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第3幕

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その日は土砂降りだった。
人通りの少ない街の路地裏で、幼い二人の子供が横たわっていた。

一人の少女が、この大雨から守るように、目を閉じている少年に覆い被さっている。
少女の方も、目を閉じていてピクリとも動かない。

「・・・お姉ちゃん・・・。重いよ・・・。」

覆い被さる姉の重みに、少年が目を覚ます。
そして、少女に呟いた。

「・・・お姉・・・ちゃん・・・?」

いくら呼びかけても返事がない。
違和感を感じた少年が、力を振り絞り少女を抱き起こした。

「・・・ねぇ・・・ここどこ・・・?ねぇってば・・・。」

動かない。
体を揺さぶっても、大きな声で叫んでも。

「・・・起きて・・・起きてよ・・・。起きて!」

少年の目から涙が零れ落ちる。
そう・・・既に息絶えていた。

「・・・うああ・・・!」

二度と目を覚ます事はない。
そう悟った少年が、その場にうずくまる。
今までにない、大粒の涙を流しながら。

「・・・?」

突然、何かが光った。
少年がそれに気づき、息絶えた少女の横へと目を向ける。

そこにあった物は、黒く、不気味に光る刀だった。

「・・・何・・・これ・・・。」

不思議に思った少年が、黒く光る刀を手に取った。

「・・・うああ・・・うああ・・・うあああああああああああ!」

その瞬間、体の中に何かが入り込んだかのように、少年が叫び声をあげる。
徐々に、徐々に刀の輝きが増していき、そして次第に光が消えていく。

「・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

光が消えた頃、少年の涙は消えていた。
そして、全てを把握したように刀を見つめる。

「・・・。」

強い、憎しみの目だった。
さっきまでの涙が嘘のように、消えていた。
少女の方に歩み寄り、今一度抱きしめる。
そして、無言のまま歩き出す。

心を埋め尽くす、憎悪。

今ここに、幼くして復讐を決意する少年が誕生した。



名を、セスタと言う・・・。