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4話

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 例えばオンラインゲームと言うものがある。
 俗に言うネトゲと言うものだ。
 それは趣味として娯楽として成り立っている。という前提を置いて、それを生き甲斐としてやっている人々がいる。
 俗に廃人と呼ばれる人々である。
 ゲームの為に現実を捨てたという物で、仕事も辞め、それだけに没頭し、衣食住すらまともに行わない。他にも課金、要はゲームをする為に本当のお金、リアルマネーを使ったり、はたまたアイテムにリアルマネーを大量に使ったりする。
 それが月に三千という金額であれば可愛い物だ。それが月に一万であっても珍しくもない。それが月に十万でも何十人といるだろう。
 ネトゲと呼ばれる物は、すでにそれ自体が隔離した別の世界として扱われている。

 私は一度この手のゲームをしたことがある。
 その時は確かに始めはただのゲームという感覚であり、レベル上げというのも苦ではなかった。
 しかしだ、このネトゲというのは端末ゲーム機等とは違い、レベルを上げて目標をクリアするというものではない。例えば協力し合ってモンスターを倒したり、対人戦と呼ばれるプレイヤー同士の戦いが魅力なのである。
 他にも武器などにも様々な付加があったり、レベルにも上限もなく、様々な楽しみ方が出来ると言っても過言ではないだろう。
 そしてここに問題が出る。それは先ほどの課金というシステムだ。
 課金というのにはプレイする為の課金と特殊なアイテムを買う為の課金、つまりアイテム課金と呼ばれる二種類に分けられる。
 遊ぶ事自体はタダというゲームも珍しくないのがネトゲの特徴である。要はネット回線さえあれば無料でゲームを遊ぶ事は出来るのだ。もちろん全部が全部タダという訳ではなく、中にはゲームをプレイする課金、要はゲームで遊ぶための料金が必要な物もあるが、値段は高くても月三千とそこまで苦にはならない金額だ。
 しかし課金というのはアイテム課金の方が恐ろしく、自分のキャラを強くする為やゲーム内のお金が欲しい為に、いくらでもお金を使おうとする者がいる。
 アイテム課金というのは言ってしまえば、データを複製して売っている訳だ。売る側にも上限の数がなく、故に買う側もいくらでも買えるのである。このシステムはまさにお金を複製しているとでも言ってもいいだろう。でだ、そのアイテム課金というのは様々で、例えば能力を数日上げたり、はたまた数時間だけ効果を発揮する物、他には特殊な武器を買ったり、経験地を上げるのだったり、値段も含めて安いのは五十円から高いのは四千円まで色々ある。中でも一番人気と言ってもいいのが、籤引きみたいな、何が出るか分からない使うまで分からないというものだ。もちろんこれには縁日みたく、特賞や一等賞がないという訳ではなく、そういう大当たりの様なアイテムもあれば、中にはすぐ捨ててしまいそうな物も当たる訳だ。それにこの籤引きでしか当たらないというアイテムや装備もあったりするので、限定という物に食いつきやすい日本人が買うのは必然なのかもしれない。値段はというと五百円というのが多いそうだ。学生には金銭的にきつい面もあるかも知れない。しかし五百円というと社会人にとってはとてもというほど気にする金額ではないが、それは飽くまで一個或るいは一回の話で、それを何度もするとかなりの金額になる。例えば五回すれば二千五百円、十回すれば五千円、二十回すれば一万円となかなかの金額になる。それに他のアイテム課金をすればかなりの額だろう。これならば端末ゲームでもしていた方が安いかも知れないが、先ほども言ったようにこのオンラインゲームには様々な魅力があるわけだ。
 かくいう私もこのアイテム課金というものをしていた。
 このオンラインゲームというのはちょっとした暇潰しに始めてみたもので、お金も多少は使っても大した痛手にもならなかった。
 私はそのオンラインゲームで一度、株が大当たりしたときに、思い切って五十万円分のアイテム課金の籤引きをしたことがある。もちろん籤引きの様に実際は外れの様な、安いアイテムばかりが出て損の方が多いだろう。しかし私はなんとなくやってみたのである。五十万円分と言えば千個購入した訳で、これはなかなか開けるのが楽しかったりする。まあ一度に二十個くらいまでしか買えないので、買っては開けてという行動を繰り返した。もちろん装備やアイテムをそれほど持てない訳でもあり、ゴミの様なアイテムは捨て、売れるような物は少し相場よりも安値で取引して売ったりもした。結局それだけで一週間の暇が潰せたと言ってもいいだろうが、どちらかというと明らかにただの作業である。まあ全部開いて仕舞い終えると、大当たりが十三個程出た。百分の一あるかないかという確率だろうか、値段で言えば、五万で一個だろう。
 まあもちろん黒字になるはずもないが、ゲーム内のお金はたんまりと増えたので、かなり高めの装備も揃えれるだろう。
 しかしこの籤引きというのはまだ続きがあって、キャンペーンという物が行われていた。オンラインゲームというのは無料で遊べるという点については飽くまで宣伝でもあり、お金を使わない人はすぐに辞めてしまうなんて事もある。だからこんなキャンペーンという物をゲームを通じて行ったり、課金者に対して還元の様な事もしたりする。
 今行われているキャンペーンというのはこの間の籤引きを買った人にダブルチャンスの宝くじが付いてくるという様なもので、これは全員が全員当たる訳ではないが、商品は普通では手に入らない装備などが並んでいた。もちろんキャンペーンと言っても当たるのは極少数で、私が千個買ったからと言って、必ずしも当たるわけではない。それこそ一個だけ買った人に当たることだってある。まあ正直なところ一番下の賞でも良いから当たって欲しいというのは本音で、こういうのは結構ドキドキしたりする。
 そして特賞が当たったりする。
 特賞は普通は絶対に着かない効果が付いた装備で、売るとしたらかなりの価値があるだろうけど、私は記念に取っておくことにしようとした。いや、しようとしただけで、実際本当のお金で換算すると、最低でも三十万近くする価値がある訳で、もちろんいる人にはいるというものだ。しかし、装備一個に三十万というのは始めは高いんじゃないかと思った。しかしゲーム内で当たった事をギルドと呼ばれるゲーム内での仲間に報告すると、たちまち広がり、見せてほしいという人も結構いた。そして中には、売って欲しいという人もいた。ゲーム内のお金ではとんでもない額になるだろう。しかし私は五十万円分のアイテムがあるので、ゲーム内のお金は要らないという旨を伝えると、現金で売って欲しいと出る人もいる。それも私が見込んでいた三十万を超え、五十万という金額にまで上った。しかし私はもともと売る気が無かったので売る事はなかったが、後で掲示板を見てみると悪口を書かれていたりするので、こういうのは質が悪い。

 とまあ、過去を振り返ってみたものの、ゲームのデータというのでも、美術品の様に高値の価値が付いたりする。
 まあしかし、確かに珍しい以上にステータスが上がったりするという点については確かで、私には美術品の様な価値は全く分からない。正直それもそれで、ただの絵とか工芸品とか思うのだが、そうでもないのだ。見る人が高いと言えば高いし、安いと言えば安い。そんな世界については同じに見える。
 例えば私が「それに」値段を付けるとしたら……、
「プライスレス」
「何か言った?」
「何も」
 まあ話相手という価値くらいかな。