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天上の争いは地上に影響を起こすことはなかった。だが、賢者たちにとっては都合が悪かった。賢者たちは天輝石という石で地上の万物の影響を防いでいた。つまり、賢者たちには地上にある時でさえ何の脅威ではないということである。だが、それはただの触媒でしかなくてその石は神の力を天上の地から運んでいるだけなのだ。天上の地が不穏な争いに巻き込まれ、力が無くなってしまったら、賢者たちはただ、朽ちるのを待つしかない。だが、そこにばかり囚われ、地上を治められなくなってはいけないのだ。それが彼らの使命であり、地上に繋がる鎖なのだから。賢者の住まう塔の一室でエルノーヴァは溜め息をついた。「天上の地のバランスが崩れるなんて・・・。世界が生まれてはじめてだ。」エルノーヴァの思考の中で違うのではないかという考えがよぎる。この世界はただの小さな世界でこの世界の中心はもっと別の場所にあるのではないのかと。考えに耽るより、目の前のことを先読みすればいいと思い、目を閉じた。知識の特殊能力、道標。自分の知識と考えを使い、予知する。行使中に部屋の扉がノックされる。意識の世界から引き戻され、扉の方を見る。「誰ですか?」すると、扉から、「私です、ラルノスです。」光の賢者であることに安堵し、「入りなさい。」扉に入ってきたラルノスはひどくオドオドした感じだった。天上の地では時は存在しないが、成長は存在する。賢者の中では一番成長がしていないのがラルノスなのだ。「どうしました?」「えっと、成長も未熟な者の意見ですが、聞き入れてもらいたくて来たんですが・・・。」「いいですよ、言ってみなさい。私は貴女の意見には色々と期待がありますし。」「では、単当直中に言います。この地上を七分にしてはどうでしょう?」「七分ですか?」「はい。七つの国を作り、一ずつ賢者が治めるのです。」「ふむ・・・。」「聞き入れなくていいですよ!ただ、その方がきちんとした統一が可能かなって・・・。」「面白そうですね。」「え!?」「それでいきましょう。」「は、はい。」これがすべての始まり。争いの舞台は整った。こうして、七つの国はできたのであった。これが、今後にどう関わってくるなんて誰も知る由もなかった。
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