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 数日後、アルベルトとジェロニモが、本年度最後のメンテナンスということで博士の元へ呼び出された。
「言語翻訳装置を改良する。お前さんの部族の言葉を取り入れてくるのには苦労したがのう……まあ、このノウハウを使えば、008ともより良いコミュニケーションが計れるじゃろう」
「008?」
「年明けには006と007がお前さん達の『仲間』に加わる。008は黒人じゃ。今度はアフリカから……連れてきたらしい。009は、日本からくる予定じゃ」
「哀れなサイボーグ達が増える、というわけか」
 ギルモアがそんなアルベルトから僅かに視線を逸らす。
「9人目じゃ。そう、9人揃ったら………」
研究室のラジオから、ベートーヴェンの交響曲が聞こえてくる。



     あなたの御力は時の流れに切り離されたものを再び結び合わせ、
     あなたの柔らかい翼の元で、全ての人は兄弟となる。



 アルベルトが呟いた。
「苦悩を突き抜けて、歓喜へ至れ、か」
交響曲第9番「歓喜の歌」最終楽章の荘厳な歌声が、ジェロニモの耳に響く。出力はまだおぼつかないが、入力は各国の言語を完璧にこなしてくれる博士特製の自動翻訳装置が、ドイツ語の歌詞をゆっくりと彼の心の奥深く届けてくれた。



     兄弟達よ、己の道を駆けてゆけ
     勝利へ向かう英雄の様に、喜びをその手に抱いて


to be continued...




+ あとがき