全ては、生命の珠[イノチのミ]と呼ばれる一つの果実から始まる。
少女は丘の上の小さな小屋で、彼女の祖母と幸せに暮らしていた。
しかし、ある日。おばあさんを不治の病が襲った。
おばあさんは最後に、少女にこう言い残して亡くなった。
「私はね、実は魔法使いなんだ。そして、私は最後の魔法を使うことにするよ――
――何でも願いを叶える果実を生み出す魔法さ」
おばあさんは、己の体を粒子に変えて、生命の珠を作り、天に向かう・・・。
そして少女は、その果実を食べて、願った。
――妖精に、会いたい。
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一方、妖精界では。
クルー・アポトニティーとアルター・チェインが相談しておりました。
彼らは八妖精でした。
八妖精とは、人間界と妖精界のバランスを調整する八人の妖精たちである。
百年に一度、儀式の間とよばれる城でバランスの儀式をするのです。
しかし、その儀式をおこたると、世界は地獄と化します。
チェインたちは時空に飛ばされた八妖精を助けるために、時空へと向かうのです。
しかし、時空に行くには人間が一人必要でした。
少女はチェインの家に現れました。
チェインはクルーの力によって、その少女のことを知っていました。
そして、不覚にもチェインはそこで少女に一目ぼれします。
少女は美少女でした。
少女は、妖精体験サービス、のような仮妖精という制度により、半分妖精になります。
少女はそこで、人間界にいたころの名前を忘れて、アブソーという名前を貰いました。
そんなこんなで、城から時空にとぶ前日に、クルーはアブソーと二人っきりで何かを話していました。
その内容はまだあきらかではありません。
そして彼らは、未知なる時空に足を踏み出したのです――。