東方書き捨て


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「アリス・マーガトロイド……だな」
「……さあ? どうかな?」
 アリスは背に隠したスペルカードを握り締めた。
「そこを……そこを通してくれるかな?」
「何するつもり?」
「少しね……借り物さ」
「ご生憎様。もう先客が寝てるわ。起きたら勝手に色んなもんかっぱらっていくと思うわ」
「そうか。その先客が欲しい」
 アリスは顔をしかめた。
 今家の中には魔理沙がぐっすりと眠っている。どうやらこいつの狙いは魔理沙のようだ。
 アリスは苦笑いをかました。
 今、魔理沙のスペルカードは霊夢の下なのである。当然今の魔理沙は弱い。だから私が守らなければいけない。
 アリスは自分を信じた。その思いを胸に。
「魔符、アーティフルサクリファイス!!」
 アリスがそう叫ぶと、一枚の札が光を放ち、人形がその場に姿を現した。
 人形たちは絵を描くように華麗に舞い、次々と数多の弾を繰り出した。
 その弾幕は花火のように魔法の森を駆け巡る。
「不意打ち、かな。あ、自己紹介を忘れてたよ」
 彼女は黒いショートヘアを風に揺らしながら花火のように群がる無数の弾を避け始めた。
「私、レスカ・フレレシアと言いまして……」
 拡散する花火を避けながら彼女は続ける。
「ちょっとぉ、そこの、と、うおっ! そこの魔法使いさんにぃ!」
「喋りながらなんてナメてくれるじゃない!」
 アリスは更に追い討ちをかけ始める。
 魔法弾を更に放ち続けた。
 レスカは上空に身を投げ出すと、更に追ってくる無数の弾に驚愕の表情を見せた。
「ム、ムリ!」
 避け切れずに直撃した無数の弾は、彼女を地面へと叩きつけた。
 墜落地点から煙が出でる。
「……先手必勝!」
 アリスは右手にピースを浮かべると、満面の笑みを浮かべた。
 いつも守られっぱなしの魔理沙を守ることができたからだ。
 アリスは振り返ると、そのまま自宅へ、魔理沙へと歩み寄った。
 その時。
「いたたたたた……って私、痛みなんて感じないけどね」
「ーー(代用)ッ!?」
 そこにレスカは立っていた。その美しい顔にはヒビが入り、胸には巨大な穴が開いていた。そこから向こうの景色がぽっかり見える。
「あんた、何者!?」
 レスカはそのヒビだらけの顔で微笑んだ。
「私、実は人間でも妖怪でも何でもないの。じゃあ何かって? あなたの身近にあるもの、かね」
 アリスはふと上海人形を見た。
「……人形、とでも言うの?」
「ご明答。私は人形ね。操る者のいないマリオネット。まあ、そんなものかな?」
 するとレスカの胸の穴から傷まで、みるみるうちに消えていく。やがてそれが完治する。
「……化け物め」
「だから人形だって」
 レスカが手を伸ばしたその瞬間、何かがアリスの胸を貫いた。
「ーーっ!?」
 次々と糸が伸びてアリスを貫いていく。
「ぐあっ!」
「実は私、原子を再生する程度の能力を持つの。いわば創造を操る能力、かな? だって原子から出来ているものならなーんでも出来ちゃうから」
 原子を再生する程度の能力。一度見たものならそれを創り直すことができる。再生する能力なのだ。
 先程レスカの身体を修復したのもこの能力である。
 アリスは膝を地に落とした。
 息を切らしていた。アリスはただただ歪む視界を見続けるだけだった。
「さて、死にましょうか」
 アリスが死を覚悟したその時だった。
「恋符、マスタースパァァァァク!!」
 どこからともなく聞こえたその声とともに、黄金の巨大な光がレスカに直撃した。
「な、何こ……れェェェェェッ!!」
 家から出てきたのは、見間違えるはずもない。
 霧雨魔理沙だった。
 焦って出て来たのか、目印の帽子もなく、寝癖がピヨッと可愛らしく立っているではないか。
「……魔理……沙」
「遅れてすまないな、アリス」
 泣き崩れたアリスを抱え込むと、そのままホウキに乗るとそのまま目にも止まらぬ速さでその場を去っていった。

「な、なんでマスタースパークを……?」
「霊夢に頼んで一枚護身用にな」
 アリスは血まみれになったドレスをねめまわすと、ため息をついた。
「ごめんね……魔理沙……」
 アリスは泣き崩れしながら言った。
「……何が?」
「また……守られちゃった……守れなかった……」
 アリスは手で涙を必死に拭う。
「……何を謝られてんのかまったく分からないが、別に無事だったら何でもいいぜ。私はな」
「……っ」
 アリスは涙を流し続けた。
「うわあぁぁん! あぁぁぁん!!」
「お、おい、暴れるな落ちちまうだろ!」
 その時。
「人形、レスカ・フレレシア……」
東方書き捨て2
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