1.
『プレイン、聞こえるか?』
プレイン・パーデルの耳には、無線の音、いや、エリックの声が聞こえていた。
「こちらプレイン。十分に聞こえている」
プレイン・パーデルはワシントンのとあるビルディングにいた。個人的な調査のため、といえば嘘なのだろうが警察も俺と同じことを考えているはず、という思考がプレインの頭から離れなかった。彼は警察なんて目の敵としか思えなかったが、今回は警察に全面協力していた。
『プレイン……大統領のことなんだが……』
「……俺は大統領のために戦おうとしているわけではない。国のためだ」
そう。プレイン・パーデルは愛国者。これまでも、国のために散々戦ってきた。幼い頃からずっと。
だが、無理やり望まぬ戦争に送られても彼は国を恨まなかった。
「俺は合衆国が大好きだ。それだけの話だ」
最終更新:2010年06月02日 21:58