最近、TLCのSSDの登場により、SSDの低価格化が進んでいる。
これは喜ばしいことだが、TLCのSSDの性質をよく調べずに買うと、後で泣きを見る。

もうプチフリや低寿命といった初期のSSDのような症状は起きないものの、安さにつられて買うとどうなるか、実体験者が語っていくこととしよう。
(最初にネタばらしをしておくと、TLCでも一度に10GBを超えるような書き込みさえしなければ十分使える。)

そもそもTLCとは?

SSDには3つの種類の記録方式があり、 SLCMLCTLC が存在する。
SLC は1つの所に1つのデータを書き込む方式のもので、一番速いがかなり高価で、業務用(サーバー向け)製品となっている。
MLC は1つの所に2つのデータを書き込む方式のもので、速さはそこそこ(とはいえ読み書き600MB/s程度はある)の方式のもの。
TLC は1つの所に3つのデータを書き込む方式のもので、速さはこの中では1番遅い、とはいえ読み込みはHDDよりは速い。書き込みも仮想SLCなどのキャッシュである程度までなら速い(なぜある程度なのかは後述)。2016年11月現在の主流で、価格は安い。

TLCの何が問題なのか?

寿命と答えた方、今すぐブラウザバックして、どうぞ

この画像を見て欲しい。
これはTLCタイプのSSDのADATAのSP550(480GB)のディスクベンチの写真である。書き込み速度が265MB/sと表示されている。一般的なHDDは書き込み速度が150MB/sなので速いと思われる人もいるだろう。
しかし下の画像を見て欲しい。
これは同じSSDのデータ転送の様子である。
最初の方は高速でデータ転送ができてるようだが、その後はほとんど60~80MB/s程度の速度しか出ていない。これは2.5インチのHDD並の書き込み速度である。
TLCのSSDは他の書き込み方式のSSDと比べ書き込み速度が遅く、キャッシュを使って速度を補っているのだが、そのキャッシュが切れるとこのような数値になってしまうのである。この事を知らずに買った筆者は最初「故障してるのか!?」と思ったほどである。この書き込み速度は正直言って2010年以前の初期のSSD程度の速度である。
こちらのサイトでも、4種のTLCのSSDを性能検証してるが、何れもキャッシュを溢れると低速になっている。

プチフリが無かったりや長寿命(それでもMLCのSSDよりは寿命が短いが)なことを考えても、これは少し許容しがたいものである。

じゃあTLCのSSDは買っちゃダメなの?

そんな事は言ってない、大容量(10GB~)のファイルを書き込んだりしない使い方なら、むしろ買いである。要はキャッシュ内で収まるファイルの容量で使えばいいのだ。
またSteamゲームのゲームデータ置き場もいいだろう。ダウンロード速度が書き込み速度(60MB/s)を下回ることが大半だからだ。

最後に

2016年11月現在、SSDはTLCのものが主流になり、MLCのSSDはどんどん姿を消していっている。
キャッシュさえ食い潰さなければ、十分に使えるものとなった。
初期のMLCのSSDだって書き込みは散々なものが多かった。それが書き込みでもHDDを上回る速度になったのは、メーカーの努力によるものだからである。