※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「そこ!右サイドー!」
「ライン押し上げて!」

夏休みの校庭に、子どもたちの元気な声が響く。
今日は椿小学校のサッカーチーム『椿FC』の練習日だった。
俺はその五年生のコーチをしている。
夏の暑さのなか、無償でこんなことをしているのも
ときに馬鹿らしくなっったりするが、
これはこれでなかなか楽しいのだ
「コーチ…」
そんな俺に近付いてくる一人の少女。楽しみその1。
「足けがしちゃったんだけど…」
「なんだ、佳奈。またすりむいたのか。
 相変わらずとろいなぁ」
この子の名前は九条佳奈。背中まで延びる太い三編みが
チャームポイントのおとなしい子だ。
「だって…皆ぶつかってくるから…」
佳奈の大きな瞳にみるみる涙が溜ってく。
やれやれ、およそサッカーには向いていない子なんだがなあ…
俺はグシグシと頭を撫でてやる。
「ほら、ちゃんと絆創膏貼ったから痛くないだろ?」
「うん…」
こんな泣き虫の佳奈が椿FCに入っているのには訳がある。
校庭の真ん中、
ボールに皆が群がっているその中心にいる人物。
乱暴な男子たちの中で妙に華麗な動きを見せる
その人陰こそがその理由だった。

見ている間にも彼女は素早い動きででボールを奪うと
そのままドリブルで二人をかわし、
GKをもかわしてボールをゴールへと蹴りこむ。
髪の短さもあってか一見男子と間違えそうな逞しさ。
しかしその顔立ちは凛としているものの女の子そのもので、
体つきもやや丸みを帯びてきている。
彼女が鷹司涼子。楽しみその2。
「どおっ?コーチ、ボクのゴール凄かったでしょ!?」
「まだまだだな。最後にGKまでかわしたのは余計だぞ」
「ちぇー……あ、佳奈、大丈夫?痛くない?」
「うん、大丈夫だよ。コーチが治してくれたもん」



そう、この二人、幼稚園の頃から何をするにも一緒という
いわゆる親友同士なのだ。
もともと涼子がやりたがっていたサッカーに
佳奈がついてきたってワケだ。
しかし五年生十二人中女子はこの二人だけ、
ただでさえとろい佳奈はいつも怪我ばかりしている。

「よし。今日はこのへんで終わりにするか。」
「はーい」
「明日は休みな。皆気を付けて帰れよー」
皆口々に明日の計画を立てながら帰り支度を始める。

無邪気な子どもたちを尻目に
『明日は半虹でエロ画像うpがあるんよな…('A`)』
と、俺が虚しい計画を立てていると横に涼子が寄ってきた。
「ね、コーチ。明日暇?」
「とっ特に用事もないが…なんだ?」
「あのさ、ボク達とプール行かない?」
いつの間にか反対側には佳奈が居る。
「あの…私泳げないから…」
そういいながら俺の服の袖をギュッと掴む。それは反則だ。
「佳奈に水泳教えてあげてくれない?
 ボクはあんまり上手くなくって」
そういいながら涼子は俺の腕にしがみつく。
むにっと僅かな胸の感触。
かわいい小学生の女の子がプールに誘っているのに
断る馬鹿がどこにいるだろうか。いや、いない!
俺は二つ返事で引き受けた。



本当は泳げないんだが、まあなんとかなるだろう