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上総様の葬儀から数日城の中はとても静かでそれと共に俺の中は空っぽだった-----------「長、すみませんこの書類…」「ん…置いとけ…あとで…見るから」ここ数日…何をするにも億劫だ…動く気すら起きない…こんな状況で敵にでも攻め込まれたら蔵伊里家も俺も終わりだろう…毎日を根暗にひきこもってるとある日、陽樹殿がやってきた「よぉ、弥助。相変わらず死にそうな顔しやがって」「陽樹殿…如何なされた」「どーもこーも!親也が呼んでんだよ、だから死にそうな面してる奴引っ張りに来た」「親也様が…?」「あぁ、ちなみに拒否権なしだ。うちの忍隊も連れて来たから蔵伊里家は安心しろ、ほれ行くぞ」そのまま、陽樹殿に連れられるまま親也様の城に向かった謁見の間に通され、上座に座る親也様をぼんやり見ていた「陽樹の言う通りか…弥助!」親也様の声で我に返り、静かに頭を下げた「親也様…今日はどのようなご用件で…」「ふむ…蔵伊里の新しい城主を主に預けようと思ってな」「城主…」「さよう。蔵伊里は代々、我が御堂家に仕えてきた筆頭家老。何より主を失うのが惜しい…そこで、だ。我が息子を蔵伊里の養子にしようと思ってな」「……。」「上総には嫁も子もおらぬ…それ故の判断だ。わかってくれるか…?」上総が愛した蔵伊里家を守るんだ…やってやろうじゃねぇか「…その守り役、この弥助…お請け致します」「そうか、なら主の新しい主だ。風貴!ここへ参れ」「お呼びでしょうか、父上」俺の前に現れたのは、元服を済ませたばかりであろう14、5のガキが出てきた目を惹いたのは、眩い橙の髪…左右色が違う瞳「風貴、そこにおるのが蔵伊里の弥助だ。優秀な忍隊の長を任せてある。」「弥助…」風貴、と呼ばれたガキは俺を見ると一直線に走り寄って来た俺は胡座から膝をつき、頭を下げた「…弥助…?」「はい、風貴様」「顔…上げて?」言われて顔を上げると風貴様が優しく笑った色の違う瞳を細め優しく笑ったすると、ふわりと俺の髪に触れた「弥助の髪は綺麗な色だな!まるで暖かな焔のようだ!」その笑顔と言葉に目頭が熱くなった…「弥助が気に入ったか。風貴、弥助と共によく働くのだぞ」「はい、父上!弥助!よろしくな」輝く笑顔に静かに頭を下げた
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