パラレル・中編

332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 00:11:40.01 ID:RqYSnYAO
【出撃】⑤

初代赤『今回の作戦でも構成員の約3分の1がこの金のようなクローン隊員だ…上層部によるとこれはテストであるそうだ…』

《…(ふざけるな…)…ざわ…(なんの為に私は…)ざわさわ…》

初代赤『ふざけたことを…これではもはや組織と何も変わらん!だがこれだけは言っておく!例え造られたヒーローであっても金は…いや…ここにいるすべてのヒーローは全て仲間である!』

《おおおおおおぉぉおー!!》

初代赤『ありがとう諸君!…最後に…私は…この作戦を最後に…戦隊から独立しようと思う!』

《…(え…)…さわ…(…なら俺も)…ざわ…(でも…)ざわ…》

赤「…独…立…?」

初代赤『…戸惑うのも無理はない…しかし!このままでは我々はただの兵士となってしまう!…私が…諸君が志願した戦隊は平和のためにのみ組織と戦うものではなかったのか…?』

《…しーん…》

初代赤『…我々ヒーローは組織と戦うのではない!…人々の平和を脅かす悪と戦うのだ!戦隊員であるかどうかなど関係ない!人々のために戦うものすべてをヒーローと呼ぶのだ!!』

《おおおおおおぉぉおー!!》

赤「……人々の為の…ヒーロー…」

《初代!!初代!!初代!!初代!!……》

金「…ほんに相変わらず口の上手いヤツじゃ…」

初代赤「…それは褒め言葉と受け取っておこう…それより久しぶりの再会だ…後で『お断りじゃ』

金「…先約がおるのでな…そっちも相変わらずか…女とみれば手当たり次第…のぅ?」

初代赤「…先約をとったやつがうらやましいな…だいたいお前がいつまでも俺の気持ちに答えてく『わらわはもう行く』

金「…口説きより…皆に応えてやるのが先ではないかえ?…ではのぅ…ほほほ」とことこ…

初代赤「……まったく…あんな姿でも…金は金だな…さて…」

333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 00:18:59.49 ID:RqYSnYAO
【出撃】⑥

初代赤『ありがとう!ありがとう諸君!!…次に作戦の説明に移る………』

金「…待たせたのぅ…赤?」

赤「いえ…金先輩こそあんなとこに…」

金「…ほほほ…見世物のことかえ?…そんなことは気にしておらん…お主は優しいのぅ…」

赤「…そんなことは…」

金「…謙遜は時に嫌みじゃ…素直に受け取るのじゃ!馬鹿者が!」

赤「…は、はい…」

金「うむ、それでよいのじゃ!…そろそろかのぅ?」

赤「…何がです?」

初代赤『…以上だ!…各自最善を尽くせ!!繰り越すが…諸君!ふたたびここで会おう!!…全部隊…出撃ッ!!』

《おおおおおおおおぉぉおおおー!!》ドドド…

金「…これのことじゃ…おお凄いのぅ…細かな作戦は現地の駐屯地で話されるようじゃな…」

赤「………(必ず…また…)」ぎゅ…

金「ん?…そういえば…お主が握っておるそのペンダントはどうしたのじゃ?」

赤「…これですか?…お守りですよ…」

334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 00:27:06.36 ID:RqYSnYAO
【出撃】⑦
飛行機内

金「…うああ…揺れておる…揺れておるのじゃああ~…」ぶるぶる…

赤「…ちょ…金先輩…抱き着かないでくださいよ…そう簡単に落ちませんって!」

金「嫌じゃあ~!嫌じゃあ~!!」ぎゅう…

赤「……わかりましたよ…もう勝手にして下さい…」

赤「…そういえば青からもらった小箱…何が…」ごそごそ…ぱかっ

赤「薬莢…?チェーンがついてる…」チャリ…

赤「…青らしいと言うかなんというか…」

赤「…ん?なんだこの紙…」

『帰ってきたら…あの時の返事をくれ 青』

赤「……青…」

金「…うあぁあん!あ、赤!また揺れたぞ!墜ちておらんか!?のぅ!?平気か!?」

赤「…大丈夫ですよ…墜ちてませんよ…」

金「うぅ…早く!早く着くのじゃああ!!」
赤「…大切な…お守りなんですよ…」

金「…どうやら…わらわも片思いのようじゃのぅ…」ぼそっ…

赤「?…どうしたんです?」

金「…なんでもないのじゃ!それよりも…ほれ!早く行かんと遅れるぞ?」

赤「あ!…行きましょう!」タタタ…

金「うむ!出撃じゃー!!」とてて…

342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 04:06:30.45 ID:RqYSnYAO
【作戦の成功を祈る】

