桃7

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897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/01/18(金) 01:16:09.26 ID:q4cSozo0 ある春の日のこと、寒かった風も温かくなって、 ぽかぽかとした日差しに眠気を誘われていた日のこと 今時の子供は、やはり刺激のあるものが好みなのか 休日の昼間だというのに、動物園の中は人もまばらで盛況とは言いがたい 子供を連れた親たちが何組か見えるが、若者だけでとなると殆どいない のどかと言えば聞こえがいいが、物寂しさを感じさせる雰囲気でもある 赤「…暇だ。」 桃「私に言われてもねぇ。…まぁ、動物たちが逃げ出したらパニックになるからって事で   来てるんだから、むしろラッキー、とでも思いなさいよ。」 彼がけだるげに呟いた言葉に、溜息とも苦笑ともつかぬ口調で返す ラッキーとでも、などと言ったが、私だって暇でしょうがないことには変わりないのだ 赤「そう言ってもな…やっぱり繁華街とか娯楽施設とかそういう所の方がよかったなぁ。」 桃「なら今から行ってみる?ここは私が見とくから。」 欠伸を堪えて話す彼にそう提案すると、めんどい、とだけ返ってきた 面倒臭いということだろう。正義のヒーローとしてはどうかと思うが、否定する気も無い 私だって似たようなものだし、それに、何よりもせっかく二人きりになったというのに 好きこのんでその時間を減らすつもりも無い 桃「とは、言ってもねぇ…」 如何したものかしら?と言葉に出すことなく続ける 彼の方を見れば、順調に舟をこぎ始めているし… まぁ、普段こき使われているから疲れも溜まってるんでしょうから 少しでも休ませてあげたいんだけどねぇ… 桃「赤、赤!」 赤「ん?どうした、何か起きたのか?」 桃「違うわよ、それより任務中に寝ないの。」 赤「えぇ~、昨日殆ど寝てないんだよ、これ以上起きてたら死んじゃうって。」 そう言って、なんとしても寝ようとする彼を起こし続けていると、ついに諦めたらしい 赤「よし、わかった。桃、俺に膝枕してくれ。それで万事解決だ。」 …前言撤回、ぜんぜん諦めてなかった 桃「…えっと、意味がよく解らないし、聞き間違いかもしれないから、   もう一度言ってくれる?誰が、何をするって?」 赤「俺は桃の膝枕で寝たい。だから膝枕をしてくれ。」 言い切られた、それに話が通じてない、しかも眼がマジだ 桃「…はぁ、わかったわよ、これでいい?」 ベンチの端によって膝を揃えると、「ん。」とだけ言ってそのまま倒れこんできた 桃「いつもこれぐらい積極的ならねぇ。」 すぐに寝息を立て始めた彼の髪を梳きながら、見当違いの愚痴をこぼす 本来気にするべき任務については、頭のどこか片隅へ そういえば、お弁当持って来たんだけど如何しようかしらと、のんびり考えている そんなある任務の日のこと、春の日差しが暖かった日のこと

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