上総様と同じ事を言った
風貴様…
忍如きに死ぬなと…
主の命令だから聞かなきゃな
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翌日、夜も明け切らない時間に俺ら忍隊が
親也様に呼び出された
「親也様、忍隊全隊ここに」
「すまぬな、弥助」
「御命令を…」
俺の言葉にふぅ…と息をつき
話だした
「…敵本陣に奇襲を掛けて来い。乱す程度で構わぬが…狙えるなら大将首を取ってまいれ」
夜明けの近い空を見上げもの悲しげな顔をした
「武士として…卑怯なのはわかっておる。だが…真っ向から行けば今まで以上の死者が出る…日の本を平定した所で…大切な部下が居なければ国を動かすことも出来ぬ…」
忍隊は誰一人文句を云わず、親也様の話を聞いていた
「俺は数年前、上総と言うもっとも信頼しておった部下を失った…これ以上、友を…部下を失いとうない…」
そのあまりにも悲痛な声に
俺は思わず声を上げた
「親也様のお心しかと受け止めました…蔵伊里家、忍衆…例え散ろうとも…その任務なしてみせましょう」
「弥助…すまない…」
涙ながらに言われた謝罪は
きっと風貴様とも似たような意味だろう
大丈夫です、俺らはちゃんと帰ってきます
親也様に背を向け、部下達に指示を出した
「覚悟決めとけ。夜明けと共に奇襲をかける。詳しい事は夜影か水無月に聞け。それと…準備を怠るなよ」
俺はそれだけを言いつけると
風貴様のもとへ向かった
渡しておきたいものがある
この奇襲に出る前に
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