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293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/02/20(水) 00:23:05.86 ID:h1WviXA0
カチャカチャと音がする
何か硬いものが触れ合っている音だ、合間に水音が混じっている
誰かが洗い物をしているのだろうか
ふっ、と瞼を開ければ白い天井が見えた
ずきり、眼の奥が痛む
反射的に瞼を閉じるが、じくじくと鈍く刺されるような痛みがそれに続いた
体の調子はひどく悪いようだ
手や足は気怠く、何か重たい物が巻き付いているような感触がある
体そのものもまるで深い沼にゆっくりと沈み込んでいく、そんな調子である
カチャカチャと音はまだ続いている
いったい何が、と首を巡らせようとするが再び強い痛みに襲われる
「………!」
声にならない呻きがもれる
歯を食いしばり耐えていると、ふと物音が止んでいることに気付いた
「……気がついた?」
心配そうに、気遣う声が聞こえる
何か返事を、と思うが痛みに遮られる
その様子を、魘されていると見たのか身を震わせる様子が伝わってくる
「…すまない。私のせいで…」
そう発せられた声の調子は重く、何か堪えがたいものを我慢しているようだ
引き摺られるように、部屋の雰囲気も暗く重く変化していく
「…ぅ…ぁぁ」
その普段とかけ離れた様子がつらく、わずかでも、と声を絞り出す
「…赤?…気がついたのか?」
そのことに気付いたのか暗い雰囲気はわずかに揺らぎ、縋るような声が聞こえてくる
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/02/20(水) 00:23:11.57 ID:h1WviXA0
あたかも捨てられた幼子が、母親にやっと出会えたような
甘えようとして、それでいて拒絶を恐れて言い出せぬようなそんな声だ
返事をしようとしたが咳き込んでしまった
「赤!」
嫌なものでも感じ取ったのか、慌てて此方に近寄ってくる
咳が止まないことに如何対処すればいいのか、とおろおろする様は
普段とは真逆で、こんな状況であるのに年相応でかわいらしいなと思ってしまった
それでも、起き上がろうとする素振りをみて察してくれたのか
抱きかかえるようにして、少しだけではあるが体を起こしてくれた
酷くなっていた咳も、体を起こし、背中をさすってもらったこと
そして、人のぬくもりに触れたことで徐々に落ち着き始めた
「…落ち着いたか?」
咳は止まったものの、いまだに呼吸が荒いのを慮ってか体勢を変えることなく訊ねてくる
何とかうなずくことでそれに返す
「そうか…なにか、暖かいものでも飲むか?」
それにも首肯し返すと、体に障らぬようにゆっくりと体を横たわらせた
そして、どうやら先ほどはがれたらしい布団をかけ直してくれた
「少し待っていてくれ、すぐに持って来る。」
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/02/20(水) 00:26:40.30 ID:h1WviXA0
一応赤と青で書いたつもり
訳がわからなかったり、中途半端でも気にしない方向で
久しぶりに書いたら意味わかめ