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絵を描く人


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絵を描く人


片手にはペンを持って
もう片手には筆を持って
目の前の紙へ叩きつけるのは激情

時には癒すような色を
時には狂うような色を
真っ白な紙に叩きつけて
心の中の溢れ出て止まらない感情を表現した

その絵は時に人に感動の涙を流させ
その絵は時に人に欲望の刃を握らせ
血と涙と賞賛のなか 永遠に残るようで儚く散っていく

絵を描く人は空を見上げる
自分がどれほどの才能をもっていたとしても
この空には遠く及ばないのだろうと考える
燃える対抗心
空は同じ絵を描かない
この長い時のなか その想像力は絶対に尽きることはない
終わらない永遠の才能
人はなんとちっぽけなものか
永遠に味あわされる敗北感

絵を描く人は笑った
私の絵に皆涙を流すのに 何故この空をみて涙を流さないのか
私の絵を皆手に入れようとするのに 何故この空を手に入れようとは思わないのか
失ってから解っては遅いのに

絵を描く人はペンを置いた
絵を描くのはやめようと思った
終わらない 尽きない芸術を残された僅かな余生楽しもうと思ったからだ

絵を描いていた人はため息を洩らした

「私はこれが欲しかったんだ」
絵を描いていた人は 始めて感動で涙を流した
今まで 自分の絵を見ても泣いたことは無かったのに

人々に数々の感動を与えた絵を描く人は
長い人生の中で始めて 感動を感じることが出来たのだった