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「忠秀様、少々席を外します」そう言い残し吉祥は母家に向かったパァァンと破壊音を立て、自室の障子を開けた無残にも大破した障子を見ながら穏は冷や汗を流した「来い」「はい…」いつもより数倍低い吉祥の声に若干ビビりながらおずおずと後に続き店に向かった「忠秀様、吉祥と名乗ったのはこの男ではないでしょうか」「あぁ!そうだ!この男に間違いない」吉祥に思いっきり抓られしかたなしに再度自己紹介「…桐生…穏です。…いてっ」「桐生…諏雅宮上皇の…嫡子か?」「……えぇ」若干、目を逸らしてたらまた吉祥に抓られたあー…忘れてた事言いやがって…「穏殿…ですな?先は助けて頂いたこと、感謝の次第…」「あ、いや、その…」「礼がしたい。是非、江戸城に登城していただたい」「えーっと…あの…いや…」お礼だとかそんなのが苦手な俺焦って吉祥に視線を向けたすると吉祥は誰もが見とれる綺麗な笑顔をつくり「忠秀様、穏は礼が欲しく助けたのではないとわたくしに申しておりました。故、忠秀様のお言葉だけで有り難いと…」吉祥の弁解に必死に頷いた「そうであったか。無理に云うてすまなかった」そう言って忠秀は爽やかに笑った「ところで二人はワシと年近いと思ったのだが…」「穏も私も17ですが」「やはりそうか!ならワシの友になってくれぬか?!城には友もおらずつまらぬ。だからなっ!」「だそうだ。穏」吉祥に話を振られなんとか落ち着いた俺は大きく息をはき「いーんじゃねーの?俺は大歓迎」「俺も異存はないな」「なら二人は俺の友だな!今度、城に遊びに来い!!歓迎する!」その言葉に吉祥と二人で笑った忠秀とも打ち解け、しばらく母家で語り合ったのち忠秀は城に帰っていったその夜、いつものように夕餉をすませ酒を持ち、吉祥の部屋に行こうとすると帳場の平八が廊下を走って来た「ご、御前…!!」「あ?平八、どうした」「み、み、満松屋で!店のもんがみんな死んでたそうで!」「なっ…要は…要はどうした!」「それがっ…満松屋の若旦那だけが見当たらねぇって話でさぁ!!」その話を聞いて、酒を捨て吉祥の部屋に急いだ付け替えられた障子を開け部屋に飛び込んだ「…穏?」「…吉祥っ!満松屋とっ…要が…!」【真逆の出来事】
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