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「歴史」を読む
歴史年表を読む
──本をマッピングするというのは、メモをとることとちがうんですか。
いくつか方法があります。ぼくが最初に作成したのは「年表」です。クロニクル・ノートですね。
これはノートを数冊用意して、まず一万年前から紀元前をへて、現代まで年号をふる。たしか五冊くらいのノートにしたと思います。ページの間隔は見当で、あけておきます。で、読んでいる本に年号が出てきたら、その事項をこのノートに片っ端から書きこんだ。途中からそれではめんどうなので、ひとまず読みながら欄外に年号を書き、一冊読みおわったらそれをまとめてクロニクル・ノートに写すというふうにしました。
これって、最初はまことに遅々としたものなんだけれど、ときどき前に書き込んだページに新たな年号事項が加わって並んだりすると、なんだかとても嬉しいんですね。それでがんばった。もっとも、これも途中から気がつくんですが、同じ欄に政治も美術も事件も入れるのはつまらないので、しだいに何本かのトラックをつくるようになって、少しマッピングをおもしろくしました。この成果が、やがて電話百年を記念する出版物としてNTTから頼まれた『情報の歴史』になるわけです。
- 松岡正剛『多読術』ちくまプリマー新書,2009,pp111-112