ざー…ぶつっ…

?『……セクター3にかなりの数の戦隊員が向かいました』

女幹部「やはり…そうですか…」

?『それと…戦隊ではクローン技術を応用した戦闘員の開発に成功しました…』

?『今回の作戦でもかなりの人数が配置されます…作戦内容はまだわかりません…』

?『…以上です。追加で情報が入り次第連絡します…通信終わります』

女幹部「ご苦労様です…」

?『いえ…皆さんを…よろしくお願いします』ぶつっ…

女幹部「……戦隊本部も思いきったことをしますね…」

男幹部「…そうですね…まさか戦隊がクローン技術とは…戦隊の戦力が組織を上回れば…は我々の計画が…」

??「…だいじょうぶなのー」

女幹部「これは首領…ほんとうに大丈夫なのでしょうか?」

首領「…せんたいいんがそんなをみとめるはずないの…」

女幹部「…内部分裂が起こるということですか?…しかしそうなると……我々にはまだ時間が…」

首領「…わかってるの…まだはやすぎるの…」

男幹部「…救援に向かったザコーズと怪人も心配ですね…上手く救出出来るでしょうか…」

首領「…いまはじっとまって…しんじるしかないの…」

女幹部「…はい」

男幹部「…わかっております…」

343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 04:09:22.33 ID:RqYSnYAO
【作戦の成功を祈る】②

選抜隊 駐屯地キャンプ 作戦本部

初代赤「うむ…報告ご苦労…」

深い色の緑「はっ!…失礼します!」てくてく…

初代赤「…ふぅ…さすがに数が多いな…やはり…」

金「…失礼するのじゃ!」パサッ…

初代赤「…来たか…かけてくれ…何か飲むか?…さすがに酒は出せんがな」がさごそ…

金「うむ…オレンジジュースを貰おうかのぅ…」ギィ…

初代赤「…よかろう…果汁100%だ…ありがたくいただけよ?」つジュース

金「…ふんッ…なにを偉そうに…」スッ…

初代赤「…ん?…いらんのか?」ひょいっ…

金「早くよこすのじゃ!…遊んでおらんとはようわらわを呼んだ理由を話すのじゃ!」ぴょんぴょん!

初代赤「…うむ…そうだな…金、お前は今の戦況をどう思う?」つジュース

金「…思わしくないのぅ…完全な消耗戦じゃ…組織はかなりの物資を持ち込んでおるようじゃ…それに対して我々は…」

初代赤「…うむ…組織の勢力下では補給すらままならん…今はまだ良いが…組織は続々と援軍を寄越している…このままでは…」

金「…仕掛けるのかえ?」ごくごく…

初代赤「…下手には仕掛けられん…セクターを制圧したところで組織がセクターごと我々を殲滅するのは目に見えている…」

金「ぷは…うまいのぅ!…で…本部はどう言ってきておるのじゃ…?」

初代赤「…本部か…胸糞悪い…このまま組織と戦闘を続けろだと…!補給も無しにそんなことが出来るものか!」

金「…他にもあるのじゃろう…?」ごくごく…

344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 04:12:55.24 ID:RqYSnYAO
【作戦の成功を祈る】③

初代赤「…………」

金「…黙っとらんで何か言うのじゃ!ほれ!はよう言え!」

初代赤「…セクター制圧作戦についても報告した…『クローン部隊を送り込めはよい…壊れたらまた造ればよいのだ』…だそうだ…ふざけたことを…!!」

金「…ふむ…我々は完全に兵器扱いか…」

初代赤「…そんなことはできんッ!そもそも組織の戦闘員が報告より多い…クローン隊員の数からしてセクター制圧など不可能だ!」

金「…まぁ…普通に考えて部隊の3分の1での制圧は難しいじゃろうな…」

初代赤「…とにかくこの作戦に関して本部からはこれ以上協力は得られん…」

金「…お主が独立じゃとか調子に乗ったからではないかのぅ?」

初代赤「…それはない…通信士は信頼の置ける者を選んだ…本部の方もな…いわば同士と言ったところだな…それにもとより我々は本部の時間稼ぎに使われた…ただの駒だ…」

金「…戦隊はどこで間違ったんじゃろうな…仲間を駒として扱うとはのぅ…」

初代赤「……そんなことは今はどうでもいい…まずはは現状の打破だ…力を貸してくれ…」

金「…うむ…しかしのぅ…まずこのまま戦闘を続けるのは不可能じゃ…いずれ我々は消耗し、セクターの制圧すらできなくなるじゃろう…そうなればここは孤立無縁の地…待っているのは…」

