人物-大塚村


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年齢・生死は物語開始時点(文明十年[1478]三月)。


萩原番作一戍 (はぎわら ばんさく かずもり)

  • 故人(享年四十五)。雪歩の父。亀篠の異母弟。父は大塚匠作で、元の姓は大塚。
  • 応永三十三年(1426)生まれ。武蔵国豊島郡大塚出身。
    • 父と共に永享の乱や結城合戦に公方方として参加、結城陥落の際に父から村雨丸を託された(第二回)。しかし戦の傷で脚が不自由になり、すぐに大塚へ戻ることができなかったため、姉夫婦に長の立場を奪われてしまった。大塚に戻っては姉夫婦とのいさかいを避けるため、姓を妻の出身地に因んで萩原と改めた(第四回)。
    • 匠作の代から大塚家は住人からよい評価を得ており、番作自身も大塚に戻ってからは村のために尽くしていたため、死後も人々から高い評価を受けている。
    • 原作では萩原ではなく「犬塚」と姓を改めている。
+萩原番作の詳細
  飼い犬の与四郎が蟇六の屋敷に飛び込んだ際、蟇六は「犬が御教書を破いた責任を取れ。御上の怒りを解くには村雨丸を差し出すほかない」と伝えてきた。番作はそれを嘘と見抜いたが、自分の命が短いことや、病死してしまえば長が村雨を奪って雪歩を捨てるであろうこと、罪をかぶって死ねば雪歩を無碍にはできなくなるであろうことを考え、雪歩に村雨丸を託し、それを用いて自害した。(第五回)

  原作では八犬士の一人・犬塚信乃の父で、信乃(しの)の名は手束と夫婦になった信濃(しなの)にも由来している。手束は筑摩の出身で、萩原は創作の地名。大塚に戻ってからは手跡の師範をしたり農業の知識を本にして広めたりして村人たちに喜ばれた。村人の方も恩に報いるため、彼の存命中も死後も食料の支援などを行なっていた。
  結城合戦直後は父の後をひそかに追い、父が討たれたところに村雨丸で単身斬り込み、春王丸・安王丸の首と父の首を奪い取って脱出した。逃げ込んだ先の寺にいたのが手束で、自分の父と手束の父・井丹三直秀が自分たちを結婚させるつもりであったことを聞かされて夫婦となった。(第七回の人物紹介)



与四郎 (よしろう)

  • 萩原家の飼い犬。死亡している。
    • 昔の雪歩は犬も平気だったのだが、ある一件でだめになってしまった。(第五回)
    • 顔グラはトレハP提供。
+与四郎の詳細
  雪歩が生まれる前、母・手束(たつか)が子宝を願って弁天堂に参拝していたのだが、そのときに神女が現れて宝珠を渡していった。しかし手束はそれを取り落としてしまう。足元を探しても見つからなかったが、かわりに子犬の与四郎がおり、手束はこれを連れて帰った。(第四回)
  九年後、与四郎は長の屋敷の飼い猫を殺してしまった。蟇六はこれに怒り与四郎を引き渡すように求めたが、番作はこれを拒否。しかし与四郎は「叱っているところを見せれば伯父の怒りが解けるのでは」と考えた雪歩に叱られてしまう。既に何のことか分からない上、雪歩から叱られたことがない与四郎は、驚きのあまり外に飛び出して長の屋敷に飛び込んでしまった。やよいに助けられて何とか逃げ出すが、既に使用人たちによって大傷を負わされていた。さらに蟇六から「与四郎が御教書を破ってしまった」と言いがかりをつけられ、これを嘘と見抜きながらも雪歩と村雨を守るために番作が自刃。気が触れてしまった雪歩はあとを追おうとするが、瀕死の与四郎に気づき、与四郎が首を伸ばしたのを見て介錯した。そのときに体内から、手束が取り落とした宝珠が現れた。(第五回)



大塚蟇六 (おおつか ひきろく)

