消費者契約法
2000.4 成立
2001.4.1 施行
【背景】
- 行政による事前規制 ⇒ 市場参加者が遵守すべきルール整備
- 構造改革・規制緩和のもと多様化するサービスにより消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者と事業者との間にある情報・交渉力の格差から生じるトラブル
【従来法の限界】
民法による対応
1)詐欺、強迫、錯誤の規定 ⇒ 要件が厳格
2)民法の規定の多くは任意規定 ⇒ 特約によって排除できる
3)一般条項(公序良俗違反、信義則違反)⇒ どのような条項が無効になるのかわかりにくい
4)個別法による対応 ⇒ 消費者の救済は反射的・間接的なものにとどまり、私人間の権利義務に直接的な効果をもたらさないものが多い
■ポイント
1)消費者が事業者と締結した契約(=消費者契約)が全て対象
2)消費者契約の締結過程に係るトラブルの解決
消費者は、事業者の不適切な行為①不実告知、断定的判断、故意の不告知②不退去、監禁)により自由な意思決定が妨げられたこと(①誤認、②困惑)によって結んだ契約を取消すことができます。
3)消費者契約の契約条項に係るトラブルの解決
消費者が結んだ契約において、消費者の利益を不当に害する一定の条項の全部又は一部が無効
「勘違いをして契約をしたと気がついたとき(①の場合)」又は「消費者が事業者から開放されたとき(②の場合)」から6か月間
契約した日から5年を経過してしまうと、以降は取消ができない
【データ】
■相談内容の割合 (くら豆 P228)
- 取引 91.8%
- 契約・解約 83.3%
- 販売方法 44.9%
■約10万件(平成元年度)、約38万件(平成11年度)とここ10年間で3倍以上に増加
【課題】
- 「重要事項」かどうか判断する基準はなにか。
- 「箱詰めみかんなど果物の一部が腐っている」などの場合、全ての契約の取り消し(返品等)要件とされ得るのか。
- 不退去の基準は何か。
【注意】
事業者との間で争いになった場合は消費者が証明しなければなならない。
最終更新:2006年11月16日 01:45