”永遠”なんてないのかも・・・・・・・


永遠なんてないのかもしれない。
そぅ。ないのかも。
永遠なんて、単なる人の願いだ・・・。

そんなこと思うようになってもぅ、5年・・・。
月日が経つのは、早いとしみじみ感じる。
そんな5年の内に私は何が変わったのだろう・・・・?
私を取り巻く環境も、私の考えも何ひとつ変わってない。
変わったと言えば、私の友達と呼べる人たちは幸せを掴んでいく。
そぅ、”結婚”。私にはきっと一生来ないだろう。
だって、その大切なチャンスを逃してしまったから・・・。

          +++

もし、あの時私がもっと大人で、ちゃんと考えることができたら・・・・・?
あの時、私はまだ若かった。
だから、周りの子みたいに彼と手を繋いで公園とか行きたかった。
でも、そんなこと決して云えなかった。
ベットに寝たきりの彼を見つめるしかなかった。
彼の病気は最初、ただの自律神経の乱れだと思っていたから、精神科にいって薬もらってきてそれで大丈夫と思ってた。
でも、彼の機嫌は一向に治らなくて・・・・・・。
どんどんストレスたまっていくのが見ててわかるくらい。
だから、病院につれてったら、入院した方が良いって。
その日の内に、病院に移った。
学校にも、連絡がいってほぼ全校生徒が知ってる。
私の友達は、私を哀れむような目で見る。
私には、それが嫌でたまらなかった。
彼の担当医は、私に彼の病名を教えてくれなかったから、私はいまだに彼が一体どんな病気だったのか知らない・・・。
でも、1つわかることがある。
ストレス・・・・・・
それが、彼を苦しめていたってこと。
彼は優しいから、後輩や先輩、同学年の人から慕われて、いろんな相談受けて・・・・・。
それだけじゃないけど、彼の心はどんどん病んでいったんだとおもう。
入院しても、彼はよくならなくて。。。
私はできる全てのことをした。
      • 彼が好きだったから・・・・。---

          +++

彼は寝たきりで、うごこうとしない。
彼の顔はだんだん、疲れたようになって、最後には無表情になった。
私は、そんな彼を見てるのが辛くて、毎日のよぅに通ってた病院もあんまり行かなくなった・・・。
それで、私は友達と遊んで・・・。
今、思えば、なんでそんな自分のことばっかり考えてたんだろう?って思う。
でも、そのときはもぅ、こうするしかないって思ったんだね・・・・・。
友達の誘いで、他の人と付き合いはじめた。
でも、なんか違うって思ってた。
だけど、もぅ後戻りできなくて・・・。
彼に合わせる顔ないから、看護士さんに『これ、彼に渡しといてください。』って。
それで、別れた。これで終わりって。
卑怯だよ・・・・・。
そぅ、思ってたけど、これしかなかった・・・。
友達はそれで良いっていうけど、なんか大切なものが抜けてる気がしてた。
彼は、あの手紙読んだのかなぁ?
そのあと、どうしたんだろぅ?
そのあとのことは、知らない。
週明けに、集会があった。
そのとき、初めて彼が死んだってきいて・・・。
もしかしたら、私のせいかも・・・・・・。
怖くなって、私逃げたの・・・。
私が、手紙を持っていったのが金曜日の午後5時ごろ。
彼が、息を引き取ったのが金曜日の午後11時ごろ。
自分で命つなげてた酸素チューブみたいなの取って静かに息を引き取ったって・・・。
友達にも言ったら、そこまでする分けないから安心しろって。
でも、私には身に覚えがある。
彼が言ってくれた最高のことば・・・。
「俺は、お前のためならどんなことでも、乗り越えられる。命だって捧げる。いつか、俺が大人になったら結婚しよぅ。」

