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未定

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アレックスは薄暗い室内で煌く人口の光にその目を釘付けにし、静まり返った室内に響く音声に耳をかたむけていた。

「――本日未明、ドイツの研究所で謎の爆発事故が起こりました。 発見された生存者は確認されているかぎり1名のみで、現在現地の病院で治療を受けているようです。 また、事故当時撮影された映像には研究所から出てくる人影らしきものが確認されており、今回の事故との関連性が調べられています」

揺らめく煙と炎の奥に、それらにとけてしまいそうなほどうっすらとした人影が確かに画面に映っていた。
だが煙が濃く、それはあくまでぼんやりとした人影としてしかとらえることができなかった。
そこで、アレックスはこう願った。
『あの人影の正体を見せろと』
そして、そう願った彼が見たのは1人の少年だった。
その髪も、肌も、瞳も、全てが白い少年。
純白などではなく、寒気がするような毒々しい不気味な白色をした少年だった。

その姿を見たアレックスは今まで体感したことのない感覚を味わった。
背中から冷たい嫌な汗が噴出し、震えがたるんだ腹を、あごを揺らす。
住み慣れた薄暗く密閉された室内がまるで獣の胃袋のようにかんじられるほどのプレッシャー。
言い換えるならば、心臓をわしづかみにされたような感覚。

全身が、わずかに残った動物としての本能が警報を鳴らしていた、【こいつにかかわってはいけない】と。
その感覚が恐怖なのだとアレックスはそこでようやく理解した。
そして、この少年も【自分と同じ】なのだ』とも理解した。
それはほぼ直感といってよいものだったが、アレックスはその直感が間違いではないと確信していた。

警報はまだ鳴り続けていたが、アレックスにはそれが今まで聴いたことのないような極上の音楽のように聴こえていた。
興奮による震えが肉を揺らしていた。
冷たい汗はいつのまにか温かなものになっていた。
恐怖は好奇心へと変わっていた。

「・・・h、ha」
アレックスはその弛んだ口元をひきあげ笑い声をもらした。
そして、また一つ新たに願った。
『【俺と同じように特別な力を持った人間】を見せろ』