  • 大塚の長。雪歩の伯父。番作の義兄。浜路の父。旧姓は弥々山(やややま)。
    • 若い頃から破落戸(ごろつき)として知られていたが、大塚家の人間がいない間に亀篠の婿となり、村長に成り上がった。
    • 匠作の嫡男である番作が、公方家から任された宝刀村雨丸を持って帰還したため、自らの地位を危ぶむようになる。以来村雨を奪うべく画策している。(第四回)
+大塚蟇六の詳細
  左母二郎に村雨丸を奪う手伝いをさせたのは、彼が大塚に来たばかりの余所者で、策の成功失敗にかかわらず殺してしまっても問題が少ないと考えたためだが、結局彼に裏を書かれてしまった。刀を受け取ったときに、村雨丸の特徴である「抜刀すると水気が出る」ことを確かめているが、鞘に水を入れただけのなまくら刀で簡単に騙されてしまった。(第七回)
  陣代に取り入るため浜路を嫁入りさせようとするが、当日に浜路が逃亡して陣代にもばれてしまう。「村雨丸」で機嫌を取りごまかそうとするが、差し出したのは件のなまくらだったために更なる怒りを買い、亀篠ともども手討ちにされた。(第十回)

  名の「蟇(ひきがえる)」の字に違わず水練に長けている。信乃(雪歩)から村雨を奪うための策も、左母二郎ともに川へ投網漁に出かけ、信乃がきたところでわざと川に落ち溺れた振りをして信乃に助けに来させ、その隙に左母二郎が刀を交換、蟇六もあわよくば信乃を溺死させるつもりだった。結局信乃も水練は得意だったため殺害にはいたらなかった。十珠伝では蟇六がいない間に雪歩が勝手に川に落ちて気絶したのでこの策は用いていない。



亀篠 (かめざさ)

  • 大塚の長・蟇六の妻。雪歩の伯母。番作の異母姉。やよいの主人。浜路の母。
  • 生年不明。武蔵国豊島郡大塚出身。
    • 娘のときから我侭で贅沢を好み、戦に出ていた父や弟を気にかける事もなかった。彼らが消息不明になり母が倒れると、看病のためと称してごろつきだった蟇六を家にあげ、母が亡くなると結婚した。
+亀篠の詳細
  すでに四十を過ぎても子供ができなかった上、弟夫婦に雪歩が生まれたため、嫉妬心から養子を探して浜路を迎えることにした。浜路の逃亡が陣代にばれたときに、夫ともども手討ちにされた。(第十回)

  原作では蟇六の悪事を助けるため積極的に人に働きかけている。番作が戻ったときに彼を追い出そうとしたこと、与四郎の件で村雨丸を差し出させるために糠助を脅して説得させたこと、左母二郎に村雨丸を奪う話を持ちかけたことなどは彼女が行なった。ちなみに左母二郎に対しては「よき歳したる吾儕(わなみ)でも、夫がなくば思案も狂わん」などと考えていた。



浜路 (はまじ)

  • 長夫婦の娘。雪歩の従姉。
  • 十七歳。寛正三年(1462)正月生まれ。
    • 贅沢三昧わがまま放題で育てられたがまっすぐに成長した良い娘。長夫婦を嫌う村人たちも浜路には好意的だった。
    • 長関係の人々を避けている雪歩とも仲がよく、雪歩の姉のような存在。やや妄想癖がある。
+浜路の詳細
  武蔵国豊島郡練馬出身。水瀬家の生まれで伊織の異母姉。大塚家には二歳のときに養子としてもらわれてきた。
  浜路の母と伊織の母はもともと妾で、伊織の母の方があとから水瀬家に来た。正妻が亡くなったあと、二人のうち先に男子を産んだほうを正室にすると言われおり、結局男児を生んだ伊織の母が正室とされた。浜路の母はそれを妬み、母子を殺害しようとする。男児は死んでしまったが、伊織の母は一命を取りとめ、逆に自分が処刑されるてしまった。浜路も殺されるところだったが、蟇六夫婦が養子を探している話が知らされ、生涯不通の約束、つまり事実上追放の形で養子に出された。浜路がこれを知ったのは陣代への嫁入りを聞かされた日である(第八回)。
  当日になって陣代への嫁入りを聞かされたが、そのときに雪歩が献上しに出かけたはずの村雨丸を父が(偽物だが)持っていることに気づき、日が落ちてから雪歩を追って逃亡する。途中で賊に襲われたところを左母二郎に助けられたが、左母二郎もまた村雨丸(本物)を持っていることに気づく。これを奪って逃走するが追いつかれ斬られてしまい、とどめこそ伊織によって阻まれたが、傷はすでに手遅れであった。村雨丸を雪歩に渡すよう伊織に頼み、絶命する。「家族」に恵まれたとは言えなかったが、異母妹とはいえ血の繋がりのある伊織が善人であることを知り、笑顔で最期を迎えた(第九回)。

