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悲しい風が一つ吹いた

また嘆きが聴こえる

嫌な時代になったもんだ…


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江戸幕府の成立から数十年
戦で天下なんて時代は
当の昔に終わった


「あー…平和っていいねぇ」


穏やかな日差しの中
着崩した着物と腰に三本の刀
いかにも浪人やってますの
男がフラフラと馴染みの町を歩いていた


「旦那!!今日もどうですかぃ!」

「いいねぇー近々寄るよ」

「御前ー!たまには顔出して~」

「気が向いたらなー」


町人達の声に笑いながら返す男


名を桐生 穏(きりゅう おん)

モテ期真っ最中、今がいい時期ピチピチ29歳
現在、知り合いの庄屋に居候中の現役、浪人である

一通り散歩を終え、庄屋の津神屋に戻る


「よぉ、今戻った」

『御前、お帰りなさいまし!』

「吉祥は帰ってるか?」

『へぃ、旦那様でしたら先ほどお帰りになりました』


そっかーと間抜けな返事をしながら店の奥の部屋を目指した。

母屋へ繋がる渡り廊下を歩き
とある部屋の前に着くと何も云わず障子を開けた


「穏…貴様、何度云ったらわかる…声を掛けてから入れと言っただろうが!!」

「はーい、すんませんでしたー。そう怒んなって吉祥!」

「ほぅ…そうか、貴様はそんなに路頭に迷いたいか。それとも何か、今すぐバラバラに刻んでやろうか…?」

「いや、ほんと。すんませんでした!」


この津神屋の主であり、穏の幼なじみでもある
秋百合 吉祥
その幼なじみの剣幕に押され、速攻土下座


「まぁ、いい…して、町の様子は?」

「粗方いつも通りだ」

「粗方…?」


文机に向いていた銀の瞳がすっと細められた


「…数体だが橋の袂に捨ててあった。誰の仕業だかね…」

「そうか」


再度、文机に向いた瞳に穏はふぅ…とため息をついた


「飯…まだかね」

「食う事より働け」

「まぁ、そのうちな」

「…やっぱお前、刻む!!」

「わ、ちょ、嘘だって!」


【動き出した日常】