1 「出会い」
「見つけた」
静かな、静かな場所に響いた声。
また、「少女」は笑っていた。
とても口元を歪ませて、笑っていた。
「探すの大変だったんだぜ?それを理解るかお前」
また響く声 。
とても演技らしく、白々しい
そう言った瞬間、「少女」は眼帯を外す。
「っ!…こんばんは、君は確か…斉藤翔[サイトウ ショウ]、だったよねぇ? ま、どうでもいいかそんなこと」
クスクス・・・
さっきとは違う、男っぽい声と、小悪魔のような笑み。
とても、この声は嫌いだ。
「なんで、僕の名前を知っているの?」
驚きを表しながら、僕は「少女」に聞く。
「さぁ?…なんでだろうねぇ?」
クスクス…
奇妙な笑い声が、また聞こえる。
なんかムカつく、見下されてるようで。
「見下されてるじゃなくて、見下してるんだけどなぁ~?」
!
まるで僕の心を見抜いているかのように、「少女」はそう言った。
「あ、やっぱ当たりだったんだねぇ。ねぇ、さっきから少女少女うるさいよぉ?僕普通の男なのにぃ」
嫌そうな表情をする「少女」。
普通の男なら、空を浮いてな・・・って・・・え?
男?え、あれが?
嘘でしょう?
「少女」にしか見えないんだけど・・・
「うわっ!ひっどぉ~い!」
演技らしく、自称男の「少女」は声をあげていった。
・・・うるさいな。
静かにするということが出来ないのだろうか、この人は。
「もうっ!僕にだって名前があるもん!「少女」とかいう名前じゃないのぉ!僕の名前は高橋歌乃〔タカハシウタノ〕!名前言ったんだから、「少女」とかもう言わないでねぇ」
続