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八月十五日の神話
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佐藤卓己『八月十五日の神話 ~終戦記念日のメディア学~』ちくま新書 (544)
目次
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- 序章 メディアが創った「終戦」の記憶
- 1.「八一五字の八・一五詔書」
- 四分三七秒と四分三三秒
- 「皆様御起立を願います」
- 「玉音写真」の最高傑作
- 敗者に映像はない
- 玉音拝聴をカメラはどうとらえたか?
- 2.セピア色の記憶――『北海道新聞』の玉音写真
- 沈潜する少国民の記憶
- 「セピア色の記憶」の嘘
- ポーズをとらされた少年たち
- 3.八月十五日の九州飛行機工場
- 九州飛行機と近海防衛の切り札「東海」
- 元動員学徒たちの証言
- 兜町の独眼流
- 『西日本新聞』の祈念写真
- メディア研究者の失敗
- 戦意高揚のプロパガンダ写真?
- 4.「玉音写真」がつむぎだす物語
- 教科書の「終戦」写真
- 断片的な写真が伝える全体的な物語
- 戦後に向けたプロパガンダ写真
- 『朝日新聞』八月一五日の「予定稿」?
- 八月一四日に撮影された玉音写真?
- 第1章 降伏記念日から終戦記念日へ―「断絶」を演出する新聞報道
- 1.「終戦」とは何か
- 八月一〇日の終戦?
- 八・一四と八・一五のあいだ
- 「返報の日」VJデイ
- 終戦のグローバル・スタンダード
- 「八・一五終戦」説への疑義
- 八・一六を強調した江藤淳
- 2.勝者と敗者の終戦記念日
- 終戦記念日を九月三日とした旧ソ連
- 「八・一五終戦」が急浮上した中国
- フランスとイギリスの場合
- 敗戦国の「終戦記念日」
- イタリアの奇妙な終戦
- 二つのドイツと二つの終戦記念日
- ドイツ人の「八・一五終戦記念日」批判
- 3.創られる記憶
- 一九四五年当時の新聞報道
- サンフランシスコ講和会議と「降伏記念日」の消滅
- 「八・一五終戦」企画の始まり
- 一九五五年という記憶の転換点
- 「もはや戦後ではない」、だから終戦記念日を
- 4.「玉音の記憶」に根差す戦没者追悼式
- 「戦没者を追悼し平和を祈念する日」の誕生
- 「悪評もないよりまし」
- 「文書の敗戦」から「電波の終戦」へ
- 第2章 玉音放送の古層―戦前と戦後をつなぐお盆ラジオ
- 1.聖霊月と「八月ジャーナリズム」
- 終戦か、敗戦か、八・一五革命か
- 玉音神話とラジオ
- 2.玉音放送のオーディエンス
- 徳川夢声の八・一五日記
- それぞれの八・一五日記
- 「玉音体験」の大衆化
- 「戦前の弔辞」か、「戦後の祝詞」か
- 天皇と日和見
- 3.お盆ラジオの持続低音―甲子園野球と「戦没英霊盂蘭盆会法要」
- お盆の政治学
- 甲子園は夏のニュース製造機
- 「魂まつり」としての甲子園野球大会
- 新民謡とラジオ体操──盆踊り番組揺籃期
- 「東京音頭」の全国化──「盂蘭盆会法要」中継確立期
- 「九段の母」のお念仏──「戦没英霊盂蘭盆会法要」期
- 4.玉音神話と「全国戦没者追悼式」
- 占領軍検閲と慰霊中継の自粛──「ラジオ・コード」期
- 「戦後の終わり」の始まり──「八・一五」編成の完成
- ポスト・ラジオ時代の国民儀礼──全国戦没者追悼式
- 「ラジオ時代」、そして「ヤルタ=ポツダム体制」の終わり
- 第3章 自明な記憶から曖昧な歴史へ―歴史教科書のメディア学
- 戦争観を問うたNHKの世論調査
- 戦争についての認識と心情のあいだ
- 1.国定教科書の混乱と検定教科書の成立
- 国定歴史教科書のイデオロギー対立
- 国定教科書の「終戦」記述
- 検定教科書での「終戦」記述を分析する
- 検定における「終戦記述」の焦点
- 「一五年戦争」から「アジア・太平洋戦争」へ
- 小学校教科書における「五五年体制」
- 「終戦記述」の変遷──小学校の場合
- アジア近隣諸国の「国定」教科書
- 「独立」なのか、「勝利」なのか──韓国の国定教科書
- 「九・三」から「八・一五」へ──中国の場合
- タイの国定教科書
- 2.「終戦」記述の再編
- 歴史における体験の優位──一九五五─一九六二年
- 3.記憶と歴史の対峙―一九六三年‐一九八一年
- 家永三郎『新日本史』と教科書裁判
- 「八・一五玉音放送」を忌避した『新日本史』
- 4.歴史家=政治化する記憶‐一九八二年以降
- 終戦記念日制定から二ヶ月間の歴史教科書問題
- 「新しい歴史教科書」の新しさとは
- 歴史教科書論争のメディア論
- 終戦記念日をめぐる保守派のジレンマ
- 現行歴史教科書の問題点
- 日本史と世界史のねじれ現象
- 記憶の歴史化
- 5.おわりにかえて―戦後世代の「終戦記念日」を!
- 「八・一五革命」論の呪縛
- 偽史を創作した丸山眞男
- 「八・一五の心理」と「九・二の論理」
- あとがき
- 巻末表
- 引用文献
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- 連合国軍側または日本政府内にお盆に戦争を終結させるシナリオがあった可能性はあるのか?というお話
関連リンク
- 八月十五日に戦争は終わったのか? - 無回転レシーブ
- 佐藤卓己『八月十五日の神話』を読む: 深夜のNews
- 大阪市立大学大学院・早瀬晋三の書評ブログ : 『八月十五日の神話-終戦記念日のメディア学』佐藤卓己(ちくま新書)
関連本
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加野瀬『創られた「日本の心」神話』買ってきて読み中。後付けで歴史が再解釈されているところに切り込むという点で『八月十五日の神話』的面白さがある本だ。いい本を勧めてくれてありがとうございます>@y_kurihara さん http://amzn.to/mDvAVi
(2011/05/06 21:31:42)link