初代赤「…全滅か…なら隊を支援隊と決死隊にわけセクターの制圧を試みるか?」

金「…支援隊の方は生存隊ということかえ?…決死隊が全滅すればそれも叶わぬ…それにこの部隊では皆が決死隊に志願するぞ?」

初代赤「…それは頼もしいが…ならばどうする?いっそ全隊で突撃し…セクターを制圧、組織ともども全滅か?」

金「…今の状況…組織はどう見ておると思うかえ?」

初代赤「組織?…このままならば選抜隊を退けられる…か?」

金「…そうじゃ…例えセクターに侵入されようとなんとか撃退出来る数ならば組織は撃退を優先するはずじゃ…」

初代赤「それは…確かに…」

345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 04:20:58.66 ID:RqYSnYAO
【作戦の成功を祈る】④

金「組織とてセクターは渡したくないじゃろうからのぅ…そこでじゃ…隊を2つにわけ、方方が敵を引き付けている間にもう片方がセクターを制圧するのじゃ…」

初代赤「…しかしそう上手く行くか?…失敗すれば…それもまた…」

金「…制圧隊が全滅した際は残りは突撃か撤退じゃな…それができるだけの数は陽動隊に裂く…3分の2くらいかの…こちらは数を悟られんよう波状攻撃を仕掛ける…」

初代赤「…ふむ…」

金「…制圧隊は4ついや5つくらいに分けるかのぅ…目的は中枢区の制圧と物資の確保じゃ…そこを制圧出来ればなんの気兼ねもなく外の組織も叩けるじゃろう?」

初代赤「…各小隊の人数が少な過ぎじゃないか?…その人数では各個撃破されるのがオチだ…」

金「…誰がそのまま突入すると言った…波状攻撃にはまだ目的がある…小数の制圧隊には組織の雑魚の戦闘スーツを着せる…乱戦に紛れてセクターに侵入するのじゃ…何度もな…」

初代赤「…なるほど…雑魚のスーツならその辺に腐るほどあるしな…」

金「…全制圧隊がセクターに侵入したら…」

初代赤「…陽動隊は戦線を拡大し…時間稼ぎか…」

金「…うむ…短時間での制圧も考えたが恐らくは無理じゃ…制圧寸前にセクターを爆破されるじゃろう…気付かれたらおしまいじゃが…この作戦なら制圧隊が全滅しても戦闘は可能じゃろう…」

初代赤「…それで行く…制圧隊はお前に任せる…陽動は俺が引き受けた」

金「ほほほ…おいしいところをいただくのぅ…」

初代赤「…俺はレディには優しいんだ…見返りを要求する…生き残れよ?」

金「こっちの台詞じゃ…それにしても…ほほほ…こんな小さい娘にレディじゃと?…ほんにお主は……まさか…ロリコンなのかえ?」

初代赤「……お前だからだ…」

金「…くっさい台詞を吐きおって…この作戦…引き際も重要ぞ?…セクターが爆破された際…近くにおれば外の陽動隊とて無事にはすまぬ…」ギィ…

初代赤「…行くのか?…助かった、礼を言う…」

金「…まだ早いぞえ?…すべては作戦が成功してからじゃ…ではのぅ…」とことこ…

初代赤「…ああ、そうだな…気をつけろよ?」

金「…互いにのぅ……作戦の成功を祈る…」パサッ…

346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 16:55:12.57 ID:RqYSnYAO
【青の日記】

《11月13日》

 昨日、赤から異動の報告を受けた。私は突然のことに私は取り乱した。…その晩は眠れなかった…。

 朝方に食堂で手紙を見つけた。…選抜隊に参加…セクター3の奪還だそうだ。金先輩と参加するらしい。

 なぜ…赤の隣が私ではないのか…。隣にいれる金先輩がうらやましい。…わがままだとはわかっている…わかっているが…。

 赤の出発には間に合った。金先輩が気をきかせてくれたのか、赤と2人で挨拶をすることができた。金先輩に感謝する。

 …赤の馬鹿者め!…さよならなんて言おうとした…ふざけるな!赤が帰ってくる場所はここだろう!?…そう言ったら赤はここを『家』だと言ってくれた…。私は嬉しかった…ならば私はここで待とう…赤に…『お帰りなさい』を言うために…。

