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「あっ……あっ、あっ、」
「苦しくないか、宮弥」「だ、だいじょうぶだよ、だって、宮弥はお兄ちゃんのお、お嫁さん、だか、ら、」
 苦しげな息の中で応える宮弥。
初めての挿入で辛い筈なのに、気丈に振る舞おうとする彼女に俺の胸は切なく締め付けられた。
「ああ、宮弥は俺のお嫁さんだ、今までも、これからもずっと一緒だ」
「お兄ちゃん………」
俺と宮弥は繋がったままきつく抱き合った。
抱きしめた腕の中で震える宮弥の身体。少女の肉体は一見華奢で壊れそうと思いきや、
その中にしなやかな強さと弛まぬ芯を秘めていて、男の包容をしかと受け止めていた。
それは女の持つ独特の柔軟さであり、受け入れる性ゆえの本能的な強さだった。
そう、今ここにいるのは〝兄〟と〝妹〟ではなく、〝男〟と〝女〟なのだ。

「宮弥……」「お兄ちゃん……」
 見つめ合う俺と宮弥。そしてゆっくり目を伏せながら互いの唇を重ねた。
「ん…んっんンン……」「ムム……フゥ……ムム……」
重なった唇は相手を求めて押し付け、噛み合い、やがて深く合わさって一つになる。
俺と宮弥の舌が口の中で絡み合い、混じり合った二人の吐息が口の端から漏れ出した。
深く熱い接吻。俺達は互いを求め、慈しみ、貪り合う。解けかけた絆を再び強く結び直すように。

 離さない、離すものか。俺の宮弥、愛しい宮弥、俺を愛する宮弥、俺の愛する女。

そうとも、あの時の約束は今も生きている。だからこそ俺と宮弥は八年後に、こうして肌を重ねているのだ。

そして俺の心は初めて会ったあの頃へと遡っていった………



八年前、宮弥と初めて会った日。

「今日からウチで預かる宮弥(みや)ちゃんだ。お兄ちゃん、仲良くしろよ」
そう言って親父は傍らの女の子を俺に紹介した。
篠山宮弥。俺と同じ姓なのは彼女の父と親父が兄弟だからだ。

「ほら、お前からも宮弥ちゃんに何か言ったらどうだ?」
「……ようこそ、俺は忠司(ただし)。よろしくな」
親父に促されて適当に答える。きっとその時の彼女の目には俺の印象は最悪だったに違いない。
「宮弥ちゃんは両親をなくしたばかりで心細いんだ、お前も優しくしてやれよ」
何テキトー言ってやがる。今日初めて会ったばかりの子に、俺が何をしてやれるってんだ。
心の中で毒づくと、親父の脚にすがりながら俺を見る女の子を見やった。
年の頃は6歳ぐらいか、可愛らしいショートの黒髪にあどけない顔立ち、そして不安げにこちらを見るつぶらな瞳。
まるでよく出来た人形みたいだった。しかし俺には鬱陶しいという感情しか先立ってならなかった。
「宮弥ちゃん、おじさんちょっと用事があるから忠司お兄ちゃんと待っててくれるかな?
忠司、宮弥ちゃんしばらく見てろ」
「あ………」「え!?ちょっ、ちょっと!!」
親父は言うだけ言うと俺と宮弥を残して部屋を後にした。

小さな待合室に、テーブルと向かい合う形で置かれたソファー。
別々のソファーに腰を下ろした俺と宮弥は無言のまま、ただ時を過ごしていた。
ソファーにもたれてダラダラしていた俺はふと宮弥を見た。

小さな肩をすくめ、閉じた両膝に握った両手を添えて俯く小さな女の子。
彼女は俺を怖がっている。悟った俺の中に意地悪な感情が頭をもたげる。

「おい、宮弥、なんか話してみろよ」

突然の俺の呼びかけに、宮弥の肩がビクッと震えた。