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 色褪せた記憶。
 既に顔もちゃんと捉えられていない記憶で、何時の話かも思い出す事も出来ず、何をしているのかすらも曖昧で、だけどそれは実際に私が体験したこと。
 何度も読み返して手垢がこびり付いた手紙。
 クレヨン描かれていた絵は擦れて何か分からず、私に宛てた文字も覚えたての様なひらがなで、返事を出すのも忘れていて、だけどそれは誰かが私に伝えたこと。
 不意に取られた写真。
 そこには驚いて転んだ私が写っていて、それは何処なのかも知らず、誰が撮影したのかすら分からず、だけどそれは過去の私の姿を捉えたこと。
 三日しか続かなかった日記。
 一頁びっしりと沢山書かれた文字が並んでいて、無理やりぴっぱりながら書いたかの様で、直ぐに飽きてしまって、だけどそれは確かに私が刻んだこと。
 夏休みに出された白紙のままの課題。
 ずっとしないまま放っておいて、最後に誰かに写させてもらおうと思って、だけどそれすらも面倒になっていて、だけどそれは小さな私が過ちを犯したこと。

 奥に仕舞い込んでいたアルバムを読み返すと忘れていた事を思い出す物もある。
 それは全部じゃなくて、思い出しても少ししか分からない事もある。
 だけどその時は楽しくて堪らなかったのかも知れない。何も考えずにはしゃいでいた。春の入学式に遠足、沢山出来た友達。夏の暑さに蝉時雨、泊まりもあった海にキャンプ。秋の紅葉狩り、大人達もはしゃいでいた運動会に文化祭。冬の寒さに雪達磨、出る事が出来なかった炬燵。
 何か特別じゃなかった日も楽しかった日々だった。電話もせずに友達を連れて疲れるまで駆け回ったり、くだらない事で親に叱られたりもしたり、誰かが引っ越しで遠くに行って悲しんだりもしたり、大人には背伸びをしても頭を触る事も出来なかった幼い頃に迷子にもなったり、一人で寝たいと言って結局怖くなって親の布団に潜り込んだりもした。
 ただ、薄らだけ片隅に残っていた思い出。
 今はそんな事は昔で、今は今が楽しくて、昔の事も忘れるくらいで、



 だけどもう一度出来るのであれば。