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899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/01/18(金) 01:36:50.12 ID:FKuZM3A0
体が熱い、正確には、左胸が熱かった
左胸は痛いくらい熱いのに、何故か他の部分は冷たい、というか感覚がなかった
あまりにも左胸が痛いので左胸を触ってみた、濡れていた
触った手を自分の顔の前にかざした、赤かった
漠然と死にたくないと思った
今日は晩に見たいTV番組があったし、ネットゲームでも友達と遊ぶ約束をしていた
明日は休日だから、家族にイタリアンを作ってあげようと思っていた
家族で私以外にイタリアンを作らないから
私が死んだら残ったままのパスタとオリーブオイルが勿体無い
とりあえず家に帰ろうと思った、一歩目、いけた、二歩目、いける、三歩目
普通に歩ける、このまま家に帰ろうと思った
左足を前に出そうと思ったら左足がなくなっていた、バランスを崩して仰向けになる
左足がなくなっちゃったから家に帰れないなぁ、そんな事を思っていると
青い髪の人が私を上から覗き込んでいた、口を動かしている、何か喋っているようだが
なんでか私には何を喋っているのかまったく聞こえない
そのまま青髪の人はどこかへ行ってしまった
するとまた、別の人が私の顔を覗き込んできた
底なし沼を連想させるような深い緑色の髪の毛、生気がないくらい白い肌
そして髪の毛の緑よりももっと深い緑色の目
その人は私に何かを問いかけた、しかし私の聴力が弱くなっていることを察すると
耳元にまで顔をよせてこう言った
「そのまま死ぬか、それとも木偶人形になって生きたい?
木偶人形になってでも生きたいのなら何か意思表示をして」
よくわからなかったが、とりあえず死ぬ気はなかったので、頷いておいた
助けてもらえるのかなぁ、と思うと急に眠くなった
意識を失う寸前に、緑色の人が笑っていたような気がした
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/01/18(金) 01:37:29.93 ID:FKuZM3A0
桃「はっ!?ドリームか!」
ずいぶんと懐かしい夢を見た、初めて青と緑に会った時の記憶だ
左胸を触ってみる、傷どころか、跡すら完全になくなっている
左足も触ってみる、千切れたところがもうわからないくらいになっている
あの時は考えれなかったが、心臓を打ち抜かれたのになんで私は生きていたんだろう
緑に聞いたら[いちようあなたもヒーローだったし・・・]と言われた
その後、どうやって心臓が治ったの?なんで足が治ってるの?と聞いたが
返事は同じものだった、緑がどうやって治したのかはいまだにわからない
一番驚いたのは、私がベッドで昏睡している間に、勝手に私の葬式がされていた事だった
青いわく、[君を殺そうとした奴は未だに捕まえていない、君が家にいたら
今度は君の家族まで被害にあってしまうかもしれない]だ、そうだ
何も私の葬式までして名義上殺さなくてもいいじゃない?と言ったら
[死んでると思わせておかないと、また殺しにかかられるかもしれないぞ?]
と言われた、言ってる事は正しいのだが当時は納得ができなかったのを覚えている
まぁ、なんだかんだで今は楽しいし、よくわからないけど職ももらえたし
家族に会えない以外は充実した日々を送れていると思う
赤「これって、ヒーローというより巻き込まれた一般人Aだよな」
桃「うっ!け、けど心臓とか足とか治ってるからヒーローっぽくない?」
赤「ただ緑がすごいだけだろ・・・」
桃「ぐっ!けど!なにもない赤よりはましでしょ!?」
赤「ぶっちゃけ・・・俺は女の子の中に男一人ってだけで
勝手に中二病覚醒させてもらってヒーローになれるし・・・
桃「ぶっちゃけた!?」