「さて、今回から表現技法について詳しく話していこうと思う」
「なにそれ、難しそうだぉ! 頭使うのは苦手だぉ!」
「文学なんだから、少しぐらい頭を使うようにしなさい」
「…反省するぉ」
「とは言っても、表現技法というのはそこまで難しくない」
「本当かぉ? 俺でも出来るぉ?」
「実は前回、教えたのは技法の『比喩』というものを用いたものなんだ」
「あ、コメントでも書かれてあったぉ! ネタバ…ウワ、ナニヲスル、ヤメ」
「…」
「でも、俺でも出来そうだぉ! さくっとマスターするぉ!」
■表現技法『 比喩 』をマスターしよう!■
前回紹介したものは、技法のひとつ『 比喩 』を用いています。
『詩の独特な表現方法』というものは、表現技法と呼ばれるものを指すというわけです。
すでに1つ習得しているので、「表現技法って難しそう」だなんて考える必要はありません。
比喩を簡単に言うと、物を別のものに置き換える「たとえ」です。
この技法は、とても多くの詩で用いられています。
この技法を使う事によって、印象を強めたり、わかりやすくしたり、
独特な世界観を組み立てる事が可能になります。
さて比喩に関しては、前回軽く紹介したので、
今回は比喩の深い部分に触れていきましょう。
●明喩 と 暗喩 ( 直喩 と 隠喩 )
特に大事という訳ではないですが、基礎知識として勉強しておきましょう。
・明喩( 直喩 )とは…「まるで」や「みたい」、「ように」などの、
例えを明らかにしている比喩。
・暗喩( 隠喩 )とは…上の「まるで」などの言葉を用いず、
例えを明らかにしていない比喩。
詩の色合いなどで、使い分けると良いかもしれません。
●比喩で統一した世界観を作る
雨が降る
全てを洗い流しながら・・・
雨粒たちは
朱く染まった葉たちの色を
朱色に染まった私の頬をそして心を
静かに洗い流していく
上の文で用いられている比喩は、
「雨粒」は「涙」を例えていると読み取れます。
「朱く染まった葉たちの色( =紅葉 )」は「朱色に染まった私の頬をそして心」の部分に、
結ばれていて「恋心」を例えていると読み取ることが出来ます。
「静かに洗い流していく」の部分に、上の二つを用いて解釈しなおしてみると、
涙が私の枯れてしまった恋心を静かに洗い流していく
という、作者の伝えたいことを読み取ることが出来ます。
そして、この詩で用いられている比喩は「雨」と「紅葉」。
お互いに世界観を壊さずに見事に調和が取れています。
このように、比喩を用いる場合には「世界観」というものを統一し、
読者に読みやすく導く必要があります。
一見簡単そうで、実は奥が深い『比喩』ですが、
少しずつ慣れていき、マスター出来るように頑張りましょう。
「ふ、深いぉ。 侮れないぉ」
「当然だろ。 では次回も、表現技法について紹介する」
「着いて行けるか不安だぉ…」
「大丈夫だ、慣れれば」
「が、頑張るぉ!」
Special Thanks ... 「雨-朱色-」 nao2333様