※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ここにはもう人はいないのかしら…保守も兼ねて投下

「う…うっぐ…がわいぞずぎるよう…」
俺のパソコンで、『ケータイ小説空前の大ベストセラー完全映画化!』が売り文句の映画の
ネット配信を見ながら、いとこの咲はさっきからずっと鼻をグジュグジュさせてる。
正直、俺は金を貰っても見ないタイプの映画で、咲が見たい見たいとあんまウルサいので
見出したはいいが、予想以上に薄っぺらい話で、正直見てるのがツラくなってきた。

となれば、後は咲の姿でも見てるしかないよな。
咲は、片肘ついて俺のベッドに横になって、机の上のディスプレイを見ている。
今日は、淡いレモン色のノースリーブのワンピースで、肘をついてる脇から、ごくひかえめな
胸へのなめらかなラインが、床に座ってる俺からは丸見えだった。
どこをとっても細いその体をチラ見しながら、俺は秘かにため息をつきつつ、頭をかく。

映画がやっと終わり、彼女はティッシュでズビームと鼻をかんでポイとゴミ箱に投げるが、
全然届かずに、途中の床にポトリと落ちる。
「うわ咲!ちゃんと捨てろよ!」
「んー」
と返事をしたものの、咲は全くベッドから起き上がる気配も見せず、コロンと仰向けになる。
しばらく彼女はまだ鼻をグスグスいわせつつ、天井をジッと見ながら何か考えてたけど、
やがてポツリと言った。
「…あのね、タツ兄(←オレが達彦だから小さい頃からこう)。別にどうでもいい事なんだけど…」
「なんだ?」
「実は私…昨日、告られちゃって…」

そう、彼女はとにかくモテる。
整ってるけど冷たい感じではないという、絶妙な造りの小さめな顔。細いのにガリでもないと
いうこれまたバランスのいいボディ。そこに明るい性格が加われば、まあ、そりゃ周りがほっと
かないだろ。
だけど、どうも彼女はワラワラ押し寄せる男どもを、全部『ごめんなさい』の一言でバッサリと
切り捨ててしまってるらしい。
それで、休日は女の子どうしで遊んでいたり、俺とショッピングやテニスにいったりしてるんだ
から、俺が『もしや、俺に気が…』ってちょっと位妄想しても無理はない、よな?無理か。

さて、そんな中、彼女に昨日告ってきたってのは、クラス、いや学校でも一番の男前らしい、
地元J2チームのジュニア部門のエースストライカー、三山悟クン、だそうで…
「…で、咲はどうすんの?」
実は、咲のモテ話はみんな叔母さんからお袋という経由で聞いたもので、彼女がこの手の話を
直接俺にした事は今まで一度も無い。何となく…いや、かなりイヤな予感。
果たして彼女の答えは、
「…え、私?うーん、まあ、いいかもなー、みたいな…」

真っ赤になってる咲の顔を見て、俺はショックじゃなかったと言えばそりゃウソになる。
でもまあ、正直いつかこんな日が来るのは分かっていた。
彼女のような子が、俺なんかと休日グダグダしてるのも、もちろんイトコってつながりがあって
の事。俺もその辺は十分わきまえてたから、ホレ、多少不自然かもしれないけど、こうやって
ニヤッとできる訳さ。
「なんだよ全くもー。こっちはこんないい年してイナイ暦何年だよっつー感じなのになあ」
「……」
「……?」
何だこの沈黙。彼女が、ゆっくりベッドから体を起こしながら、なんか妙に光る目で俺をジッと
見てる。やがて、彼女は小さな声で言った。
「…いいの?」
「え?何が?」
「……もういいっ!」


彼女がベッドから飛び起き、部屋から出て行こうとする。ヤツはよくこうやって一人でプンプン
怒って勝手に部屋を出て行ってしまうが、また数日もするとケロッとした顔でやってくるのが、
いつものパターンである。
「な、何よ!手ぇ離してよ!」
あれ?いつの間にか俺、彼女の手を掴んじゃってる。ほっときゃまた「何か食べさせろー」とか
言いながらやってくるのにさ。

…いや、多分今回は違う。このまま行かせたら多分それで何かが終わってしまう。
俺は、自分でどうしたいのかもはっきり自覚しないまま、思わず彼女の手を掴んじまったらしい。

そのままその手を軽く引くと、「キャッ!」と小さな悲鳴を上げながら、彼女の細い体が俺の
腕の中にスッポリ納まる。俺はそのままギュッと彼女を抱きしめてしまう。
何だよ。何で、俺にテレビのリモコンを渡すまいとガンバってる時みたいに大暴れしないんだよ。
そんなんじゃ俺、止まんなくなっちまうだろうが。
俺が、身を屈めるようにして彼女の小さな顔に俺の顔を近づけても、彼女は顔を真っ赤にして
身を固くするだけで、顔を背けたりはしない。
ついに俺の唇が、彼女のかすかに震える小さな唇に重なる。
柔らけー。あったけー。いい匂いすんなあ、シャンプーかなあ。
チュッ、チュッと、ゆっくり優しく何度も彼女の唇を吸う。彼女の鼓動がどんどん激しくなる。
やがて、彼女がおずおずと俺の唇を吸い返してくるようになって、あっという間にお互い夢中で
口を吸いあってしまう。
俺が彼女の小さな口を開けさせて、お互いの舌先を触れ合わせたときも、最初はビクッとした
けどすぐに慣れて、今は一所懸命そのかわいい舌を俺の舌に絡めてきている。

俺も彼女も、無意識のうちにお互いの体を激しくまさぐっていた。俺の腰が、彼女の真っ平らな
お腹にピッタリくっついてるから、俺のアレがカチカチになっちゃってるのはモロバレだろう。
彼女の体がどんどん熱くなる。吐息は火でも噴いてるのかと思うくらい熱い。
たまたま彼女の細い足の間に挟まれてる俺の腿に、多分無意識にだろうけど、彼女が切なげに
下腹部を擦りつけてきている。俺が彼女の小さなお尻を掴んで引き寄せ、その腿がより深く、
彼女の股間辺りに当たるように調節すると、彼女は
「ア…ンッ…」
と、かすかに声を漏らしながら、自分からその感じやすい部分を俺の腿に擦りつけてきた。
彼女の息がどんどん荒くなり、心臓の鼓動が張り裂けんばかりに高鳴る。そして…
「イヤッ!」
彼女は叫びながらドンッ!と俺を突き放した。顔は真っ赤で、目はポウッと霞が掛かっている
ようだ。彼女は、ハアハア肩で息をしながら、唇を噛み締めて俺の顔を睨むと、無言で部屋
から走り去っていった。

あれから何日経ったろう。
咲はパッタリと姿を見せなくなってしまった。当たり前だな。
俺はいつお袋や叔母さんから怒られるのかと覚悟を決めていたが、どうも咲は黙っていたらしい。
今頃、サッカーの何とかクンとデートでもしているんだろう。
不意に、激情に駆られてしてやってしまったあの日の行動が頭の中に蘇ってきて、俺はベッドの
上で、後悔と、紛れも無い欲望とで悶絶する。
実は、今日は田舎で法事があり、親戚一同がこぞって終結してるはずだが、俺は彼女に合わせる
顔がなく、腹痛だと言ってパスさせてもらったのだ。

昼でも食べようかと冷蔵庫を漁っていると、ドアのチャイムが鳴った。宅急便かセールスか、
どっちにしてもウザッと思いつつインターホンのモニターを見ると、そこには俯いて立つ咲の
姿が映っていた。

…未完DEATH
出来たらまた投下予定