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12話


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 星光(シングァン)は自室に戻ると、自らに仕える盾の一人、紺鮫(ガンジ

ャオ)を呼び出した。

「殿下、紺鮫参りました」大柄な男が図体に似つかわしくない素早さでやって

きた。星光は言った。 「これから当分の間、お前は俺の警護から外れろ」

それを聞き、紺鮫は大きな目をさらに大きく見開い た。「・・・・・・暇を出すと

いう事でしょうか」「違う。人の話は最後まで聞け。お前には、腕を見込んで

別任 務を言い渡す」てっきり首を切られると思った紺鮫は、悟られないよう

にホっと息をついた。

「こいつを洗え。この間の刺客の依頼人だ。蟻一匹の出入りも見逃すな」星光

はそう言うと、懐から掌 大の大きさの紙を取り出した。紺鮫はそれを受け取

ると、大きく目を見開いた。

「まさか・・・・・・この方が殿下を・・・・・・」「まだわからん。それをお前に調べて

もらいたい。金はいくらかかっ ても構わんが、なるべく早くに終えろ。報告

を怠るなよ」星光が言うと、紺鮫はさっと頭を下げ、そのまま 退室しようと

した。

 「紺鮫」出て行こうとする紺鮫を、星光が呼び止めた。「あまり気に病む

な。盾も人間だ。失敗することも ある」紺鮫は、震えるほどに拳を握り締め

た。分かっていたのだ、この方は。自分がどんなに己を不甲斐 なく思ってい

たのか。二度目が起こることをどんなに恐れ、眠りにつくのを恐ろしく思って

いたのかを。

 星光はニヤリと笑って言った。「蒼豹(ツァンバオ)は、俺の考えでは歳に

割りに偏屈すぎる。あいつはもう少し柔軟な頭を持つべきだな」星光の言葉

に、紺鮫は何も言わず、ただ星光に深々と頭を下げた。 そして、聞こえるか

聞こえないかの小さな声で言った。

 「・・・・・・行って参ります」「おう」星光が気楽に手をヒラヒラ振った時に

は、紺鮫の姿は既に無くなってい た。



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