《11月14日》

 長くなったので翌日に繰り越した。…赤には私のお守りと…ちょっとしたメッセージを同封した小箱を送った。…あれを見てどう思うだろうか?再会が今から待ち遠しく、怖くもある…。

笑って送り出したかったが無理だった。最後の最後に泣き出してしまった。…我ながら情けない…。

 その後食堂で朝食の用意をした。…水はもう冷たい…いまさらながら赤には頭が下がる…。…ダメだ…何をするにも赤の姿がちらつく…。しかし皆にこんな姿を見せる訳にはいかない…。強がるだけだ…慣れている…。

 昨日は最悪だった…。皆赤がいなくなったことにショックを受けたようだ…。…当然だろう…私もそう…。…やり切れない想いと不安に押し潰されそうだ…。

 …今日はもう寝よう…夢の中なら赤が今ここにいないことを忘れられるかもしれない…

《11月16日》

 赤がいなくなって3日…。今日も会話は少ない…。皆、用があるとき以外は部屋から出ようとしない…。…ロビーにはいつも私1人しかいない…。

 基地から皆の笑顔が消えたようだ…。いつもふざけあっていた黄と桃…たまにいたずらする緑…怒る私…その中心にはいつも……やめようらしくない…。

 …緑も基地からいなくなった…。本部に疑問を持ったため、単身で調べるそうだ…。…私達や赤に害が及ぶなら本部を…潰すとまで…。

 …なぜだ!…緑はここが好きだと言った。…みんな大好きだと言った。気持ちは私も一緒だ!…なのに…思い出したらまた涙がでてきた…私は最近、泣いてばかりだ…。

347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 19:45:36.15 ID:RqYSnYAO
【甘ちゃん】

緑「…ダメ…」パタパタ…

緑「…ここもダメ…」パタパタ…

緑「…今の私のアクセス権ではこれが限界…」

緑「…………」ギリッ…

緑「…ハッキングは私の専門分野ではない…でも…」パタパタ…

ガチャ…

緑「…!…」くるっ

?「失礼します。…緑さん…ですね?…あなたにお話があります」

緑「…………」

選抜隊 駐屯地キャンプ

赤「なぜですか!?」ダンッ!

金「…うるさいのぅ…もう決まったことじゃ…お主は自分の任務を…『俺も行きます!!』

赤「…金先輩みたいな隊員だけが危険な任務につくなんて…!おかしいですよ!!…これは俺だけじゃなく他の隊員も同じ意見です!」

金「…クローン隊員のことを言っておるのかえ?…しかしのぅ…この編成には意味があるのじゃ…」

赤「…意味…?」

金「そうじゃ…戦隊がわらわ達を主力として使ったという事実が欲しいのじゃよ…初代赤が狙っておるのは残りの戦隊員の呼応…いやメッセージじゃな…これが今の戦隊本部である…という感じかのぅ…」

赤「…………」

348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 19:47:12.46 ID:RqYSnYAO
【甘ちゃん】②

赤「…………」

金「…口では生き残れとは言っておるが…あやつは我々の全滅も視野に入れて物事を考えておる…そうなったとき…」

赤「…置いてきた仲間になにかを残せると…?」

金「なんじゃ!?もう諦めておるのかえ?心配するでない!…この作戦は必ず成功させる…わらわとてせっかくの第二の人生…まだ終わるつもりなどこれっぽっちもないのじゃ!ほほほ…」

赤「…それでも…それでも金先輩を…仲間を…造られただけということで区別なんかしたくない!!」

金「…お主…」

赤「ここにいる限り俺達は仲間なんでしょう!?なら…」

金「…ぬかせこわっぱ!!ならば言うてやろう!お前のような甘ちゃんはかえって足手まといじゃ!!…制圧隊は例え仲間を切り捨てようと任務を果たさねばならんのじゃ!!」

赤「…!」

金「…制圧隊が失敗すればわらわ達はもとより、お主達陽動隊もいずれ力尽きる……ちっとは成長しかと思うておったが…まだまだひよっこじゃのぅ…お主には任せられん!」

赤「くっ!!」

金「…この話はこれで終いじゃ…わらわは忙しいのじゃ!…お主もはよう初代赤から自分の任務を確認するのじゃ!ほれ!はよう行け!」

赤「…はい…失礼…します…」タタタ…

金「…あやつはいつまでたっても子供のように純粋じゃな……お主のようなものを本当のヒーローと言うのかもしれん…」

金「…しかしそれもまた生き残ってこそじゃ……例え英雄的行動をとろうと死んでしまってはなんの意味もないとはよく言う言葉じゃ…」

金「…じゃが…わらわ達の死には意味がある…まったくおかしなことよのぅ……ちっ…赤の弱気が移ったようじゃ…」

金「…生き残って欲しいものよのぅ…赤も…他の後輩も…」

349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 19:49:16.25 ID:RqYSnYAO
【甘ちゃん】③

