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「じゃぁ、夜影、水無月。荷物運んどけよ」「了解」「風貴様、お気をつけて」「うんっ!」落ち着きを取り戻した風貴様を連れて上総様の墓所に行く事になった正直、俺も行くのは初めてだ屋敷の近くにある竹林の奥そこに蔵伊里家代々の墓所があるらしい馬で行くと面倒なので風貴様を抱えそのまま飛んだ「弥助はや、い!!」「一番安全で手っ取り早いですから」「や、ぼく慣れてなっ!!」最速で進み、竹が開けた場所に降り立った風貴様を下ろし、水を飲ませる「落ち着きました?」「ビックリした…」「人攫いは慣れてますから」「…!!」「冗談ですよ」一瞬驚いた顔をして安心した顔をしてコロコロ変わる表情に心が穏やかになって行く風貴様が立ち上がり、静かに墓前で手を合わせたその背中を見守り、近くにあった竹に背中を預ける『弥助…やっと笑ったな』懐かしい声に俺は目を閉じた振り返る事はない振り返れば、全てから逃げたくなるから「…風貴様のお陰でしょうかね…」『俺もいい息子もらったもんだな!』「まったく…上総様には勿体無い方です」『…もう…心配いらんな』「アナタは死んでも俺の上司ですけどね」『よく言うわ!…弥助、後は全て任せた』「えぇ…まぁ、空から見ててください」柔らかな風と共に後ろに感じてた気配が消えたそれと同時に風貴様が振り返った「弥助!戻るぞ!!」「えぇ、急いで戻りましょう」「うぅ…もう少しゆっくり行こう…?」「…そうですね、のんびり帰りますか」「あはっ、弥助大好きっ!!」上総様…そちらは気が楽な場所と聞きます今まで乱世で生きてきた壮絶な人生をそちらで休めてください俺はこの小さな背中に乱世の運命を背負う主を守って行きたいと思います…風貴様を守り抜いて、もしそちらに行ったら酒でも飲みながら…話を聞いてくださいそれまで…土産話を増やしておきますから楽しみにしててください…弥助
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