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その後、僕は家に戻らず友人の下宿を渡り歩いた。
妹の顔を見るのは辛かった。
妹を犯す父親を許せなかったが、その父親に対する嫌悪や憎悪は
すなわち自分にもあてはまった。
幼な子を犯した罪は同じなのだ。
妹に向かって腰を振る父親の醜態は前夜の自分の醜態でもあった。
僕らは親子で妹を犯したのだ。
父親と同じ野獣となった自分が許せない。
事実を昇華できないまま日にちが過ぎた。

自分の罪に消え入りたかったが、やがて
野獣に身を落とした僕にもまだしなければなならない事が
一つあることに気が付いた。
父親に犯されて喜ぶ娘はいないだろう。
現に妹は「お兄ちゃんだったら良かったのに」と、確か言った。
父親との関係は和姦ではなく強姦であるのはあきらかだ。
せめて父親からの性的虐待から助け出してやらねばならないと思った。
それだけはしなければ。
僕は家に戻る事にした。

二週間がたっていた。


家に帰ってコーヒーを入れていると
知らない間に妹がやってきて背中にくっついた。
「お兄ちゃん・・・どこに行ってたの?」
「友達んちだよ」
「・・・そう・」
妹が背中に頭をくっつけて、もたれてくる。
「お兄ちゃんは・・・・・私が嫌い?・」
思いがけない言葉に振り向いた。
もたれかかる妹を受け止めるように抱きしめた。
「嫌いなんかじゃないよ」
「だって・・・いなくなったから・・・」
「ダチに呼ばれたんだよ、それだけだ」「・・本当に?」「うん」
妹の髪に頬を寄せると昔のようにいい匂いがした。
抱きしめると女の子は柔らかくて気持ちがいい。
それだけに父親からの虐待を耐えているこの小さい体が不憫だった。

僕は晩飯の時、両親の目の前で妹に言った。
「お前の勉強をみてやるよ、あとで部屋に来な」


「うん!」と妹が嬉しそうに言った。
母が「あら、よかったわね~」と言う。
父だけが怪訝な顔をした。
僕が妹を膝にのせ勉強を教えていると飲み物をもった母と一緒に
父も部屋に入ってきた。
母は何も言わなかったが父が「お前、ちょっと居間に来い」と僕を呼んだ。
居間に行くと「お前は何を考えてるんだ」と言う。
「何って?」とトボける。
「お前たちは血が繋がってないんだぞ?なのにあの馴れ馴れしさはなんだ!
お母さんが心配するだろう!!」
僕な内心(心配するのはアンタの方だろう)と思ったが
「兄妹の仲がいいのを何が心配する必要があるのさ?
だいいち僕らは血が繋がってない。
しようと思えば僕らは結婚だってできるんだぜ?」
父親が爆発寸前だ。
僕は席を立ち無言のまま部屋にもどった。


次の日から僕は堂々と行動することを努めた。
学校に行こうとする妹を呼び止めて
「行ってきますのキスは?」と言いながら自分の頬を指差す。
両親の目の前でだ。
妹は僕の頬に軽くキスをすると赤くなりながら出て行った。
父が怒る。
「いーじゃん別に。オヤジ考えすぎだよ。
ほっぺたチューぐらい、いいじゃん。兄妹なんだから。ねぇ?母さん?」と
投げかける。
「えっ?・・え・・ええ・・まぁ・・・」しどろもどろだ。まぁ、いい。
次の日、オヤジも大胆にでた。
昨日のように朝、妹が僕の頬にキスをすると父親が
「お父さんにもして行って」などとほざくので
「何オッサンが気持ちわりぃこと言ってやがんだよ!!
フツーおやじになんかしねぇよ!!」と妹に「早く学校いきな!オッサンなんかに
しなくていいよー」と言う。
父親の怒りが見えるようだ。
それが何を意味するのか自分でもよくわからなかったが
既に何回も妹を抱いた父親に対するヤキモチもあったのかもしれない。
僕と妹が異常に仲がいい事で親父が身を引くとも考えられないが
少なくとも妹の気持ちが僕の方にあるのは解るはずだ。
そして僕は妹奪還劇をはじめた。


