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・その身を血に染め男は歓喜する


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西洋風の鎧をまとった、首の無い大男がその手に持った巨剣を振り上げ、目の前を通っていく1台の自動車に振り下ろした。
しかし、巨剣が真っ二つにしたはずの車はバラバラになることなく、そのまま走っていった。
ように見えたが、突然、道を大きくそれビルへと突っ込んでいった。
メキャと車が潰れる。
砕けた車窓から血を滴らせる腕が力無く垂れ下がっている。
動くことや、痛みの悲鳴を上げることがないことから、その腕の持ち主はもう死.んでいるのだろう。

そんな光景を見ても、ほとんど動じなくなっている自分に、俺は少し恐怖をかんじる。
誰かがいっていたが、たしかに慣れることと、狂うことは似ているのかもしれない。

恐怖や驚きから、立ち止まったり、走り回る人々とは対照的に、まるで石像のように道の真ん中で、不気味な存在感を漂わせながら静止する首無しの大男、デュラハンの方に、俺と、隣でガムをクチャクチャと噛みながら歩く赤髪の青年、大河は歩を進めていく。

デュラハンにある程度近づいたとき、大河はスと、俺の前に腕を出してきた。
「あいつは俺が.る。 邪魔するなよ? したらお前も殺すからな。」
大河はデュラハンではなく、その奥で多くの人々と同じように、ボーゼンと立ち尽くす1人の男を、まるで、獲物を狙う肉食獣のような目で見ながらそう言った。

ジャケットの中から、刃渡り30cmはあろうかというゴツいナイフを取り出しながら大河は男に向かっていく。
しかし、途中にはまるで、 「ここから先は俺を倒してから行け。」 とでも言うようにデュラハンが立っている。
だが、大河はデュラハンを気にする様子などなく、そのまま歩き続ける。
そして、大河とデュラハンとの距離が2mほどまで近づいたとき、突然デュラハンがその巨剣を振り下ろした。
その動きは、見た目に似合わず俊敏で、俺にはいつ剣を振り上げたのかわからないほどだった。
だが、大河にはしっかりとその動きは見えていたようで、剣の軌道上からその身体を逃がしていた。
さらに、大河は一気に駆け、デュラハンの横を通り抜けていく。
「ゴオオオォォォォォォォォォ」
だがデュラハンは、そんな大河に向かって、本来なら首のある部分にある空洞から、まるで荒れ狂う風のような音を出しながら巨剣を振るった。
だが、大河は身をかがめ、なんなくその攻撃をよけ、再び駆け出していった。
デュラハンは急いで体勢を立て直し剣を振り下ろすが、大河はすでにその切っ先の届かぬところまで行っていた。
大河はそのまま走り続け、さきほど見ていた男へと向かっていく。
たいして男は、ナイフを持った尋常じゅない目つきの男が自分の方へ走ってくるという異常事態に気付き、背を向けて逃げていく。
が、どうやら少し遅かったようで、大河のナイフはズブリと男の背にうずめられた。

「ハハハハハ」

そのとき、大河が突然笑い出した。
それは、肉へと刃を埋め、骨を断ち、鼓動する心臓を突き刺すのがたまらなく気持ちいいとでもいうような狂気じみた笑い声だった。
そして、大河はすでに死んでいるはずの男の肉体の中で、内臓をかきまわすかのようにナイフをねじる。

俺はそんな大河を見ていることができなくなり、デュラハンがいた方へと視線をうつす。
しかし、そこには西洋風の鎧をまとった首無しの大男などという非、現実てきなものは影も形もなく、今回の仕事のターゲットがあの男であったことを示していた。

そして、そのターゲットだった男は、大河の狂った遊びから開放され、まるで壊れた玩具のように地面へと倒れるところだった。
そんなタダの肉塊へとなった男に、大河はあろうことかさっきまでクチャクチャと噛んでいたガムを吹きつけた。

ベチャと、血の流れ出す傷口を塞ぐかのように、ガムが男の身体へと貼り付いた・・・