無題22


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988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[エンディングまで感想レスちょっと待っててね]:2008/01/21(月) 21:12:25.65 ID:3OuvfmAo
あなたは永く物語を紡いできた。
終わりの無い物語を紡いできた。
そして、素晴らしい友人達に出会えた。
もう良いでしょう。

さぁ、目覚めなさい。



「ハッ!・・・ドリームか。・・・なんてな。」
ヤニで汚れた天井、グラビアアイドルのポスターの貼り付けられた壁、漫画・小説が散らばった床。
何処に出しても恥ずかしくない典型的な一人暮らしの部屋に男が一人、永く閉じられていた目蓋を開けた。
冬の刺さるような寒さに億劫になりつつも意を決して、布団から飛び出す。
洗面台のこれまた刺さるような冷たさの冷水で顔を洗い、少しずつ本来の自分を思い出していく。
「もう三十近い歳だってのになんて夢を見てるんだ、俺は。」
独り言を漏らす。男は先刻まで見ていた夢を思い出し、苦笑する。
苦笑はすれど、男はその夢を嫌ってはいないようだった。
寝癖を直し、歯を磨き、スーツに着替え、ブリーフケースの書類を確認する。
身支度を整えた男は、最後に鏡の前でネクタイの歪みをチェックした後、玄関に向かった。
そろそろ交換しなければならない程に磨り減った皮靴を履き、男は現実社会への扉を開いた。
「さて、今日も馬車馬の如く働きますか。」
989 :988の続き2008/01/21(月) 21:14:12.38 ID:3OuvfmAo
朝礼前にデスクで朝食を摂るのが男の日課のようだ。
駅の売店で買ったタマゴサンドを頬張る男にコーヒーが差し出される。
女「おはようございます先輩。コーヒーいかがですか?」
男「おはよう。頂戴するよ。・・・ん、上達したね。」
女「ふふ、有難うございます。でもまだまだ先輩の淹れるコーヒーには遠く及びませんよ。」
男「いいかい、コツは残業を繰り返すことだよ。」
女「美味しいコーヒーは好きですけど、残業は嫌いです。」
男「はは、その時は俺が気付けに美味しいコーヒーを淹れてあげるよ。」
入社一年目の女の子と談話している内に上司の大声とともに朝礼が始まった。
彼女は社員の中で最も真面目で業績も優秀で、男は、彼女は間違いなく出世するだろうな、と予感していた。



男はいつも昼食は二時を過ぎた頃に一人でとることに決めている。
なぜなら、社内食堂で働く友人と話をするのが男の数多くの日課の一つだからだ。
昼の休憩時間に行ったのでは込み合っていてまともに会話が出来ないのだ。
男「ちわ。」
女「おお!いらっしゃい!そろそろ来る頃だと思ってたよ!」
男「今日も無駄に元気だな。いいことだ。」
女「お兄さん、今日もカレーでいいよね?今日のは特においしいよ!」
男「またカレーか。たまには違うのが食べたいんだが。」
女「仕方ないじゃん!カレー作り過ぎちゃったんだもん!おまけにカレーコロッケ付けたげるからさ!」
男「ま、いいか。ところで今日のプログラムなんだけどさ・・・」
彼女は男が通うフィットネスクラブのトレーナーも兼業している。
男にとって彼女は何でも気兼ね無く相談できる良き友人であったが、極度のカレー中毒であることが唯一の難点だった。



定時も過ぎて、いよいよ楽しい残業の始まりに男は落胆した。
しかし、そういつまでも落ち込んでいる訳にも行かないので、栄養剤でも買って喝を入れることにする。
会社を出て三分程歩いた辺りにある薬局が男の行きつけであった。
男「すいません、これください。」
女「・・・二千円。」
男「あれ?高くない?値札に二百円て書いてたよ。」
女「・・・二千円のこの薬の方が良く効く。」
男「あの、俺この二百円の方が欲しいんだけど。」
女「・・・駄目。・・・こっちの薬試してアンケートに答えて。」
男「・・・いい加減、俺で効果試すのやめない?」
彼女にとって、常連のこの男は良い被験体だった。
十分ほど問答を繰り返した後、千四百円で実験を行うこととなった。
990 :989の続き2008/01/21(月) 21:15:17.16 ID:3OuvfmAo
一日のノルマがやっと終わり、帰り支度をしていると男の携帯電話が鳴った。
どうやら、男の姪からのメールのようだ。
案の定、VIP臭漂う清々しい内容だったので抗議の電話を。
男「もしもし?今日は一体何のスレだ?」
女「あれ?バレてる?」
男「やっぱりか。叔父相手にするなよ、そんなの。」
女「やだよ。おじさんだったら面白い返信くれるし。」
男「おじさん言うな。それにvipperだったら彼氏でやるべきだろ。」
女「・・・別れた。慰めて。・・・ぅぐ・・・」
男「(・・・またかよ・・・)全く、お前を振るなんて馬鹿な男だな!」
彼女は恋人と別れるたび男に慰めてもらう。今回で通算十回目の大台突入である。
男にとって彼女は妹のような存在だった。彼女にとっても男は兄のような存在だった。



