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書:dalcitone



「デニス。おかえり」
「あ、寮長。ただいまです」

女子寮長であるサクが、入口傍の談話室の、高級ソファーを占拠して、寝ころんでいた。
めいが、礼義よく挨拶する。
続いて久遠が礼をする。
デニスも一瞬遅れて礼をした。

「模範、どうだった?」

サクがデニスに聞く。

「はぁ、なんか、ちょっと変な感じでした」
「変……まさか、ダル?」
「え? ダルって、いつもショウと話してる人ですよね。二年じゃないんですか?」
「あ……」

サクは、体を起しながら言った。
と、懐から男子寮名簿を取り出す。

「読んでみ」
「?」

久遠がそれを受け取り、デニスらとともに読み始めた。
ぺらぺらとめくると、二年のページにショウのそれがあった。

「ん、ん」

サクが、顎で下を指す。
下の欄に、家族構成の欄があった。

――親類として、三年にダルがいる――

「!?」

三人は飛び上った。
ショウと何気なく話しているダルに、気安く声をかけたことが幾度もあったのだ。
下級生が上級生に気安く話しかけると、たいていぶちのめされてしまうのである。
サク曰く、親類であるショウに呼ばれたり、また会いに行ったりをしょっちゅうしているらしい。

「心配するな」
「え、でも……」
「あれは、馬鹿だから」

事もなげに言ってのけるサクを前に、三人は若干ビビるのであった。
そして、デニスはめいと久遠とは反対の方向に歩く。
男子寮と女子寮は、当然ながら別である。
と、デニスはサクに呼び止められた。

「そうそう」
「?」
「今まで気がつかなかっただろうけど」

サクは、今度は三年のページの、ダルの欄を開くように言う。
そこには。

――男子寮長――

「……」
「がんばれ」

サクは、そう言って去って行った。
デニスは、そこにしばらく棒立ちになっていた。