|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|

10


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

上総様の葬儀から数日

城の中はとても静かで

それと共に俺の中は空っぽだった

-----------

「長、すみませんこの書類…」

「ん…置いとけ…あとで…見るから」


ここ数日…何をするにも億劫だ…動く気すら起きない…
こんな状況で敵にでも攻め込まれたら
蔵伊里家も俺も終わりだろう…
毎日を根暗にひきこもってると
ある日、陽樹殿がやってきた


「よぉ、弥助。相変わらず死にそうな顔しやがって」

「陽樹殿…如何なされた」

「どーもこーも!親也が呼んでんだよ、だから死にそうな面してる奴引っ張りに来た」

「親也様が…?」

「あぁ、ちなみに拒否権なしだ。うちの忍隊も連れて来たから蔵伊里家は安心しろ、ほれ行くぞ」


そのまま、陽樹殿に連れられるまま親也様の城に向かった
謁見の間に通され、上座に座る親也様をぼんやり見ていた


「陽樹の言う通りか…弥助!」


親也様の声で我に返り、静かに頭を下げた


「親也様…今日はどのようなご用件で…」

「ふむ…蔵伊里の新しい城主を主に預けようと思ってな」

「城主…」

「さよう。蔵伊里は代々、我が御堂家に仕えてきた筆頭家老。何より主を失うのが惜しい…そこで、だ。我が息子を蔵伊里の養子にしようと思ってな」

「……。」

「上総には嫁も子もおらぬ…それ故の判断だ。わかってくれるか…?」


上総が愛した蔵伊里家を守るんだ…
やってやろうじゃねぇか


「…その守り役、この弥助…お請け致します」

「そうか、なら主の新しい主だ。風貴!ここへ参れ」

「お呼びでしょうか、父上」


俺の前に現れたのは、元服を済ませたばかりであろう
14、5のガキが出てきた
目を惹いたのは、眩い橙の髪…左右色が違う瞳


「風貴、そこにおるのが蔵伊里の弥助だ。優秀な忍隊の長を任せてある。」

「弥助…」


風貴、と呼ばれたガキは
俺を見ると一直線に走り寄って来た
俺は胡座から膝をつき、頭を下げた


「…弥助…?」

「はい、風貴様」

「顔…上げて?」


言われて顔を上げると風貴様が優しく笑った
色の違う瞳を細め優しく笑った
すると、ふわりと俺の髪に触れた


「弥助の髪は綺麗な色だな!まるで暖かな焔のようだ!」


その笑顔と言葉に目頭が熱くなった…


「弥助が気に入ったか。風貴、弥助と共によく働くのだぞ」

「はい、父上!弥助!よろしくな」


輝く笑顔に静かに頭を下げた