『ま、待て!理雨!』
「…ジューン。俺は忙しいんだ。お前に構ってる暇はねぇ」
理雨は一度振り返り、ジューンを一瞥してから踵を返し、揚羽を連れ本会議場に向かった
『だから待てと言ってるだろっ!』
「はぁ…なんだ」
『あからさまにため息をつくなっ!…じゃなくて』
一息置いてからジューンは急に真面目な顔つきになった
『…隊長が数日前から消息を絶った』
「第3のバジルが…?」
『あぁ、自宅にもいない。浮かぶ所は全部探したが…』
「見つかんねぇ…か。たくっ…揚羽」
「はい、マスター」
「お前にこの件を任せる」
「お気を付けて」
『理雨っ…!』
「勘違いすんな。貸しだ。」
そう言い残すと理雨は片手を上げ会議場に向けて歩き出した
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軍部の中でも、最も重要な会議を行う【本会議場】
出席出来る階級も決まっており
主に元帥、副元帥を議長とし
各中将までの階級のみ出席を許される会議場である
巨大な扉の前に二人の衛兵。
理雨に敬礼をすると、左胸の数多の称号バッジをちらりと一見して重く、分厚い扉を開けた
『副元帥、姫牙 理雨様!ご到着!!』
レッドカーペットの広がる上座への道を両脇からの視線を浴びつつ歩いていった
『理雨…来てくれたのか』
「呼び出したのテメェだ。デトラ」
『そうだったな…さて、会議を始めようか』
元帥、ロード・デトラの真横に腰を下ろしため息をついた
『みなも知っているとは思うが…第三次大戦。戦況は思いの他よくない』
その言葉をかわきりに各階級、部隊からの報告が入った
『こちら空軍指令部、国境より西に敵国侵略との報告』
『陸軍指令部より、更に南より現在、交戦中との事』
数々の報告を聞きながら理雨はため息を付き椅子に深くもたれた
『…報告の通り。もはや、国内侵略を許すことなどできぬ。教皇様より徹底抗戦もやむなし、との事だ』
「(何、考えてんだあのジジィは…)」
再び、ため息を付き理雨は静かに口を開いた
【核兵器投下、10秒前】
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