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夜襲の前にそっと風貴様の寝床に気配を消して忍び込んだ穏やかに眠るその顔はまだ19の顔には幼くどこか上総様に似ていた…この夜襲を成功させればきっと、親也様のお側で穏やかな笑みを浮かべ、この日の本を照らしてくれるだろう…生きるか死ぬかなんて…わからない方がいい俺は…幸せなのかもしれない「お優しい…あなた方のおかげですね…」上総様が俺にくれた椿の簪男なのに…とは思ったが上総様の笑顔を見たら怒る気も失せた「…風貴様、行って参ります」そっと簪を枕元に置き静かに出ようとした「弥助…」「…!」「…帰ってくるの、待ってるぞ」起きてらっしゃったのか…「必ずや…果たして見せます」一度振り返り寝床を出た「長…」「準備は整ったか…夜影」「出陣準備は万全にて…」「そうか…」優しく髪を撫でる明け方の風に静かに目を閉じた「夜影、行くぞ」「御意」----------薄暗い森を一気に敵本陣の真後ろまで進軍する息を鎮め、気配を消し伝えておいた指示通り部下を配置させる夜影に合図を出し、先発隊を行かせるそれに続き、音も無く敵本陣に忍び込んだ…はずだった「冗談じゃない…行かせませんよ」ひたりと首に当たった長刀その先に銀髪の長い髪を靡かせた、ムカつく笑顔の同業者「月下狼…鬼平…」「おや、私をご存じで…夜叉椿の弥助」月下狼の鬼平(おにだいら)…戦場の凶風とも云われる男貼り付けた笑顔と銀の長髪が特徴で主人を裏切り、部下を平気で切り捨てる精神異常者…面倒なのを雇いやがって…「お噂は兼ねがね…一度貴方とやり合いたいと思っていましたが…こんなに早く来るとは」ぎらつく赤い瞳がこちらに向けられるあぁ、寒気する。気色悪い瞳しやがって…「忙しいんだよ、てめぇの首もついでに上げてやる。退け!!」「私がついでとは…解せませんが…まぁ、楽しく殺りあいましょう!」一気に間合いを詰め、刀同士がぶつかるもうすぐ、朝が来る
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