以下の方法がある。
管理者権限でコマンドプロンプトを起動し
fsutil behavior set disable8dot3 1
とコマンドを入力し Enter
インデックスサービスを無効にする
- 有効の方がファイル検索が速くなるがインデックスを作成する為にドライブへの負荷が高くなる
"ファイル名を指定して実行 (XP/Server2003 まで)"/"検索フィールド (Vista/Server2008 以降)"欄に
"services.msc"と入力し"OK"をクリック
サービスの一覧から"Indexing Service (Windows XP/Server 2003 まで)"/
"Windows Search (Windows Vista/Server2008 以降)"を選び、
プロパティから"スタートアップの種類"を"無効"にし、"OK"を押しサービスのプロパティを閉じる
ついでにマイコンピュータから各ドライブのプロパティを開き、
"このディスクにインデックスを付け、ファイル検索を速くする(I) (Windows XP/Server2003 まで)"/
"検索を速くするため、このドライブにインデックスを付ける(I) (Vista/Server2008 以降)"
のチェックを外しておく
- Windows7 には GodMode と呼ばれる Windows 7 の管理画面が一覧表示されるモードがあり、色々設定するのに便利である
1、新しいフォルダを作成する
2、作ったフォルダ名を"GodMode.{ED7BA470-8E54-465E-825C-99712043E01C}"にする
3、フォルダのアイコンが GodMode アイコンになるのでダブルクリックする
システムの復元を無効にする
- それ程頻繁に復元用ファイルが作成されるわけではないので書き込みを減らしたい場合であってもオフにする必要は無い。どうしても容量が足りない場合のみ。
休止状態を使用しない (ハイバネーションファイルを作成しない)
- 休止状態を使用するために作成される hiberfil.sys は基本的に物理メモリ量と同じ容量確保され、hiberfil.sys はブートドライブから移動できない為、SSD の容量が不足している上休止状態を使わない環境であれば無効にする他に無い。
マイドキュメントのフォルダを SSD 以外に設定する
環境変数を書き換え TEMP フォルダを SSD 以外に置く
ブラウザのキャッシュを SSD 以外に置く
- HDD に移動した場合、一時フォルダを使用するアプリケーションやブラウザの動作が非常に遅くなるし、ソフトウェア RamDisk 上のドライブに移動した場合は十分な容量が確保されていないと、ブラウザで大容量のファイルのダウンロードした際にファイルが尻切れになったり等のトラブルが発生する。またソフトウェア Ramdisk は、内容を HDD にバックアップする機能の無いものの場合は内容再起動後に一時フォルダの中身が空になる為、なんらかのトラブルが発生する可能性もある。十分な容量のあるハードウェア RamDisk を利用するのが一番良い。
ページファイルを SSD 以外に置くか無効にする
- ページファイルを無効にした場合動作しないアプリケーションがあるし、物理メモリが足りなくなった瞬間アプリケーションがクラッシュするので危険。HDD に移動した場合はページファイルのアクセス速度が非常に低下してしまい体感速度が顕著に悪化する。ページファイルへの書き込みを減らしたいのであれば無効にしたり HDD に移動するよりも十分な物理メモリを搭載する事が一番である。
- ページファイルの断片化を防止するには初期サイズと最大サイズを同じ数値にしておく。サイズは環境によって異なるが、物理メモリと同じか倍程度で良い。
EWF (Enhanced Write Filter) を使用する
- EWF は Windows XP Embedded Edition に搭載されている読み取り専用メディアからの起動・コンパクトフラッシュなどで書き込み回数を減らしたい場合・ブートパーティションへの変更を禁止したい場合に使用する機能。保護パーティションとは変更が禁止されるパーティションで、通常は OS のブートドライブである。EWF オーバーレイとは保護パーティションに対する書き込みがリダイレクトされるパーティションで、SSD 内の保護パーティション以外のパーティションや RAM ディスク・HDD 等の他のドライブ上に設定される。EWF オーバーレイへの変更はコミットを行わない限り破棄されてしまい、ブートパーティションに対する変更が反映されなくなる為、通常の使用方法であれば定期的にコミットする必要がある。EWF ボリュームとは EWF の構成情報が保存されるパーティション。EWF には動作モードが複数あり、SSD・メモリカード類への書き込みを減らしたい場合に使用するのは以下の二つである。
RAM Mode…ローカルディスク認識の SSD・CF のみ使用可能。最低二つのドライブを使用する。
複数パーティション構成の為リムーバブルディスク認識のドライブには使用出来ない
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┃保護パーティション│EWF ボリューム┃ ┃EWF オーバーレイ┃
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RAM Reg Mode…リムーバブルディスク認識のメモリーカードでも使用可能。
最低二つのドライブを使用する。
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┃保護パーティション(レジストリに EWF 構成情報が記録される) ┃ ┃EWF オーバーレイ┃
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- 他に Disk Mode もあるが、これは SSD 内の EWF オーバーレイへの書き込みが発生する為書き込みを減らしたい場合には使えない。
RAM Mode…ローカルディスク認識の SSD・CF のみ使用可能。
最低一つのドライブをパーティションを分けて使用する。
複数パーティション構成の為リムーバブルディスク認識のドライブには使用出来ない
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┃保護パーティション│EWF オーバーレイ┃
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- 現代のマトモな SSD へ RAM Mode/RAM Reg Mode を使用した場合に EWF オーバーレイを置くドライブが HDD の場合顕著に体感速度が悪化するが、EWF が想定しているようなメモリーカード類や JMF601/602 等は HDD よりも書き込み速度が遅い為、これらに使用した場合は体感速度がむしろ向上する可能性もある。
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