レッド「…やれやれ…まるで母親みてーじゃねーか!」てくてく…

金「…なんじゃ…お主もクローン隊員じゃたのか…盗み聞きとはいい趣味じゃのぅ…」

レッド「まぁな…しかし、あんだけ騒がれて盗み聞きもなにもねーだろ?」

金「…なら耳を塞げばよいじゃろ?」

レッド「…まったくですねぇ…いやはやすみませんね、隊長さん……しかしここに集まったのは有望な後輩ばかりじゃねーか…俺は胸にじーんときたぜ…」

金「…ふっ…あやつはわらわの1番のまな弟子じゃ…当然のことじゃな…ほほほ…」

レッド「…必ず成功させるぜ…この作戦はよ…」

金「当たり前じゃ!キリキリ働くのじゃぞ!?」

レッド「…がってん了解しましたぜ!隊長さん」

金「…ふん…軽いやつじゃのぅ…まぁよい…頼りにしておるぞ?」

レッド「…はいよ!任せてくれってんだ!…また一花咲かせられるとは…まったく俺はツイてるってもんぜ!」

金「…咲かせるなら1人で頼むのじゃ!わらわはごめんじゃぞ?ほほほ…」

レッド「…けっ…冷たいねぇ…」

金「…ほほほ…冷たくて悪かったのぅ…」とことこ…

レッド「…いやいや…俺達はそれくらい冷たいほうが調度いい…だろ?」

金「…そうじゃな…そのくらいで調度いいのじゃ…」パサッ…

レッド「…あんたも十分甘ちゃんじゃねーかと俺は思うがね……ま、やるれるだけやるさ…」

350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 22:40:51.60 ID:RqYSnYAO
【協力】

緑「…誰…?」

?「申し遅れました…私は白といいます…本部の情報部に所属しています」

緑「…なんの用…?(…情報部…何か掴めるかもしれない…)」

白「(パシッ…)…お話ですよ…宜しければご一緒にお食事でもしながら…」

緑「…ここではまずいの…?(…仲良くなるのは悪くない…でもまだ信用できない…)」

白「(パシッ…)…ええ…まぁ…あまり聞かれたくない話ですし…」

緑「…行く…(…このままではどのみち手詰まり…危険はどちらも一緒…)」

白「(パシッ)…ありがとうございます…では、行きましょう…」てくてく…

緑「…………」とことこ…

お食事処 『デニーロズ』

白「…ここなら大丈夫でしょう…なにを頼みますか?」

緑「…ミートスパゲティー…(…まずは食事…いきなり話では相手を警戒させる…)」

白「(パシッ…)…わかりました…私は…」

351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 22:42:36.92 ID:RqYSnYAO
【協力】②

…30分後

白「ふふ…おいしかったです……そろそろお話をしましょうか…」

緑「………(…きた…)」コクン

白「(パシッ…)…まず私のことですが…私は半径約2メートルの範囲の心が読めます」

緑「…!(…読める!?…そんな非科学的なこと…ありえない…)」

白「(パシッ…)…読める!?…そんな非科学的なこと…ありえない…でしょうか?」

緑「…!!(…そんな…それじゃ…)」ガタッ!

白「(パシッ…)…落ち着いて下さい…捕まえるとか本部に知らせるようなことは考えていません…そうならないようわざわざ外に連れ出したんですから…」

緑「…………(…敵ではない?…なら…なんのために私とコンタクトを…?)」スッ…

白「(パシッ…)…私は…いえ…私と私の上司…その部下数名は本部に対して不信感を持っています…あなたもそうでしょう?」

緑「…………(…確かに…私は本部に不信感を持っている…でも…白と私の目的は恐らく違う…)」

白「(パシッ…)…ええ、そうですね…しかし…こちらはあなたの欲する情報を提供できます」

緑「…どういうこと…?(…なぜ…私に協力を…?)」

白「(パシッ…)…互いに利益があると考えてです…つまり協力ですね…」

緑「…協力…(…どこまで信用できる…?)」

白(パシッ…)…信用ですか…では私の知る限りの情報を提供しましょう…まずは金さんに関してお話します…」

352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 22:44:27.68 ID:RqYSnYAO
【協力】
白「今のところは以上です…」

