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「少年よ!2秒後に飛べ!」高らかに吼える銀色の毛並みが太陽の燐辺からキラキラ輝きました。「ウィッシュ!?どういうことっすか!?」「早くしろ!!」銀色の影が吼え盛りました。ダイゴは、何も分からずにジャンプしました。すると、白い糸のようなものが円を作りスライムたちを囲み、中心であるダイゴに音の速さよりもはるかに速くむかってきました。スライムたちはその瞬間、真っ二つに引き裂かれました。 2秒後のタイミングが少しずれたのか、その白い糸のようなものに渋谷のカジュアル専門店で買った、4万のレザーシューズの底が切られてしまいました。中心に、至った白い糸のようなものは、小さな白いリングになりました。それは、シュウシュウと音を立て、リングの上に灼熱に揺らめく陽炎を作りました。「・・それは・・『ただともの輪』だ。」銀色の影がダイゴのほうに向かってきました。ダイゴはようやくそれが、「犬」であると気づきました。「だたとものわ・・?」ダイゴは狐に化かされたように犬に話しかけました。こんなファンタジーの世界でも一応、犬は話さないことになっているのです。「ああ!そうだ!」焼け付くスライムの残骸を踏みつけながら、ようやく犬はダイゴの前に待てのしぐさをしました。「少年よ!もう少し遅れていたら、この輪で真っ二つだったぞ!」犬は叱りました。しかし、ダイゴは違うことを考えていました。彼を仲間にすれば、少しは役に立つか・・と。しばらくして、犬は叱るのをピタリと止めました。ダイゴは、とりあえず、社交辞令から始めることにしました。「あ~・・俺は、ダイゴっていうんで、ヨロシクっす!」犬は、とたんにピシッと体勢を整え、「私は、ロムスカ・パロ・ソフトバンク・・いや!・・もうただの犬だ・・」白い犬は目を背けました。伸びっ放しの舌が息を漏らしていました。ダイゴは話もろくに聞かず、「マジッすか!今、民主党っていう鬼をやっつけにいこうとしてるんすけど・・」しかし、ダイゴは話を途中で切ってしまいました。遠くから、幼女の泣き声が近づいてくるのに気づいたからです。ダイゴは、金も勿論好きでしたが、幼女も好きでした。 「おい!あれを見ろ!」犬が舌を出して向いているほうをダイゴは見ました。すると、そこには少女が焼け死んだスライムをもの悲しげに、すくっては捨ててを繰り返す姿がありました。
幼女は泣いていた・・・ダイゴはその涙が嫌いだった・・それは瀬戸内寂聴のケータイ小説より寂しく、虚ろで、こぼれる涙がガラスのようにこぼれて弾けた・・ダイゴは、擦り寄り幼女に話しかけました。「大丈夫かうぃっしゅ?やったのはコイツだ!!!!!!!!!!」そして、ダイゴはソフトバンクの犬を指差した。指が震える・・これほどかっこよくキマることはない。そして優しく包み込み、幼女を一網打尽・・ダイゴは計算しました。頭の中で渦巻く妄想・・思いがこぼれ出て、いきり立つ自分の股間・・「ワン!」犬は吼えました。「い・・犬が吼えるわけ無いじゃない・・あなた・・顔はいいけど・・変質者ね!!!私のスライムをころして!!!そだてあげてごうせいして、キングスライムにしてお金をたんまり手に入れるつもりだったのに!!!!」幼女の手にはいくらか小銭が握り締められていました。ダイゴはマズイと思いました。非常にマズイと思いました。そこで、ダイゴは違う手に出ました。おびえる幼女は、後ずさりしようと思いましたが、スライムに足を取られてコケてしまいました。「ふ・・・ふぇぇええん・・」幼女が真っ赤になった顔からまた涙を搾り出しました。ここで、ダイゴはますます擦り寄り、きび団子を出しました。「お嬢ちゃん、これ、俺んちだけで作れるダンゴなんっすよ、ほしい?限定っすよ?」ダイゴは息を熱くして幼女に顔を近づけました。「や・・やだ・・さいみんやくとか・・はいってるとおも・・・・!!!」そのときです!犬がよだれを噴出し、飛び掛ってきました。犬の目はイっていました。「ほしい!ほしい!よこせ!!!!!」犬は吼えながら日本語を流暢に使いました。「い・・犬がしゃべって・・・へんしつしゃ・・・!?け・・警察よぶのだわ!!!!」そうして、幼女は、ピンクの身体に合わないれっきとした兵器、「携帯電話」を取り出しました。ダイゴは流石にマズイと思いました。「ちょっと、犬さん・・マズくないっすか?逃げたほうがよくないっすか?」「うむ・・・」犬はうなりました。しばらく犬は考えて、犬は突然吠え出しました。すると草原の向こうの林からスーツ姿の黒人が現れました。「オトウサン、オ久シブリデス。」