友人宅を渡り歩いたあの二週間からずっと、どういう手段が
妹と母にとって一番いい方法なのかと考えていた。
父と妹の関係を暴露した所で家族崩壊するだけだ。
それだと母と妹が路頭に迷う。
僕はまだ学生だし母と妹を養っていける訳が無い。
妹を連れて家出したところで養えない僕は妹に苦労させるだけだ
学校にも行かせられないだろう。そんなのは嫌だ。
もうこれ以上妹を苦しめたくない。

僕はこの家で、父の魔の手から妹を守ることにした。
父のいる家の中では必ず妹を手元に置いた。
テレビを見る時も膝に乗せたり、すぐ横に座らせて肩を抱いたりした。
妹も僕の背に隠れるようになった。
妹が風呂に入る時は母も一緒に入るように薦めた。
問題は夜だ。


いつ父親が妹の部屋に夜這いに行くか解らないから
夜も僕の手元に置くのが得策だ。
僕は妹に耳打ちし「今日からここで寝なよ」
「え・・・いいの?」
「いいよ、適当になんとかいうからお前は黙ってな」
妹は嬉しそうに笑った。
夜が更けて母に「妹が俺のベッドで寝ちゃったから俺の部屋の床に敷く
布団が一組欲しい」と言った。
母が敷いてくれて寝入った妹を見ながら「あら~本当に寝ちゃったのね~
お兄ちゃんごめんなさいねー」と言いながら出て行った。
そのあと父が「では、お前が妹の部屋で寝るか、別の部屋で寝ろ」と
言ったが「勉強するんだよ!自分の部屋じゃなきゃ無理だ!」と
押し通した。
夜、妹の安心したような寝顔をみながら僕も眠りについた。
妹を愛していたが、抱く気にはなれなかった。
妹と愛し合うことよりも父親から守る事が先決だと思うと
そんな気にはなれなかったのだ。
だから夜中に妹が僕の布団に潜り込んで来ても
彼女をキツク抱きしめて胸に抱いて寝ただけだった。
あいかわらずいい匂いがする・・・。
その匂いに包まれながら深い眠りについた。
翌日、父親の怒鳴り声で目が覚めた。


夜に妹が布団に潜り込んできたから僕らが一つの布団で寝ていたのを見て
激怒したのだ。
「なんだよ・・うるせぇなー」ぼくはあくびをしながら言った。
妹は僕の背中にしがみ付いて震えている。
「なんだ!お前たちは!一つの布団で寝るなんて!
お前は兄貴の癖に何を考えてるんだ!!
妹がかわいそうだと思わないのかっ!!」
僕は寝癖の髪を掻きあげながら「何考えてるのかはそっちだろう、
寝相の悪いコイツが上から俺の布団に落っこちてきただけじゃん
そっちこそ何エロい事考えてんだよ、何にもしてねぇよ
見ればわかるだろ、俺達ちゃんと服着てるじゃんかよー」
その後も何かわめいて怒っていたが僕が相手にしなかったので
怒って出て行った。
背中で震えていた妹を抱きしめて「大丈夫だよ」と言った。


父が母の目の前で言う
「もうお前は大学生なんだから間違いがあってはならない。
以後、妹と一緒に寝る事は許さん」
僕は「小学生の妹になんか何にもしねーよっ!!
それともオヤジだったら何かするのかよ?」とつっ込むと
突然父親が慌て出した。
結局小学生の妹相手に一緒に寝たからって下心なんか無い!と
いう意見を押し通す。
母は何も言わなかった。
そうして僕は夜、妹を手元に置く事に成功した。
これで妹の安全はかなり守れたはずだ。
僕は毎晩妹を腕に抱いて寝た。
妹は安心したようにぐっすり眠っていた。
おやすみのキスと時々長いキスをしたが僕は彼女を抱かなかった。
それなのに・・・・・。
ある日、事件が起きた。


夕方帰宅すると妹が背中にもたれて来た。
「ただいま」「・・」
妹が返事をしない。
「どうした?なんかあったか?」
妹が僕の体に手を回して爪をたててきた。
僕は振り向いて妹を抱きしめて訊いた「どうした?」
下を向いたまま答えない。
妹が震えていた。
まさか・・・と思ったがまだ夕方だ。父は帰宅していないようだった。
もう一度訊いた「どうした?学校でなんかあったのか?」


