――鞄を振り回しながら 歩く
迷惑な存在
そんな先輩達を無視しながら 僕は歩く
ふと 歌が聞こえた
その 聞こえた場所―上を見上げたら
「少女」がいた
上 と言う事は
理解できない
理論的に不可能なことを 「少女」はやっている
そうその「少女」は――空を浮いているのだ
青い長い髪 黄色の目 片方に眼帯 黒い服 黒い――鎌
まるで…シニガミのような服装
僕を「少女」が見下ろした
ニタリ
そんな感じに「少女」は笑った
何故か 怖くなり 周囲を僕は見渡す
…おかしい
さっきまでいた 先輩達がいない
それもあるけど もう一つおかしい点がある
なにも ないのだ
物一つ ないのだ
真っ黒な世界
そこにいるのは…僕と この「少女」だけ?
思えば 上を見上げたときから―物音一つ
――聞こえてなかった――