エレベーターを待っていると、男は聴きなれた声で呼び止められた。
声の主は男の勤める会社の代表の娘であり、会長の孫であった。
何故そのようなお嬢様と平凡なこの男が顔見知りなのだろうか。
男はふとしたきっかけでこのお嬢様の秘密を知ることとなったからだ。
男「こんばんわ、お嬢様。お父様とお話でしたか?」
女「はい。先週の夜遊びが見つかってしまいまして。」
男「え!?じゃあ、もしかして男装もバレたんですか!?」
女「いえ、男装はまだ見破られてない筈です。見破ったのはあなただけですよ。」
男「そうですか。でも、もう夜遊びは止めた方がいいですよ。」
女「嫌です。今日だってこれから遊びに行こうと思って・・・ほら!男装セット!」
男「全く。・・・いつか痛い目見ますよ。」
彼女は男に見張りを頼んで、着替えのためトイレに向かった。
再び現れた彼女は、金髪のカツラを被り、今時のDQNらしい格好をしていた。・・・パネェ。



男は晩飯も兼ねて行きつけの居酒屋で酒を楽しむことにした。
店内には見知った顔が多くいた。
男は彼らに軽く挨拶をし、カウンターへ着くと生ビールとネギマを三本注文した。
一団から抜け出した女性が男の隣へ座る。彼女も男と同じものを注文した。
女「どーもー、今日もお疲れのようですねぇ。あはははは!」
男「あはは、完全に出来上がってますね。」
女「いやー、先日はありがとうございましたぁ。あはははは!」
男「いえいえ、同じ業界ですから何でも聞いてください。あ、社外秘は駄目ですよ?」
女「あはは、聞きませんよ、そんなの!今私が興味あるのは、あ・な・た・だ・け。あはははははははははは!」
男「うわぁ・・・」
三十分後、彼女は笑い疲れて眠ってしまった。
その後、男は彼女の同僚達とも談笑し楽しい一時を過ごした。
彼らは男のライバル会社の社員ではあるのだが、居酒屋では同じ業界で働く仲間という認識であった。
ちなみに彼らの社長はまだ年端もいかない幼女だそうな。
991 :990の続き[強引なオチですまんかった]:2008/01/21(月) 21:17:19.49 ID:3OuvfmAo
男が自宅に辿り着いたのは正午を過ぎた辺り。
たっぷり働いて、たっぷり飲んだ男は崩れるようにベッドへと倒れこんだ。
そして、男は眠りへと落ちてゆく。落ちてゆく。落ちてゆく。



あなたは永く物語を紡いできた。
終わりの無い物語を紡いできた。
そして、素晴らしい友人達に出会えた。
もう良いでしょう。
「いや、良くない。俺はまだあの世界で遣り残したことがある。」
まだ物語を続けようというのか。
「ああ、まだアイツに伝えなきゃいけないことがあるんだ。」
何故あの世界に拘る?
「あんたこそ、何故俺をあの世界から遠ざける?」
幻想だからだ。
「幻想?違うな。あんたさっき自分で言っただろう。物語、ってな。」
だからどうだというのだ。
「・・・赤は俺じゃない。赤は物語の主人公、俺は物語の書き手、ってところだな。」
なるほど。物語の書き手たるあなたが夢を見なければ、物語の主人公たる赤が動けない、ということか。
「そういうことだ。」
では、その物語はあとどれだけ紡げば完成されるのか?
「あと一言アイツに伝えればそれで完結する。それを言うタイミングが難しいかもしれんがな。」
      • いいでしょう。幻想、いや、物語の続き、しかと紡ぐが良い。



赤「ハッ!・・・ドリームか。・・・あれ?どんなドリームだったっけ?
  そうだ、アイツに言わなきゃいけないことがあったんだ。
  あれ?アイツ?言わなきゃいけないこと?何だっけ?
  会ったら思い出せるかな・・・」



そして、あなたは物語を紡ぐ。
その物語の最後はいつになるのか。
それはあなた次第になるのだろう。

これはあなたの物語なのだから。
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