2日続きで行われた宴もようやく、終わり
若干の二日酔いを残す上総様を引きずり
城へと戻った
あれから戦もなく、平和な日々が続いていた
上総様の昇格も決まり、親也様の真城家の
重臣格、大老御三家に昇格した
それに伴い、俺にも大量の部下ができ
総隊長の役職を与えられた
「長…上様からの使者が…」
「…またあの人か…」
嬉しい知らせと同時に、増えたのが親也様からの使者
部下から伝えられた応接間に向かい、毎回飽きずにくる使者に半ば呆れた
部屋に入れば
大老御三家の一人、王川家の陽樹殿がいた
親也様とは従兄弟同士らしい
「陽樹殿、よくまぁ飽きずに…」
「親也の命令だからな。なぁ、弥助…いい加減さ親也の下に就けば?禄も給与も今の倍だぜ?」
軽いよな、このアンチャン…
「だから、興味ねぇっての。」
「お前もすげぇよな。俺だったら飛び付くのに」
肘掛けに寄りかかりながら
陽樹は煙管をくわえた
ふわりと立つ、紫煙を見ながらため息をついた
「俺は、上総様に拾われたあの日から…全部、上総様のモノだ…上総様が死んで来いってなら、喜んで死ぬ。上総様が戻って来いってなら死にかけたって戻ってくる…他に行く気はねぇよ」
「ははっ…上総殿が羨ましいな。俺もお前みてぇな忍ほっしぃー」
「親也様に伝えとけ。俺は行かねぇって」
「んー…俺が言っても多分かわんねぇから自分で言え」
…やっぱこのアンチャン軽っ…
「…わかったよ。一回登城すればいいんだろ…上総様に伝えてくる」
「おー、準備出来たら言え。俺も行く」
登城か…最近、妙な気配が近いから
出来れば出たくないのだが…
これ以上しつこいのは御免だ
…何も起きないでくれよ…
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