緑「…クローン技術…軍事増大…(…そんな…ことが…?)」

白「(パシッ…)…なぜ本部がこのような道を選んだのかは推測の域をでません…しかしこれは紛れもない事実です」

緑「…あなた達は…なにを考えてるの…?(…これはもう戦隊じゃない…私達はただの駒…?)」

白「(パシッ…)…その通りです…ですから私達は本部からの独立を考えています…もはや戦隊本部は戦隊ではありません…」

緑「…独立…(…でも…私の目的とは関係ない…私は私の居場所…大切な人達を守る…)」

白「(パシッ…)…知っています…あなたはの心の中はいつもその想いで占められていましたから…ですが…私達と無関係ではありません」

緑「…どういうこと…?(…本部が…敵であるということ…?)」

白「(パシッ…)…先ほど選抜隊の話がでましたね…?」

緑「…出た…(…赤と赤の先輩が参加している…赤…どうしてるかな…)」

白「(パシッ…)…作戦の指揮をとっているのが私の上司…初代赤です」

緑「…初代赤…(…聞いたことがある…初めての戦隊員…最近は本部で幹部として指揮をとっていたはず…それが現地で前線の指揮官…?)」

白「(パシッ…)…彼は今回の作戦が失敗しても成功しても選抜員が生き残れる確率は低いと考えていました…ですから『!』ドン!

緑「……赤を…そんな任務に…!!(…赤が…し…ぬ…?…許さない…絶対に…許さない…!)」

白「(パシッ…)落ち着いてください!!まだ話は終わりではありません!…なんのために司令が現地に行ったと思うんですか!?」

緑「…うるさい…話はこれで終わり…(…なんとか赤を……やはり遅かった?…そんなことはない…まだ…まだ赤は生きている…でもどうやって…?)」ガタッ…

白「(パシッ…)…赤さんを助けたいんでしょう!?なら私の話を聞いて下さい!!」

緑「……赤を…助ける…?(…本当に…?…彼女は信用できる…?…私を利用している…?…それでも赤を…助けられる…?)」

353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/16(日) 22:46:08.09 ID:RqYSnYAO
【協力】④

白「(パシッ…)…先に言っておきます…私達の直接介入はもはや不可能です…ですから…」
緑「…そんなことが…?(…できるの?裏切ったりしない…?…第一相手は…)」

白「(パシッ…)…信用はできます…範囲2メートルで私に真実を隠すことは不可能です…もっともこれは最後の手段です…可能な限り現状で任務を遂行しますが…」

緑「…なら…信じる…(…でも…私は何もできない…助けることも…守ることも…)」

白「(パシッ…)…それは違いますよ?」

緑「…え…?(…私になにが…?)

白「(パシッ…)…帰ってきた赤さんや他の隊員の居場所を作ることができます…独立した先で…ね?」

緑「…私はまだ協力もするとも…独立するとも…言ってない…(…居場所…)」

白「(パシッ…)…ここまで腹を割って話したんです…協力してくれるんでしょう…?」

緑「………(…汚いやり方…)」

白「(パシッ…)…こちらも必死なんですよ……本部に私1人だけでは何かと不自由なんです…」

緑「……仕方ない…(…やむを得ない…罠にハマったみたいで気に入らないけど…)」

白「(パシッ…)…それは申し訳ありませんでした…では緑さん、これからよろしくお願いしますね?」

緑「…緑でいい…こちらこそ…よろしく…(…腹黒い…白…)」

白「(パシッ…)!?…わ、私は腹黒くなんかないです!…こんなことだって仕方なくです!」

緑「…そう…(…でも腹黒い…)」ガタッ…

白「(パシッ…)…だから違います!しつこいですよ!?…あ!…ちょ、ちょっと待ってください!」ガタッ…

緑「…………」とことこ…

白「み、緑さん!…待ってください!お会計がまだ…!」バタバタ…

緑「…ごちそうさま…」とことこ…

白「…そんな…せめてお店の外で待っていてくださいね!?お願いしますよ!?」

緑「…考えとく…(…赤やみんなの…居場所…絶対に…)」とことこ…

白「…お願いしますからね!?」チャリチャリ…

357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/17(月) 01:05:15.61 ID:IPKlEYAO
【裏方】