          +++

なんで、わたしは彼にあんなひどいことできたんだろぅ?
あんなに、想ってくれてたし、あんなに想えた。たった一人の人を・・・・。
きっと、私はもぅ、人を愛せない。
彼ほど、私を想ってくれる人ももぅいないし、彼ほど私が愛せる人も。いない。
だから、私は、彼との思い出で生きていく。そぅ、決めたの。
もぅ、卑怯なこともしないし結婚もしない。
もしどこかに彼がいるなら、伝えたい。
『ごめんなさい。それから、私、やっぱり貴方じゃないとダメみたい・・・・・。』
許して欲しいなんておもわない。むしろ、叱って欲しい。
あんなにひどいことした私を。
でも、1つだけ嬉しいことがある。
      • 私は、彼が愛した最期のひと。彼は、私が愛する最後のひと。---
そして、彼と交わした最後の言葉は・・・・・・。
「なぁ、永遠って何だと思う?」
『う~ん、永遠はきっと今だょ。』
「今かぁ。。。」
『そぅ。永遠は、今。』
<貴方がいない今。私には、永遠がみえない・・・・・。
                永遠なんてないのかもね。>

                                        +++end+++


Winter ~贈り物~


『あ・・・・。雪。』
「ほんとだ。初雪だな。」
『うん。すっごいキレイ・・・。』
「初雪を一緒に見れたらそのカップルは結ばれる。って知ってる?」
『素敵な話・・・。』
「寒くないか?」
そぅ云い彼女の手を握りその手をコートのポケットにいれる。
そぅして寄り添いながら歩くカップルがやけに多いこの日。
街には、少し早いが、クリスマスの飾りつけと音楽。
雪を見てはしゃぐ子供達。
路のわきに1つ妙に地味な建物があった。
外見は真っ白。窓は無く。扉もどこか重い感じ・・・。
看板には”WINTER”とだけ書かれている。
周りがクリスマスカラーなだけに少し浮いてみえる。
いつも、あんなところに建物があっただろうか・・・?
何時見ても、誰も入っていく様子は無くだたそこに寂しくたたずんでいる。
ある日1人の女性が中に入っていった。
まるで、すいこまれるように・・・。
自分も、入ってみる事にした。

   ∞

そこは、ただ真っ白な壁が続いている殺風景なただっぴろい部屋だった。
絵も無ければ、音楽も無い。
ここは、本当に店なのだろうか?
と思うほど静かで、何も無い・・・。
しばらく、立っていると部屋の奥から誰かが歩いてくるのがわかった。
少し、身構え様子をうかがっているとやっと姿を確認できるほどまできた。
息を飲んだ。
こんなに美しい女性は見たことが無い。
色白で、髪は日本人らしく真っ黒。
まるで、人形のように美しいその人は静かにそして、清楚にこう言った。
「いらっしゃいませ」
ここで僕はようやく、安心した。
ここは、間違いなく店なんだ・・・と。
ところで、ここは何の店なんだろう?
聞くと、ここは伝説や言い伝えを詳しく教えてくれるとすこし言いにくそうに彼女は云った。
そして、奥の部屋に案内された。
こんなに奥行きのある店だったのか・・・。
そんなことを考えながら、言われたとおり静かにまった。
すると、いきなり風が吹いてきた。
この部屋に、窓はないはずではなかったのか・・・?
だんだんと寒くなってきた。
僕は持っていたコートを静かに音を立てないように羽織った。

      ∞

あたりは真っ暗で、何処に誰がいるのかもわからない。
ここは、一体どこなのだろう?
そんなことを考えている間に、トンネルから抜けるときにようにいきなりあたりが明るくなった。
眩しくて、目を半分だけしか開けられない。
少しすると、目が慣れてきて、目が開けられるようになった。
そこは、やはり真っ白で何も無い。
さっきと違うのは、すごく寒いということと、明るいということだけだ。
よくみると、あたりは一面の雪。
東京にこんなに雪があったなんて・・・・。
よーくみると、はるか向こうに女性がいた。
寒くは無いのだろうか。
近づきながら、私は気が付いた。
彼女の視線の先には、1人の男がいた。
そして、彼女は泣いている。
一体何があったのだろう?
別れたのだろうか?
周りには、誰ひとりいない。
あの2人は、どんな関係だったのか・・・・?
そんな疑問がよぎっていたとき、目の前の風景が巻き戻しのように動いた。