  原作では道節(伊織)の異母妹で、信乃(雪歩)の許婚。元の名は睦月(むつき)で、正月に生まれたことによる。母たちについては大体同じで、最初に生まれた男児が道節である。十珠伝の設定とは逆に道節の母が死んでしまうが道節が蘇生して悪事が発覚し、浜路の母が処刑された。
  養子であることを浜路自身が知ったのは十二三歳の頃だが、この話を聞いたのは絶命する直前であった。村雨丸を信乃に届けるよう道節に頼んだが、道節は「君父の讐を後にして、私事を先にはしがたし」として村雨丸を仇討ちに使うと言い、浜路は悲しみのうちに最期を遂げた。
  信乃が古河へ出立する前夜に彼の臥所へ入り、共に連れて行くよう涙ながらに訴えた場面は「浜路くどき」として知られており、八犬伝の名場面のひとつである。十珠伝ではあまり際立たせることができず残念である。



網乾左母二郎 (あぼし さもじろう)

  • 糠助亡き後、萩原家の隣家に引っ越してきた浪人。
  • 二十六歳。享徳二年(1453)生まれ。
    • 元は関東管領である扇谷(上杉)定正に仕えていた。
    • 便佞利口の人物。上にへつらい周りを貶めて出世したが、恨んだ朋輩に強訴されて管領家を追われることになった。超美男子である上に、書・歌舞・楽器の扱いにも優れ、大塚では雪歩の父亡き後の「手跡の師匠」として教えていたこともあり、婦女子からかなりの人気を得ていた。
+網乾左母二郎の詳細
  浜路への婿入り及び次期村長の約束と引き換えに、「長の証たる太刀」を取り戻す手伝いをするよう持ちかけられる(第六回)。すりかえる際に刀が村雨丸であることに気づき、本物は自分のものにして蟇六には鞘に水を入れた なまくらの刀を差し出した。村雨をもって管領に帰参するつもりだったが浜路に気づかれてしまう。彼女を殺害しようとしたが、突如現れた伊織の手裏剣に急所を討たれ、女児に殺される恥を被るぐらいならと自害した(第九回)。

  原作では陣代をもてなす宴の際に見た浜路に一目惚れしており、それに気づいた亀篠に語らわれて村雨奪還に加担する。浜路が陣代へ嫁ぎ自分との約束が嘘である事に気づくと、屋敷の庭で首を吊ろうとした彼女をさらって逃走する。逃走を手伝わせた三人の男を殺害し、抵抗した浜路をも殺そうとするが、現れた道節の手裏剣で深手を負い、最期は浜路を殺そうとした村雨丸で自らが殺された。なお村雨は室町将軍・足利義尚へ献上するつもりだった。管領に仕えていたことについては、亀篠に「食録五百貫を宛て行なわれ、しかも近習の上に」いたと話していた。



糠助 (ぬかすけ)

  • 故人(享年六十二)。萩原家の隣人。宝珠とあざを持つ娘がいた。
  • 応永二十四年(1417)生まれ。
    • 萩原家と親交が深く、食料をお裾分けすることもたびたびあった。
    • 春香たちや雪歩がそれぞれ出立した前年七月に病死している。
+糠助の詳細
  善意の人であり、それを利用されて村長夫婦へ村雨を渡すよう番作を説得した。原作では文字が読めないことに加えて年貢の納付量も足りていないこと指摘され、できないなら村を追い出すと脅されて番作を説得することになった。
  安房国洲崎出身。真の実父。真が生まれてすぐに妻子は病に倒れ、看病の甲斐なく妻は他界。幼子と借金だけが残ってしまった。飢えた糠助は食料を得るため、役行者の聖地となっている洲崎沖の禁漁区に入り、それが見つかって捕縛されてしまう。死罪と定められたが、その年が伏姫の三回忌にあたり、特赦を受けて追放に減刑された。
  放浪の末に行徳までたどり着いたが限界を感じ「道に死に恥をさらすよりは」と、真とともに入水しようとした。そこに真の養父となる男が通りがかり、彼を止めた。彼は事情を聞くと、娘を引き取ると申し出、所持金をすべて与えて糠助を励ました(第十九回)。
  その後糠助は大塚に来る。後妻を娶ったがやはり病気で先立たれ、ついに自らも流行り病に倒れる。看病する雪歩に、あざと珠を持つ娘について打ち明け、機会があれば探してほしいと託し、数日後に他界した。



簸上宮六 (ひかみ きゅうろく)