「ううん・・なんでもない・・・あのね・・」
「なに?」
「今日から私自分の部屋で寝るね」
「なんでっ!」
「な・・なんでも。お兄ちゃん今までありがと」と抱きついてきた。
おかしい。
何かあったんだ。
父に何かを言われたんだろう。
父との関係を僕が知らないと思っているから言えないんだ。

妹が自分の部屋に戻るという。
父親が夜這いに来るのは目に見えている。
「じゃあ僕がお前の部屋にいく」と言う。
僕が妹のベッドに潜り込んでいるのに気が付かない父親が
案の定、夜中に部屋にやってきた。
「誰?」と僕が言う。
「なっなんだお前!!なんでお前がここにいるんだ!!」父が狼狽する。
「妹の部屋で寝込んだだけだよ。用が無いなら出て行けよ」
「お前も来い」
「駄目だよ。今度は僕が妹の部屋で寝るんだから。
今まで僕の部屋で寝てたから、今度は交換さ」
父親が捨て台詞をはきながら出て行った。
後ろで震えていた妹に聞いてみた。
「お前、オヤジから何か言われたんだろ」
「・・・」
「もう俺の部屋で寝るなって言われたのか?」
「・・・・」あ、そうか。
「オヤジにそう言われた事を俺に言うなっていわれたのか」
僕は妹の頭を撫でながら「酷いオヤジだよな・・・」とつぶやいた。


妹が僕の胸の中で頭を押し付けながら言った。
「お兄ちゃん・・・キスして」
そっと唇を重ねると妹の小さい指が僕の頬を撫でた。
それから細い腕を首に回し抱きついてくると、うめくように言った。
「私はもう嫌なの・・・もうあんなことはしたくないの!」
一瞬どの事を言っているのか解らなかったが
「大丈夫だよ。もうお前の嫌がる事なんか誰もしないから」と言ったが
次に妹の口から出た言葉にこめかみの血管が破裂しそうになった。
「今日・・お父さんが・・・学校に来たの・・・」

妹の話はこうだ。
父が学校に現れて理由をつけ妹を早退させると学校から連れ出した。
車に乗せて向かった先は・・・・
「部屋・・・どこかわかんないけど部屋に行ったの」
多分ホテルだ。
その先妹は語らなかった。
「嫌な事をされたのか?」ちいさくうなずいた。
なんという事だ!僕がこんなに近くにいながら守ってやれなかったとは・・。
そこまでして父は妹の体が欲しかったとは・・・。
またしても父親から犯されなければならなかった妹が不憫で、
助けてやれなかった自分が不甲斐無く、かけてやる言葉も見つからず
ただ妹をきつく抱きしめてやる事しかできなかった。


父がこんな強硬手段にでたのだから
こちらも強硬手段にでるしかない。
夜に帰宅した父に向かい顔を近づけて睨むように小声で言った。
「今度アイツを学校から連れ出したりしたら・・母親に言うぞ」
父が狼狽する。
無言で睨みあっていると上から母がおりてきたのでそのまま去った。

深夜、水を飲みに下へ行くと父が一人で酒を飲んでいた。
無視していると背中からつぶやいた。
「私はあの子に一目惚れだったんだよ・・可愛いくてね・・・
こんなに可愛い娘がいたらいいなぁって思って再婚をきめたんだよ・・・」
気持ちは解る。
「昔、お前があの子にキスをしていたのを知ってるよ」
バレてたのか・・・
「お前がいなくなって・・あの子は寂しがってね・・
代わりに私が抱きしめてキスしたら喜んでね…まだ小さかったから嫌がらなくて…」
なんという事だ・・僕がきっかけだったというのか・・・
「嫌がらないはずだよなぁ・・お前にされ馴れてたんだから・・
嬉しくって毎日抱きしめてキスしてた・・」
僕もそうだった・・
「そんなつもりは無かったんだが・・そのうち欲望は尽きなくてね…とうとう…
でもね・・信じられないかもしれないが、あの子は嫌がらなかったんだよ」
「嫌がらなかったんじゃなくて言えなかったんだろ・・怖くて」
「あぁ・・そうかも知れないな・・」
そうかも・・じゃねぇよ
「それがさ・・今日はじめて泣かれたんだよ・・最中に泣かれてね・・・
何て言ったと思う?」
「なんだよ」
「お兄ちゃん助けてって・・・言ったんだ・・」
あぁ・・・妹よ。
「その時になってはじめて自分がしている事がわかったよ・・
あの子が嫌がっているなんて思っても見なかったから・・悪い事をした・・」
うなだれる父の姿を見ながら
親父はマジで妹に惚れていたのだ・・と思うとそれ以上責める気持ちになれなかった。


