|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|

現実と架空の接点

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

架空の世界には架空だけでなく現実が入り混じる――

                     ――それを語るのを許されたのは我ら語り手のみ

「ロア、ロアってば起きて」

とある小さな町の、とある小さな一軒家から溢れた最初の朝の一言。
その声は温もりに溢れているようで、けれど何処か呆れと怒りが混じった声だった。
その黒髪の声の主は何度呼びかけても反応がないのを確かめると、
唐突に布団をひっくり返す。ドスっという音と共に落ちた布団からは、
白髪の主――ロアネール(ロア)が顔を出す。

「もぉー、ユウリってば毎回こんな風に起こさないでよー」

ユウリと呼ばれた黒髪の主――ユウリス(ユウリ)は彼女と同じ顔に
困ったような苦笑を浮かべると、冷たく、けれど熱の籠もった毒舌を彼女に吐き出す。

「大体ロアのが悪いんだよ?僕に毎朝、朝食掃除洗濯その他の仕事させてるくせに
君を起こせと?体は一つしかないんだよ?わかる??」
「私は夕方の仕事だってしてるじゃない。それに体が一つしかない事だってわかるわよ」

ロアはいきなりの言葉攻めに反論する。が、ユウリの言葉には毎朝ノックダウンしてしまう。

「僕だって夕方、それに夜してるよ?それにわかってるなら、僕を使わないでよ、ね?」
「ぅー……」

今日の朝もユウリの勝ち。6連勝。ロアは唇を尖らせると、もぞもぞと布団から這い出る。
それが二人の日常、顔そっくりな二人の始まりの朝。こうも似ているのに違う二人の違い。

――この食い違い血の繋がりあろうとも
             全てが似るわけではないまして双子であろうとも――

                                                     end