ざー…ブツッ…

????『…はっ!こちらセクター3…悪の将軍です!』

???「セクター3の状況はどうだ?」

悪の将軍『現在膠着状態です』

???「…ふん…選抜隊は必ず潰せ…1人としてのがすな…」

悪の将軍『わかっております。現在の状況ならば…』

???「現状に満足するな。有利だからこそ全力を尽くすのだ。…例の装置はどうだ?」

悪の将軍『…はっ!…予想以上です。戦隊員の3分の1の行動が手にとるように…』

???「そうか…ふふふ…戦闘データの採取を忘れるなよ?」

悪の将軍『…はっ!了解しております!』

???「…以上で通信を終わる…」

悪の将軍『はっ!失礼します!』…ブツッ…

???「…あと少し…あと少しだ…ふはは…ふははははは!!」

358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/17(月) 01:06:30.92 ID:IPKlEYAO
【裏方】②

セクター3 近郊

ザザザ…

雑魚1「…おーぅ…ついに着いたぜ…なぁ兄弟!」

雑魚2「おうよ!!なんとか間に合ったぜ!」

怪人「気を抜くな…これからが本番だ…」

雑魚1「わかってるんだぜ!…さーてお仕事!お仕事!…なんだぜ!」

雑魚2「おう!…まずは連絡と作戦の概要の説明だぜ?…セクター3にはどれくらい仲間がいる…?」

怪人「…ちょっとまて……32人だな。内5人が怪人タイプだ…幹部クラスも1人…あとは…」がさがさ…

雑魚2「…戦隊次第か…」

怪人「…そういうことだな…どっちにしろ裏方仕事だ…どうなることやら…」

雑魚1「まぁ…なるようにしかならないんだぜ!」

怪人「…お前は気楽でよいなぁ…まったく…重要な任務だぞ?これは?」

雑魚2「そこがイイんだぜ!…いつまでもしゃべってらんないぜ…?」

雑魚1「だな…それじゃあ…」

雑魚1&2「「行くぜぇえ!!」」ダダダ…

怪人「お、おい!待て!待つのだ!…置いてかないでー!!」ダダダ…

359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/17(月) 01:07:47.78 ID:IPKlEYAO
【裏方】③

戦隊本部 緑自室

白「…クローン隊員はセクター4、5で製造されています…ここの研究所には研究者しか入れません…」

緑「…うん…」

白「我々の仲間は主に最前線に配置されています…研究者はもちろん1人もいません…そこで緑さんに行ってもらいたいのです…」

緑「…私はまだ本部での経験が浅い…申請しても…」

白「…それは大丈夫です。セクター1の幹部である青影さんからの推薦で短期間の研修生…という建前をこちらで用意します」

緑「…私の担当地区はセクター11…セクター1からはかなり遠い…そこは…?」

白「…私がごまかします…青影さんの視察経歴を書き換えます…恐らくそう深い追及はないと思いますが…」

緑「…本部から調べても危険はある…第一ここではたいした情報は得られない…」

白「…すみません…こんな危険な諜報活動を…」

緑「…あなた達の為じゃない…それに…赤も…選抜隊のみんなも命掛けで戦ってる…」

白「…ありがとうございます…」

360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/17(月) 01:09:04.20 ID:IPKlEYAO
【裏方】④

緑「…お礼なんていらない…私は自分の目的のために行動する…それだけ……通信手段は…?」

白「…そうですね…私達は友達…ですよね?」

緑「…違う…」

白「…う……と、友達なら一緒にショッピングやランチなんか行きますよね?」

緑「…直接会うということ?…回りくどい…」

白「…私はほんとに緑さんと友達になりたいと思ってますよ?」

緑「…私は思わない…あなたはただの協力者…それだけ…」

白「…………」

緑「…そちらの準備ができたら言って…」

白「…はい…」てくてく…

緑「…………」パタパタ…

白「…また…」ガチャ…

緑「…………」パタパ…ピタッ

緑「…変な娘…まぁいい…私は私の役目を果たす…それだけ…」パタパタ…

361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/17(月) 02:13:05.12 ID:IPKlEYAO
【仕事】