次の日、うなだれる父親が会社に出かけるのを見送った。
それはたまたまその時に出くわしただけなのだが
それが僕が見た父の最後の姿になった。

父が自殺した。

事故か自殺かわからない状況だったが
僕としては多分自殺だったと思う。
理由はあいまいだが、妹に拒絶された哀しみか
息子に禁断の愛を知られたせいなのかは解らないが・・・。
妹は取り乱し僕に何度も「私のせい?私のせい?」と聞くので
そのたびに「違うよお前のせいじゃない。これは事故だ」と言って聞かせた。
好奇の目に晒されるだけだから「父との関係を絶対喋ってはいけないよ」と
言っておいたので自殺の理由がみつからず事故死となった。

葬儀が行われた。
泣けないと思っていたがいざそのときになると涙がこぼれた。
妹には鬼畜の父でも、それでも僕にとってはたった一人の父だったのだ。
妹に隠れて泣く僕を妹が胸に抱いてくれた。
泣き続ける僕の髪や頭を妹の小さい指が撫でた。何度も撫でてくれた。

その後、父の残した財産を決まりどおりに分割すると義母に言った。
「僕は自活します。あなたは新しい人生を歩んでください、
僕の事は心配しなくていい」と伝えると「わかった」という返事が来た。
それは妹との別れを意味した。
僕らは兄妹から他人に戻る。一緒に暮らすにはお互い疲れ果てていたのだ。
いくつもの出来事が僕を疲れさせていた。
僕は妹を抱きしめると
「もうお前を傷付ける人は誰もいないよ。お母さんと一緒に幸せに暮らしなさい
お前の兄になれた事は楽しくて幸せだったよ」と言うと
「お兄ちゃんと暮らしたい」と泣いた。
「離れてもお前の事は忘れない。なにかあったら連絡してきなさい
お前の為なら僕はいつでも飛んでいくよ」というと
僕の腕の中で泣き続けた。


僕は父が残してくれた金で一人暮らしを始めた
夜になると亡くなった父の事や愛しい妹の事が思い出されて泣いた。
それでも時間は過ぎていく。
一人ぽっちの静かな時間が流れて行った・・・そして
ゆっくりと普通の生活に戻っていった。

大学生になって二回目の春が来た。
桜が咲き始めたある日、家に帰るとドアの前に人がいた。
「あれ?」と思っていると、それは
真新しいセーラー服を着た妹だった。
「お兄ちゃん!!」と声をあげて腕の中に飛び込んできた。
「大きくなったな~」と抱きしめると「お兄ちゃん会いたかった・・」と
泣き出した。
「どうしたんだ?何かあったのか?」
「ううん、これを見せに来たの!私中学生になったのよ!」
少し大人びた妹は相変わらず美しく、可愛かった。
「そうか・・よく似合うよ。もう小学生のガキじゃないな」
「そうよ・・もうガキじゃないわよ!」と笑った。
よかった笑顔がみれて・・・妹が立ち直っているならこんなにいい事はない
部屋に入って近況を言い合った。
なんとかそれなりに問題無く暮らしているようだ。よかった。
僕の事を相変わらずお兄ちゃんと呼んでいるので
「もう僕はお兄ちゃんじゃないよ」と言うと
「うん、私も妹じゃないわよ?」「あはは・・・そうだな」
「だから・・・今度こそ私を・・・お兄ちゃんの彼女にして?」
仰天だ。

そして僕らは久しぶりのキスをした・・・・。