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-ミーシャ-

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 神の力の片鱗を、人が授かった時はどうするのだろう。
 ミーシャは今日も、食料や金銭と引き換えに人を癒し、そして生活をしていた。いつの間にか与えられた住居、いつの間にか揃った家具、いつの間にか得る食料。神を敬う人の目は、そのまま畏れとなる。
 いつもの場所で、ミーシャはただ、立っているだけで、食料を押し付けられる。そして必ず、次の言葉が続くのだ。
「私を、どうか癒してくださいませ」
 現代の治療法では不治のはずのHIV、もはや絶望的である癌、その他諸々の怪我や病気。一度は、失った半身を時間をかけて再生させたことがある。
 もしかすると、世界にとっての【癌】とは私なのではないか。病気が癒えることをミーシャが【願い】ながらも、頭の片隅ではそんなことを思ってしまう。
 ミーシャの治療は簡単だ。なぜならば、【願う】だけでいいのだから。願うだけで全てが癒えるのならば、それほど効率のいい医者――いや、癒者もいないだろうと、自嘲気味に笑った。
「ミーシャ様、ありがとうございます!」
「いいのよ……神はいつでも、加護が必要な者に優しいのですから」
 いつの間に、素面でこのようなこと――。己をミーシャは自嘲する。
 神は私には優しくなかった――孤児の日々を思い返し、ミーシャは頭を振ると、再び訪れるであろう次の患者のために、笑顔を取り繕った。