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Trip;Trap;Drug

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一度だけ……。
そう決めてからどれだけ経っただろうか?
一週間かもしれないし、一年かも知れない。もしかしたら十年?
時をも狂わし、幸せを見せる。
足を踏み入れてしまえば一歩も足を戻すことすら許されない事だって分かっていた。
だけどそれに手を出した。
引っかかった。
あからさまな罠だと知ってもなお、自ら手を差し出した。
手はそのまま飲みこまれ腕を喰らい尽くし、身体までそのまま喰らわれる。
助けを乞う事も一切許される事もなく、ただ、助かる為にもがく事もなく流されるまま、諦めていた。
いや、もう既に何もかも捨て去っていた。
最後の楽しみというものかも知れない。

だけどもう私には理性も残っていない?
そもそも理性なんてのは手を出した時、いや、出そうとした時に既に無くなっていた。
感情も記憶も思考も全てを消し去って、私はただ何も思わずに命を綴ってきた。
初めから全て捨てた私には失う物も無く、ただ腕を伸ばせば躊躇いもなく、簡単に攫み取れてしまうもので、この快楽に縋ろうとした。
失う物が無ければ得るものだけだった。

だけど、得たものは決して良いものとは限らず。

私は、
「これで終わりね」
最後の極微量に残る薬を啜る。
だから私は、
「終わろう」
何も見出す事も出来ない「ワタシ」に終止符を、



――――――――――
今作は薬物を推すものでは決してありません。
あくまで小説として書いたものなので悪しからず。