     ∞

ある日1人の女が、草原にたたずんでいた。
そこに、男がゆっくり近づいていく。
さっきの男と女だ・・・。
2人は、そこまで親しい間柄じゃなさそうだ。
そこからは、ダイジェストのように過ぎていった。
そして、わかったことは、彼らは知り合って何日かして付き合いだした、ということ。
彼らは、なんら変わっていない。
そこらへんのカップルとかわらない。
幸せそうに手をつなぎ歩いている。
しかし、だんだん日を追うごとに彼らの顔は寂そうになっていく。
だんだん、冬が近づいてきた。
彼らは、いつも以上に強く手を繋ぎ、離れまいとしている。
けれど、無残にも時は過ぎるのだ。
これほど、時が止まればいいと思ったことはない。
彼らの、寂しげな顔が心をつつく。
そして、とうとう来てしまった。
”別れ”という時間が。
彼らの声が色鮮やかに聴こえる・・・。
「もぅ、時間だ・・・・。」
『お願い・・・。もぅ少しだけ・・・。』
彼女の泣きそうな声や顔は今にも、崩れそうだ。
そんな彼女を、彼は強く抱きしめた。
しかし、彼はそっと体を彼女から離していった。
「ごめん・・・・。行く時間だ。もっと、ずっと一緒にいたかった・・・。」
『謝らないで・・・寂しくなるでしょ。』
彼女は無理に、笑顔を作ろうとしたが目には涙が溢れんばかりにたまっている。
『きっと、覚えていてね。私のこと。』
「あぁ。忘れられない・・・。」
『永遠に・・・。忘れない。』
”永遠”こんなことば信じていなかった。
なのに、こんなに心に沁みた言葉は今までなかった。
『大好きだょ・・・・!ずっとスキでいるから・・・!』
振り返らず歩いていく彼に、大きな声でさけんだ。
そして、彼女は静かに音も立てずに泣いた・・・。
そして、空からは雪が降り出した。
まるで彼女の涙のよぅに・・・・・。

     ∞

そしてあたりはまた暗くなった。
私の目にも、いつの間にか涙が溜まっていた。
そして、最初の店の店員であろう女性が1つ隣の席に座っていた。
その女性は、さっきの女性に似ていた。
姉妹なんだろうか?
いや。それにしても似すぎだ。
もしかして、同一人物・・・・?
少しの間、彼女でを見つめていた。
「これが、雪の女神の話です。」
彼女はそぅ、静かに言って「出口はこちらです。」
と、案内してくれた。
その店を出ると、いつもと変わらない東京だった。
しかし、何かがおかしい。
クリスマスの飾りつけなどは、変わっていないのだが、時間の計算が合わない。
時間が戻っている。
そして、振り返ると、あの店はなく、ただ、白い壁だった・・・。
どうなっているのだろう?
少し考えながら、たたずんでいると、空からは白い雪がひらひら舞い落ちてきた。
これは、彼女の悲しみの証なのだ・・・。
私は、考えるのをやめた。
あの話は私の宝物になった。

      ∞

『あ・・・・。雪。』
「ほんとだ。初雪だな。」
『うん。すっごいキレイ・・・。』
「初雪を一緒に見れたらそのカップルは結ばれる。って知ってる?」
『素敵な話・・・。』
「寒くないか?」
そぅ云い彼女の手を握りその手をコートのポケットにいれる。
そぅして寄り添いながら歩くカップルがやけに多いこの日。
彼女は今を生きる私達に、教えてくれた。
一緒に過ごせる幸せさ・・・・。
愛している人と離れなければならなかった自分達。
だから、一緒にいれるときは、もっと寄り添いなさいと・・・・。
人々には、知られていなくても、私達の幸せを願ってくれている。
雪の寒さを使って、私達を優しく近づける。
そんな、優しい心に僕は動かされた。
昨日、ケンカしたままだった・・・。彼女を迎えにいこう。
「昨日はゴメン・・・・。」
『ううん。いいょ。私も悪かった。』
「雪・・・。見に行こう。」
『うん。』
そっと手をとり、歩き出す。
『ありがと。』
「えっ。」
『迎えに来てくれて、嬉しかった・・・。』
そっと微笑み、そして、寄り添い僕らは、歩き出した。
誰よりも、幸せそうに・・・。
あの雪の女神たちの分も幸せになろう。
そぅ、誓った。

                                                  **END**
最終更新:2006年11月14日 19:29