戦隊基地 ロビー

黄「…緑まで…?」

青「…うむ…単身本部へ向かった…」

桃「格好つけてんじゃないわよ!あのお馬鹿…ひとりで何ができるってのよ!」

黄「…僕達は…このままでいいのかな…?」

桃「…どういうことよ?」

黄「…赤も緑も…金ちゃんも命掛けで行動してるんだよ!?…なのに僕達は…」

青「…………」

桃「じゃあなにをしろってのよ?あたし達には緑みたいな専門知識はないし、赤のいるセクター3は現在立入禁止…何ができるってのよ!」

黄「…それは…だけどこのままじゃ…みんな…ぐす…いなくな……ひっく…うわああん!」

桃「ちょっと…!何泣き出してんのよ!?ああもう!!ほら!泣き止みなさいよ!」なでなで…

青「…私達にも役目が…しなければならないことがある…」

黄「ひっく…うぇ?…っぐす…」

桃「…何が出来るのよ…この状況で…」なでなで…

青「…我々の存在意義は…人々の生活を守ることだ…」

桃「そんなの当たり前じゃない!それがいったいなんなのよ!?」

黄「…ぐす…」ごしごし…

青「…当たり前のことを当たり前にすることが重要なんだ…赤と金先輩は大きな脅威に立ち向かっている…緑は見えない脅威に立ち向かっている…なら我々は…」

青「…人々を脅かす小さな脅威に立ち向かうべきだ!…それが…この基地の本来の目的…そして今の私達にできることであり、するべきことのすべてだ…」

桃「…そんなこと言ったって…組織の連中だってセクター3に集まってて…襲撃頻度だってそう高くないわ!…結局待機よ…」

青「…だからといって部屋に閉じこもりっぱなしか?」

桃&黄「「…!!」」

青「…私だって悲しいし…悔しい…赤や緑がいなくなった日は泣いた…だがな…ずっと悲しんでいる訳にはいかないんだ!ただでさえ各基地の戦隊員の数は少なくなったんだぞ!?」

青「組織はすぐに盛り返す…すぐにだ!それを…私達がここを守らなかったら誰があいつらの帰る場所を守ると言うんだ…っく…」

362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/17(月) 02:17:20.89 ID:IPKlEYAO
【仕事】②

黄「…青…」

桃「…あんた…」

青「…ぐす…私は部屋に戻る…っく…よく…考えろ…ひっく…」てくてく…

黄「………」

桃「…今日からトレーニングね…一から鍛え直しよ…赤や緑の分まであたし達がやんなきゃいけないんだもの…」

黄「…うん…きっと帰ってくるよね…みんな…」

桃「当たり前じゃない!でなかったらあたしが地獄から引っ張ってきてやるんだから!」

黄「うん!桃…頼りにしてるよ?」

桃「ふん!あんたなんかにはまだまだ任せらんないわよ!…それにしても…後で青に謝らないといけないわね…」

黄「…そうだね…僕自分のことしか考えてなかったよ…」

桃「…だからあんたは子供なのよ!」

黄「桃だってそうだったじゃないか!!」

桃「…あら?…なんのことかしら?いやねぇ…あたしにそんな覚えはないわよぉ?」

黄「あ!とぼけてる!桃ー!」バッ!

桃「きゃあ!…ここはトレーニングルームじゃないわよ!?」さっ!

黄「ならトレーニングルームで勝負!」

桃「…いいわ…乗ったげる!後で吠え面かくんじゃないわよ!?」

黄「それ…そのまま桃にかえすよ!じゃあ行くよ?」タタタ…

桃「…望むところよ!」タタタ…

青自室

青「………ぐす…」ごしごし…

青「…はぁ…私もまだまだだ…あんなところで…情けない…」

青「…赤…緑…私達はこれでいいんだろうか?…私達に出来ることは他にもあるだろうか?……いや…これが残された私達は…この基地を街を…2人…いや…3人の帰ってくる場所を守ることが…仕事だ…」

青「……そうだろう?…赤」

367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/17(月) 18:55:54.18 ID:IPKlEYAO
【また会おう】

セクター4 司令部

緑『…失礼します…』

???「入れ」

ガチャ…

緑「…今日からここで研修生として学ばせていただきます…緑です…」

初代青「私が司令の初代青だ…ふむ…存分に学びたまえ…ここはつねにに優秀な頭脳を求めている」

緑「…はい…」

初代青「…うむ…以上だ…詳しいことは担当官に聞け 」つかつか…

緑「…はい…」

担当官「施設の説明を致します…私のたとをついて来てください…」

緑「…………」コクン

戦隊本部 情報部

ざー…ブツッ…

初代赤『繋がったか…?』

白「…はい。聞こえます…そちらは…?」

初代赤『うむ…大丈夫のようだ…白…本部は変わりないか?』

白「本部では特に動きはありません…それと…」

初代赤『…なんだ?』

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最終更新:2009年03月02日 20:46
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