「あの・・黒人のお父さん・・?」ダイゴは犬に聞き返しました。「ああ!そうだ!私の息子だ!紹介しよう!パズー・・」黒人は人差し指を唇に当てて、「黙れ」のしぐさをしました。しかし、ダイゴは既に嫉妬をしていました。怒りの目の先にあったのはそこの犬でした。少なくとも、あの「犬」がニンゲンを産むには、黒人の母親がニンゲンで無ければならない。ダイゴよりも先にプレイをしていたと思うと憎憎しくてたまらなかった。今日の夕食にでもしようとも思いました。だが、ダイゴは考え付きました。ダイゴは犬を「餌」で釣り、そしてドレイのように扱おうと決心しました。「デ、オトウサン、何カ用デスカ?」黒人は全く流暢でない日本語を話しました。犬は、黒人の耳元にその長い口を当てて、ボソボソ言いました。「ホントデスカ!オトウサン!?」幼女が震えながら携帯で警察と相談をしていました。変態の仲間が増えた・・と。「チョット!ソコノ オ嬢サン!!」黒人は歩み寄りました。幼女の声は歩み寄るたびに大きくなり、携帯電話の向こうの警官に必死に救命を訴えました。「は・・はやくきて!!たすけて!!!!おそわれる!!!!!!!!!!!」 黒人は一歩一歩踏みしめ、彼の足元には覇気の息吹がスライムの残骸を吹き飛ばしました。黒人の身体にはバチバチと電撃がめぐっていました。そして格段と上半身の筋肉をビクビクと膨らませました。幼女は逃げました。声を壊して・・途中で携帯を落としてしまいました。拾ったらつかまります!しかし、状況は悪化するばかり・・そこには巨大な岩壁が・・!彼女の逃げる場所はもうなくなってしまいました。泣き叫ぶ涙も尽き果て、声を逸した、枯れた声がただただ逃げたいという感情を差し出すだけでした。とうとう、黒人はモリモリの上半身を見せながら幼女に顔を近づけました。逃げることなどもはや、考えるだけでもムダです。今は警官が来るのを待つしかない・・しかし、パトカーの勇敢な音もしません。黒人が口を開きました。「オ嬢サン、僕ト24時間無料ニナリマセンカ?」「イ・・ッヤアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」幼女は、筋肉モリモリの黒人の唯一の弱点、「股間」を蹴り、必死に逃げました。そして幼女は森へ消えていきました。「危機は去ったようだな!行くぞ!」犬はダイゴに吼えました。
犬は、ムシャムシャときび団子をほおばりました。銀の皿に唾液と団子を引きずった後を残して、犬は完食しました。「どこがうまいんすか?」とダイゴは聞きました。すると、犬はこう答えました。「これは止められる味ではない!」と答えました。麻薬でも入ってるのではないかとダイゴは睨みました。犬が仲間になって、数日が立ちました。黒人は常にダイゴたちの後ろを大量の荷物をかかえて歩きました。森に入ったときは、木の枝を二本ワシャワシャとつかんで隠れるようにして歩きました。モンスターが出てきたときは、犬と黒人が攻撃してくれるので、ダイゴはほとんど動くことをしませんでした。それでも経験値は手に入るので、少しずつダイゴはちゃっかりレベルを上げていきました。ポケモンのコイキング並みです。ある日のこと、犬が「おい!ダンゴをよこせ・・!」と静かに、しかし急かしていいました。ギブアンドテイクなので、ダイゴはきび団子を一つ渡すと、辺りから影が忍び寄ってきました。あっという間に、覆面を被った戦闘歩兵に囲まれているではありませんか!「ちょっ・・!ヤバクないっすか!?」「・・渋谷系が戦闘値120・・黒人が戦闘値678・・・ゴミめ。」戦闘歩兵の一人がブツブツ言いました。黒人は呆れて新聞を広げました。そして一人の歩兵が、ガタガタ震え始めました。「お・・おい・・そこの犬・・せ・・戦闘値・・!??!?うっうがあああああ!!!!」他の歩兵たちがその叫びに顔を向けたとき、そこには、頭のない首から真っ赤な血を噴出す哀れで人間らしくないものであり、間もなくそれはバタリッと倒れました。その足元には白い身体を血に染めて眼を射切らせ、真っ赤な団子を食らう犬が一匹・・「貴様らの首は・・さして美味くもないが、『ハツ』はどうかな?」犬がにやけました。瞬間的な動きで言葉通りのハツを1人の歩兵から『ハツ』を奪い取りました。「か・・返して・・俺の心臓・・・」犬は血管を牙にぶらさげ脈打ち、血をとめどなく噴出す心臓を顎で堪能していました。そして、最後の一人は、引けた腰を引きずり逃げ出しました。「他愛の無いやつめ!」犬は誇らしげに吼えました。「オトウサン、見テクダサイ。」黒人が持ってきたのは、歩兵の服でした。そこには、真っ赤な丸が縦に交わったマークがありました。「こ・・これは!!」
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