──一緒に死にませんか?
そういってあなたの腹部を切り裂いた僕
あなたは呻いて地に伏した
僕自身も喉元を切り裂き あなたの横へ伏す
馬鹿だろ とでも言いたげな視線
どうぞ ご自由に貶してください
こうするしか思い浮かばなかったんです
彼女には認めてもらえないであろうこの関係
あなたとずっと このままでいたかったから
ごめんなさい 痛い目にはあわせたくなかったのですが
そうでもしないと 僕達はいつか分かれてしまう
痛みが全身を襲って 呻いてしまう
喉が熱い 燃えるように熱くて 苦しい
助けて 助けて 助けて
──……おい
痛みに身悶えながら ゆっくりと目を開ける
しかめっ面ながらも 優しく微笑んでいるあなたがいた
あなたは私へと手を伸ばし 紅く染まったその手で僕を撫でる
あなただって苦しいはずなのに 僕を慰めてくれる
その優しさに 涙が零れた
──もう…………が……
あなたの声がかすれてきていた でも あなたが言いたい事はわかる
もう 時間なのだ 彼女が 来てしまう
──また 会いましょう
精一杯の笑みを作って 声は出ないとわかっているから 口だけでそう伝える
あなたはゆっくりと笑った後 ゆっくりと目を閉じた
さあ あとは僕だけ 僕も 来るべく時を待ち 目を閉じる
──! ……! …………!
ああ 彼女が来てしまった
紅い池の中を駆け寄ってくるのがわかる
二人にさせてください
どうせ間に合わないのです 何もしないで 放って置いてください
すいません 彼をあなたから奪ってしまいました
あなたは神ですから 彼だけを生き返らせるかもしれません
僕が一緒と言う事はないでしょう 僕は あなたに嫌われる事をしてしまった
ですからこの一時だけでも 一時だけでいいですから
彼を 僕だけのものに
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