  • 大塚城城主・大石兵衛尉憲重(おおいし ひょうえのじょう のりしげ)の陣代。
    • 先の陣代・簸上蛇大夫(ひかみ じゃだいふ)の長男で、父の死に伴い着任した。独身。
    • 巡検で大塚へ来た際に蟇六の屋敷でもてなされ、その際に浜路を見初める。後日部下の軍木五倍二を通して縁談を持ち込み、結納を済ませた。(第六回)
+簸上宮六の詳細
  蟇六夫妻は本当に浜路を輿入れさせるつもりであったが、それを知った浜路は逃亡。夜屋敷に来た宮六主従には「痞えが起きて支度が遅れている」と伝えられたが、蟇六が村総出で浜路を探させていたためにばれてしまう。宮六は信じず、蟇六が誠意を示すと言って出した村雨丸も偽物であったため、長夫婦をその場で手討ちにした。そこにやよいと伊織が戻ってきたが、完全に冷静さを失っていた宮六は彼女たちも蟇六と同類と思い込み斬りかかる。しかし剣の腕は伊織が勝っており、返り討ちにされた。(第十回)

  原作では戻ってきた額蔵(荘助。やよい)に討たれた。道節(伊織)は大塚に来ていない。亀篠の不手際で酒ではなく酢を飲まされたのは原作どおり。



軍木五倍二 (ぬるで ごばいじ)

  • 簸上宮六の下役。
    • 姓は植物のヌルデ(白膠木)、名はヌルデに寄生する虫によってできるフシ(五倍子・ごばいし)に由来する。お歯黒の原料。
+軍木五倍二の詳細
  蟇六に怒った宮六により兵を率いてくるよう指示され、一度蟇六の屋敷を離れている。戻ったとき宮六は死亡しており、現場にいたのがやよいだけであったため彼女を捕縛した。(第十回)
  やよいの処刑が決まり処刑に立ち会ったが、刑場破りを決行したあずさに殺害された。(第二十六回)
  原作ではずっと屋敷におり、亀篠を斬った。もどってきた額蔵(荘助。やよい)に傷を負わされるも逃げ延びた。



大塚匠作三戍 (おおつか しょうさく みつもり)

  • 故人。大塚の先の長。雪歩の父方の祖父。番作と亀篠の父。
  • 武蔵国豊島郡大塚出身。
    • 鎌倉公方・足利持氏の近習。永享の乱と結城合戦には番作と共に出陣。持氏の子・春王丸と、春王丸の守り刀で源家の宝刀でもある村雨丸を守るよう命ぜられる。
    • 結城合戦において春王丸と弟の安王丸が捕らえられると、村雨丸を番作にゆだね、自らは両公達(春王と安王)を救出すべく単身であとをつけた。救出はかなわなくともせめて仇を討たんとし、両公達が処刑されたところに名乗りを上げてその場に斬り込む。老党の一人を斬り伏せるが自らもそこで討死。匠作と両公達の首級は更に後をつけていた番作によって奪還され、三人とも同じ場所に埋葬された。



井丹三直秀 (いの たんぞう なおひで)

  • 故人。雪歩の母方の祖父。信濃国御坂の住人。
    • 十余騎を率いて結城合戦に公方方で参戦しており、大塚匠作と共に城の後門を守っていた。落城に際して娘の手束(たつか)を匠作の息子・番作に嫁がせる約束をし、その旨を記した書を家に届けさせていた。



手束 (たつか)

  • 故人。雪歩の母。



やす平 (やすへい)

  • 神宮川の舟屋。十条力二郎・尺八郎の伯父と名乗る。
    • 雪歩たちに大塚の凶変を知らせた。(第二十四回)
    • 古河公方による支配を長くうけていたため、最近戦で支配者となった関東管領や陣代に対しては敵対的な見方をしている。
    • 原作では「矠平(矛+昔)」と表記される。
+やす平の詳細
  過去、水瀬家に仕えていた事があり、実の名を姨雪世四郎(おばゆき よしろう)という。十条兄弟の伯父ではなく実父。
  黙ってやよいの救出に向かった真たちのあとを追い、増水した川を渡れるように舟を出した。その際、水瀬の乳母である音音(おとね)に書状を届けることと伊織の力になることを頼み、実の名を告げてからその場を離れた。(第二十六回)
  以降は姨雪世四郎の項を参照。



丁田町進 (よぼろた まちのしん)

  • 鎌倉から遣わされた大塚の新しい陣代。簸上宮六の後任。
    • 陣代と大塚の長夫婦が殺害された件についてやよいを裁き、磔刑に処すよう命令した。
    • 真たちの刑場破りを受けて一度城に逃走。手勢を連れて再び追ってきたが力二郎の襲撃を受け死亡。(第二十六回)






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